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サラリーマンが異世界転生したら世界マネジメントで救う話  作者: 小路中太


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2/5

お望みどおり、異世界へ

朝、7時。起床。

今日はまだ水曜日。週の半ば。


あーユウジから言われてた資料まだできてねーや。電車乗りたくねぇ。またグチグチうるせぇんだろうな。


ベットから起き上がる前に、ひと通り出勤したら起きるであろうことをシミュレーションするタカシ。


いつもの朝。いつもの日常である。


目が開かないうちに起き上がり、心を無にしてスーツに着替え身支度するその姿は、どこにでもいる35歳独身サラリーマンそのものだ。


誰もいない部屋に向かい『行ってきます』と、心の中で念じるタカシ。いつもの家を出る前の儀式である。


なんだか風が強いな。雨も降りそうだ。さっさと駅に向かおう。

タカシは通勤で利用しているいつもの駅に早歩きで向かった。


黄色い帽子がタカシの視界を横切った。

小学生の帽子だ。風で飛ばされたのか。


タカシは帽子が飛んできた方向に振り返った。

絶句した。

帽子を追いかけてきた少女に向かって、トラックが彗星のごとく近づいている。


うぉっ!危ねぇ!

タカシはまた心の中で叫んだ。同時に少女の元へ光のごとく向かっていった。



………………………………………




あれ?


真っ暗?夜?


あれ?あの少女は?どうなった?


…あ。トラックか。


タカシは今朝起きた時と同じように、自分がなぜこの暗闇の中にいるのか現状把握を開始した。その結果、自分がトラックに轢かれて死んだのだと仮説を立てた。


もし死んだのなら…いや…死んだことないからわかんないけど…痛いとか辛いとか何も感じないのか…。


仮説の検証を続けていると、電子音と昔好きだった女子アナウンサーの声が聞こえてきた。



ピロン。



ーようこそ、終わりのない暗黒世界へ。

ーあなたは、もう元の世界には戻れません。

ーこの世界は、魔王ユジンに支配され、人々は夢も希望ももてず、暗黒の波に飲まれています。

ーあなたは、選ばれしものとして、ユジンを倒すのです。暗黒世界の中でも懸命に生き、魔王を倒さんとする人々の声が、その吐息が、まだかすかに聞こえます。

ーその声を集め、人類の希望を結集させ、暗黒世界に光を取り戻すのです。

ーあなたが最後の希望なのです。頼みましたよ…タカ…シ…



アナウンサーの声は消え、静寂に包まれた。



え!?


これやっぱり異世界転生!?


タカシは、待ちに待った、魔王ユジンが支配する異世界に転生したのだ。









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