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『二つの世界、一人の魔王』~東京2080からエヴァの大地へ~  作者: 黒猫
第二章:異世界での新たなる冒険譚
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第12話:空から落ちた少年

 

  白い光が世界を包み込んだ。


  ローズが俺を抱きしめる中、とてつもない力で目に見えない壁に叩きつけられたような感覚に襲われた。衝撃で息が詰まり、何が起きているのか理解する間もなく、意識が遠くなっていく。


  しかし、目を閉じる直前、俺はあるものを目にしてわからなかった。


  目の下に、巨大な砂漠が広がっていた。


  ……砂漠……?


  考える時間はなかった。俺の体はその広い砂の海へと落下し始め、次の瞬間、全身を電気が駆け巡るような衝撃が走った。


  そして、意識を失った。


 ♦


  空が赤く染まり、空気に嫌な重みが漂い始めた。


  ある都市では、商人や住民たちが手を止め、その奇妙な現象を見つめていた。恐怖で後ずさりする者もいれば、互いに小声で話し合う者もいた。


「これはどういう意味だ……?」


「悪い予感だ。何か恐ろしいことが起きようとしている」


  恐怖は街中に広がったが、この突然の変化の原因を知る者は誰もいなかった。


  そこから遥かに、ある城の最も高い塔で、顔を隠した男が玉座にもたれかかっていた。その膝の上には、銀色の髪と血のように赤い唇を持つ美しい女が横たわっている。


  男は赤く染まった空を見上げ、かすかに笑った。


「ほう、来たか」


「どうなさいます?」


  女が問う。


「兵を送って殺させる」


  その答えはあまりに何事もなかったように、まるでどうでもいい用件の話でもしているようだった。


 ♦


  落下してから数時間が経っていた。


  太陽が砂漠の表面をどんどん焼き、熱気がこの場所をまさに地獄に変えていた。俺の体は砂だらけ、動くたびに強い痛みが走った。


  徐々に、意識が戻り始める。


  何かに引きずられていることに気づいた。


  最初は、何が起きているのかほとんどわからなかった。視界はぼやけ、体は痛すぎてすぐに動けなかった。しかし、なんとか目を開けると、目の前に巨大な黒い影が見えた。


  猫だった。


  信じられないほど巨大な黒猫が、俺を掴んで砂の上を引きずっていた。


  ……なんだ……?


  俺は動かず、目の前の光景を理解しようとした。心臓が激しく鳴る。こんな巨大な生き物がどこから現れたのか、全然わからなかった。


  その時、思い出した。


「ローズ!」


  できる限り首を回すと、彼女がまだ俺にしがみついているのがわかった。意識はなく、腕で俺を抱きしめたまま、俺の動きに反応する様子もない。


「ローズ、起きて……ローズ!」


  もう一度呼びかけようとしたが、無駄だった。


  再び猫に視線を向ける。その生き物は俺たちを砂漠の上で引きずり続けており、俺たちの存在など全く気にしていないようだった。


  その時、小さな鳴き声を上げた。


  ニャー


  その音は驚くほど可愛らしく、その巨大な姿とはまるで反対だった。


  それでも、俺は落ち着けなかった。


  ……ここはどんな世界なんだ……?


  どこにいるのかも、なぜこの砂漠に現れたのかも、この生き物が俺たちをどうするつもりなのかもわからなかった。はっきりしているのは、ローズがまだ意識を失ったままで、俺もほとんど動けないということだけだった。


  巨大な猫が砂の海の上で俺たちを引きずり続ける中、俺はただ彼女にしがみつき、一刻も早く目を覚ましてくれることを願うしかなかった。


  なぜなら、この未知の場所で、何が待っているのか、俺には全然わからなかったからだ。

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