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少年と昼休憩②ー②

「あにさま!」「にいさま!」


 僕たちが食事をしていると、ミラとミナがやってきた。


「二人も昼食かい? なら一緒に食べようか?」


 僕たちが座っているテーブルは6人座れるようになっており、椅子が三つずつ向かい合っている。


「あにさまの隣がいいです!」


「にいさまの隣がいいです!」


 そう言うと、二人は僕の左右に座ろうと動く。


「ここはミレイヌが座っているのです。譲りませんよ?」


 ミレイヌさんの言うとおり、僕の隣にはミレイヌさんが座っている。

 三つの椅子の真ん中に僕は座っており、右隣にミレイヌさんが座っている。

 ミレイヌさんの向かいにサラが座り、僕の向かいにレイトさんが座っている。


「二人のうち、隣に座れるのは一人だけだね。物理的に不可能だもん」


「どっちが……座る?」


「ミレイヌは食事中なので、動きませんよ?」


 三人がそれぞれの意見を言う。


「ミラが座りたいです!」「ミナが座りたいです!」


 珍しく、二人が同時に声を張り上げる。


「ミラもミナも我がまま言っちゃだめだよ? どっちかが僕の隣で、どっちかはその向かいに座るしかないよ?」


「ミラが良いです!」「ミナが良いです!」


「ミラのほうが、あにさまのお役に立てます!」


「ミナのほうが、にいさまの邪魔になりません!」


「ミラもミナも役に立ってるし、邪魔だなんて思ったことないよ?」


「あにさま!」「にいさま!」


「やはりミラが座ります!」


「いいえ、ミナが座ります!」


 二人は僕の言葉に一瞬笑顔を浮かべるが、再び言い争ってしまう。


「うぅーーー」「むぅーーー」


 やはりまだまだ子供なようで(当たり前だが……)わがままを言いたいのだろう。


「今回は仕方ないだろ? どっちが座るか話し合って決めて?」


「うぅーーー!」「むぅーーー!」


 二人は唸りあって話そうとしない。

 そんな時だった。


「だったら、空いている椅子を持ってくればいいんじゃないかな? こんな風にね?」


「セイバー! 久しぶりだね?」


 やってきたのはセイバーだった。

 右手に持っていたトレイをテーブルに置き、隣のテーブルから椅子をひとつ持ってきて置く。

 いわゆる誕生日席というポジションだ。


「これで、ランネット様が端に座れば三人で並べるでしょ? ね?」


「すごいです!」


「天才です!」


 その行動に、二人は笑顔を浮かべる。


「たしかに。これなら三人で座れるね? ありがとう、アーサー」


「いえ、ランネット様。家臣としては、王族に忠義を尽くすのは当然のことです!」


「ありがとうございます!」「ありがとうございます!」


「それじゃあ移動するよ。二人ともおいで?」


 僕は、うどんの器を持って一つ隣に移る。


「ミラは右なのです!」


「ならミナは左です!」


 そう言って、二人は僕の両隣りに座った。

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