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千年の蜜月と、吸血鬼たちの甘い夜

華の国の宮殿、その最上階にある広大な王の寝室。

月明かりだけが照らす天蓋付きの巨大なベッドには、甘く、そして艶やかな吐息が満ちていた。


「くっ……うぁ……ルナ、ちょっとそこは……っ」

「ふふっ……1000年経っても、ジンの首筋は本当に甘くて美味しいですわ。わたくしの血が流れている証拠……何度味わっても飽きませんの」


シーツに押し倒されたジンの首元に、ルナが艶やかな唇を這わせ、鋭い犬歯をゆっくりと立てる。チクリとした痛みの後、吸血鬼特有の甘い痺れがジンの背筋を駆け抜け、思わず甘い声が漏れた。

ルナはジンの首筋についた血を長い舌でエロティックに舐め取ると、とろけるような笑みを浮かべる。


「あーっ! 金髪コウモリばっかりズルいアル! ワタシもジンのエキスを補給するネ!」

「ちょ、リン! お前、また酒飲んで……んんっ!?」


横から割り込んできたリンが、ジンの唇を強引に塞ぐ。

口移しで注ぎ込まれるのは、極上の美酒と、リン自身の甘い唾液。チャイナドレスのスリットから覗く豊満な太ももがジンの腰に絡みつき、彼女の熱い体温が直に伝わってくる。


「ぷはっ……ん〜、やっぱり1000年モノの高級酒より、ジンの唇の方が何百倍も気持ちよく酔えるネ。ワタシの可愛い旦那様、今日は朝まで寝かさないアルよ……?」

リンはジンの胸元をはだけさせ、赤く染まった頬を擦り寄せて甘える。


「り、リン殿! 主君を独り占めするなど破廉恥でござる! 拙者も……拙者も主君の肌に触れたいゆえ……っ!」

顔を真っ赤にしてポニーテールを揺らすサクラが、ジンの右腕を両手でギュッと抱きしめる。

「サクラ、顔真っ赤だぞ。無理しなくて……」

「む、無理などしていないでござる! むしろ……もっと、深く……」

サクラはジンの腕に頬を擦り寄せると、上目遣いでジンを見つめ、彼の手のひらにチュッ、チュッと鳥のように可愛らしいキスを何度も落とす。侍としての忠義はすっかり鳴りを潜め、そこには恋する乙女の熱情だけがあった。


「……お前たち、あまりジンを困らせるな。ジンの体が保たないだろう」

冷静な声と共に、シルバがジンの左側に滑り込んでくる。

しかし、彼女の行動は言葉とは裏腹だった。ジンの左手を取り、自分の指と絡め合わせてギュッと『恋人繋ぎ』にすると、そのままジンの耳元に顔を寄せる。


「……とはいえ。今日のジンは、少し隙が多すぎるな。私という剣がありながら、他の女にばかり気を取られているお仕置きだ。……動くなよ、ジン」

「っ……! シルバ、お前まで……ぁっ」

シルバの冷たい唇が、ジンの耳たぶを甘く噛み、そのまま首筋から鎖骨へと吸い付くように這っていく。クールな彼女が見せる、ベッドの上だけの情熱的な独占欲。ジンは快感に抗えず、シーツを強く握りしめた。


「あぁ……ジン様、ジン様ぁ……♡」


そして、ジンの頭上から覆い被さるように、アイリスが抱きついてくる。

彼女の紫色の髪がジンの顔をくすぐり、狂気的なまでに愛に満ちた瞳が、至近距離でジンを見つめていた。

「ジン様の匂い、ジン様の体温、ジン様の血……全部、全部私だけのものですよ……? 他の肉壁たちに少し分けてあげてるだけで、ジン様の心の一番深いところは、私が独り占めしてるんですからね……ちゅっ♡」


アイリスはジンの額、まぶた、そして鼻先に、執拗にキスの雨を降らせる。

重すぎる愛。逃げ場のない快感。


四肢をヒロインたちにホールドされ、五つの極上の愛情と牙を向けられたジンは、もう抵抗することをやめて、彼女たちの愛おしい頭を順番に撫でた。


「……ったく、お前らってやつは。1000年経っても、本当に俺のことが好きすぎだろ」


ジンのその言葉に、五人の吸血鬼の妻たちは顔を見合わせ、そして一斉に、最高に幸せそうな、とろけるような笑顔を向けた。


「「「「「当たり前(ですわ/でござる/ネ/です)♡」」」」」


「……降参だよ。お前らの愛、全部まとめて受け止めてやるから……今日は好きにしろ」

ジンが観念して両手を広げると、五人の乙女たちは歓声を上げ、再び愛する夫の体へと群がっていく。


吸血鬼となった彼らに、夜の終わりなど関係ない。

1000年続いた蜜月は、これからも色褪せることなく、さらに甘く、さらに濃密に、永遠の時を紡いでいくのだった。

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