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もう一度、あなたと。  作者: 杉野仁美
第四十五章・豹魔の郎党物語

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鵜月と小太郎

目的の店で小太郎を見た鵜月は……

 店の看板には「まめや」と書いてある。鵜月が行こうと思っていた店に、たまたま小太郎も来ていたのだ。


「あらあら、可愛いらしい子だね。今日は何を買いに来たんだい?」


 鵜月は小柄な小太郎の形(なり)を見て、お使いに来た童(わらべ)だと思い話しかけた。


 鵜月は元々物怖じしないタイプで、子どもに甘かった。この辺も玄馬の影響を受けていた。


「えっ。俺ですか?」


「そう、ぼく。お使いか何か?」


 子ども扱いされて一瞬小太郎はムッとしたが、屯所でもこのような扱いを受けていたので特に気にしなかった。


「……小豆を買いに来たんです。それと、ここのあられも」


「まぁ、わっちとおんなじ!どの小豆を買ったの??」


「俺が買ったのはこれです。この小粒の」


 小太郎は急に話しかけて来た鵜月に最初戸惑っていたが、小豆の話から何を作るかに話が発展し、料理の話をするうちにいつのまにか打ち解けていた。


 小太郎は今までまともに料理の話ができる人と話したことがなかったからだ。


「わっちはぜんざいを作るの。大食らいの人が一人居てね。店主さん、この小豆全部もらえるかしら?」


「えっ全部!?重くないんですか?」


 小太郎は思わず声を上げた。鵜月は小太郎よりも背が高いといえど、何もかも、特に腕は細く見えた。


「大丈夫大丈夫、意外と持てるんだよ。てこの原理でえいやってね」


 そう言うと鵜月は、持って来た風呂敷に小豆を入れて器用に担いだ。


「ところで小太郎ちゃんは何を作るの?」


「いえ、大したものは……今日は大福を作ろうと思って」


「大福!いいわねぇ!」


 小太郎と鵜月は菓子の話、料理の話で大いに盛り上がった。


最後まで読んで頂きありがとうございました。

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