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もう一度、あなたと。  作者: 杉野仁美
第四章 沖田総司という男

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盗人の正体は……

熊二人はまるでごっこ遊びのような護身術を敏姫に教えていた。とめが意味ないと思いながらも感傷に耽っていたその時……

 

 その時だった。


「ーーへぇ」


 聞き覚えのない、しかし妙に軽やかな声が背後から落ちた。


「ずいぶん楽しそうですねぇ」


(……誰!?)


 私は反射的に振り返る。


 そこに立っていたのはーー見慣れない男。


 けれど、その立ち姿はどこか異様に『整って』いた。


 無駄がなく、隙がなくーー

 口元にはうっすら笑みを浮かべているのに底が知れない。


 ゴクリと私は無意識に固唾を飲み、私は咄嗟に姫様を庇うようにして立った。


(……この人……普通じゃない)


「おや」


 男は私と目が合うと、にこりと笑った。


「警戒されてます?」


 軽い調子。まるで世間話のような声。


 ――その瞬間。


「……やめておけ」


 斎藤の声が、静かに落ちる。でもその声はどこか怒気に満ちていて……


「それ以上やると、近藤に怒られるぞ」


(え?)


 私は思わず斎藤を見る。


 その言い方はまるで、相手を知っているような……しかも近藤って……たしか新撰組の浪士の一人じゃない??


「はは、やっぱりバレてますか」


 得体の知れない男は肩をすくめた。


 そしてーー


「新八さんと一さんが敏姫様の護衛をしてるって聞いて、ちょっと見てみたくなりまして」


(……は?)


「盗人の真似なんて、趣味が悪い」


 斎藤が淡々と言う。


「いやいや、ちゃんと加減はしてましたよ?」


 男はけろりとして答える。


「……総司」


 その一言ですべてが繋がった。


(えっ……この人が……!?怪しい気配の正体??)


 でもそれを知って納得した。あの背後の嫌な感じはただの盗人ではなかった気がした。


 あの気配はもっと別のーー形容しがたい。

 ともすれば……人を……


「はじめまして、姫様」


 そう言うと、その男。


 沖田総司は、すっと姿勢を正し、にこやかに一礼した。

謎多き人物・沖田総司


最後まで読んで頂きありがとうございました。

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