皇帝陛下とルースさん
少しだけ長めです。
『さて、ブジェント』
「はっ!何でしょう?」
『おぬし、前日にそれはそれはたらふくとスシを食ったらしいのぉ?』
「は?はい、頂きましたが……?」
『わしの大好物で、前日知人にも食わせようと多めに頼んでおったのに、わしの所には1人前がやっとの量しか回せぬほど作らせて食ったらしいのぉ?』
『すっスクセルース様の好物、でございますか?』
ギギギッと錆びた機械の様に携帯袋から顔を上げて俺を見る陛下。隣の姫様は目を合わされる前に顔を背けていた。「ほんとうなのか?」と目が訴えていたいたので苦笑いを返すと、陛下は絶望していた。
隣の皇女を見る限りはルースさんの事を知らないみたいで、何がどうなっているのか、ただおろおろとしているだけだった。
(今更だけど、皇帝の名前ってブジェントっていうんだ)
と、ヒバリは1人ぼーっとそんな事を考えていたわけだが。
「そ、その件につきましては、知らぬとはいえ誠に申し訳なく、」
『故意にやったわけではないと分かっておるわ。ただ、あまりわしの弟子をこき使ってやるなと釘を刺しておきたいだけじゃよ』
「ルースさん……」
皆はほぼ毎日誰かしらがルースさんと会話しているが、俺は会話らしい会話は久々だ。しかも俺の心配をしてくれているのが凄く嬉しかった。
『ヒバリもじゃ。流されてなんでもホイホイと受けすぎじゃ!己の力量に合った程度に抑える努力が見えないのぅ。じゃから周りから心配されておるのじゃぞ?ちゃんと理解しておるか?』
おっと。俺にも説教が始まっちゃったか。でも、こうして心配してくれる嬉しさが勝ってて自然とにやけてしまう!いかんなぁ。向こうへの映像が無くてよかったよ。
「そ、それよりもですね!どうしてスクセルース様とヒバリが子弟関係にあるのですか?本当に驚きましたぞ!」
『ふむ……それに関しては偶然と成り行きとしか言えんのぉ』
「そうですねぇ。出会いは偶然ですし、師弟関係は俺の魔力制御が酷くて面倒見てくれた、としか」
「そうですか……そしてスクセルース様の弟子が私の前に現れて助力を頂けるとは、まるで運命のようですなぁ」
「俺としては陛下とルースさんが知り合いってのも驚いてるんですけどね」
『それに関しては後でブジェントに聞け。わしから話すわけにはいかんからの』
「は。後ほどこちらで説明させて頂きます」
『うむ。では、そろそろ話を終いにするのじゃ。ヒバリ、おぬしは無茶をして辛いはずじゃ。さっさと風呂に入って寝るのじゃぞ?』
「ルースさん、心配かけてすみません。きちんと休みます」
『うむ!おおそうじゃ。後でまた寿司を多めに入れておいてほしいのじゃ。今度はわしも知人と腹一杯食いたいのでの、任せたぞ!』
「はい。明日にでも入れておきますね」
その後は美李ちゃん達と会話するとのことで、俺の携帯袋だけ閉じた。
後ろでは美李ちゃん達がきゃっきゃとルースさんと話していた。
「ふう、驚いたぞ。まさかスクセルース様と知り合っていたとはなぁ」
「父上、その、スクセルース様とはどういった方なのですか?」
「む。今はちょうど人払いしているからいいか。スクセルース様はな、初代皇帝陛下がまだ勇者として旅をしていた頃の冒険者仲間のダークエルフ族の御方だ。そして、魔物の襲撃の終息を願っていた人々を安心させるために、魔王と言う悪役を買って出て下さった帝国の…いや、大陸の恩人だ。
俺や代々皇帝となった者はこの話を詳しく教えられ、次の皇帝へと語り継がれてくってわけだ。だから本来はこの話はアンビに語り継ぐ訳だが、ヴァシュリーには全部を話した訳じゃねぇし今回は特別だ」
「そうでしたの……」
「ヒバリ達は驚かねぇんだな。スクセルース様から聞いてたのか?」
「ええまぁ。全部聞いたわけじゃないですけど、一応俺達も召喚勇者扱いでしたので」
「なるほどな、そういう事だったか。納得した。ホントはもっと詳しく話してやりてぇが、スクセルース様はヒバリの体調を心配なさってたからな、それは後でにしよう。では、今日はここまでだ。明日はすまんが料理を教えてやってくれ」
用は済んだとばかりに立ち上がろうとする陛下。
おっと、1つ聞き忘れてたことがあった!
「待ってください!あの、隷属開放は女性を優先してましたけど、第5騎士団でしたっけ?50人以上いるって聞いてますけど、彼らはいいんですか?」
「あぁ、奴等かぁ……奴等な、実は自業自得な奴ばかりなんだわ」
え?どういうこと??
皆も俺同様首を傾げているが、皇女だけは額に手を当てている。
どうやら先に事情を聞いていたようだ。これは良い話じゃないのは確定か。
そして陛下が語りだす。
「また身内の恥を晒す羽目になるんだが、奴等のほとんどが賭け事に負けた借金に追われた者や女に乱暴した者、賄賂を受け取った者……とまぁ、自分の犯罪や負い目を握られて隷属を受け入れたバカ共なんだわ。
だから正直解放してやる義理もねぇ。調べれば調べただけ黒い話しか出てこない奴等が騎士として平然といたと思うと殴り倒したくなったぜ」
「うわぁ」
そりゃ解放するのも嫌になる話だなぁ。
このままだと大臣…いや、元大臣達の命令に従う恐れがあるから、隷属を解かないのもまずい。だからといって拘束してあれば急ぐ必要もないが、しかもまだそういった不届き者が潜んでいるかもしれないって、陛下達は必死に調べ上げてるのか。誰彼構わず部下を疑わなきゃいけない上司とか、考えただけでも鬱になりそうだ。
元いた世界の職場でも、ロッカールームで財布や現金盗まれた騒ぎがあった時も現場が疑心暗鬼になって大変だったんだよなぁ。結局警察に届け出て、防犯カメラのデータから1人の男が割り出されて連行されていった。
嫌な話だが、これも工場系の現場ではよくあるんだよねぇ。
人数が増えるほどこういった事件は起きやすくなるのはどこも同じだな。
「ってぇわけだから、騎士団の方は気にするな。売られたり酷い目に遭っていた者達が解放されればそれでいいさ」
「分かりました。じゃあ明日からは、隷属された女性達の解放と和食を教える方に力を注ぎますね!」
「おう!頼んだぜ!」
そうして陛下と皇女はそれぞれの部屋戻って行った。
「じゃあ俺達も仕込みと片付けと風呂を済ませてさっさと寝ますか」
「あ、仕込みと片付けは私達でしますから、ヒバリさんは先にお風呂に入っちゃって下さい!」
さーて、と立ち上がって腕捲りをしようとしてたら沙里ちゃんが慌てて止めてきた。俺が一番疲れているのだから、さっさと風呂入ってさっさと寝てくれ、だそうだ。
鏡を見てないから分からないけど、俺はかなり顔色が悪いらしい。そういや陛下が部屋に入って来た時もじーっと俺の顔を見てたっけ。あれもそういう事だったのかな?
「ヒバリさんは魔力欠乏を繰り返していたんですよ?謂わばずっと貧血状態で1日過ごしていたんです。そんな状態でこれ以上動かず、速やかに休むべきです」
「おー、じゃあヒバリは女の子の日みたいなものじゃん!だめだよ、貧血を甘くみちゃー」
「ユウさん、デリカシーなさすぎです!」
姫様にもさっさと休めと言われ、それをユウが女の子の日に例え、更にそれを沙里ちゃんが窘める。よく分からない状況だけど、ここは退散した方が良さそうだ。
今日も俺は居住袋ではなくキングサイズのベッドを使っていいそうなので、風呂から上がったら大人しく沙里ちゃんのドライヤーを受けて、そのまま倒れる様に寝てしまったらしい。
翌朝、体にかかる重さで身動きが取れず目が覚めた。
今日もまた日の出前に起きてしまったらしく、窓の外は暗い。
「ん?……おおぅ、今日はそうきたかぁ」
俺の上半身辺りにピーリィと美李ちゃんが乗っかっていた。幸い、今回は掛布団は一緒に掛かっていたので冷やしてはいない。前回を踏まえて、今回はここに置いてあった大きな布団で3人入りのミノムシを作っていた。
「ミノムシになるのは変わらないのか」
2人の行動を微笑ましく感じて頭を撫でようと何とか腕だけを布団から出す。だが、頭を撫でながらこの後どうしようか悩んでいた。
「起こすにはまだ早いけど、ここから脱出するためには無理矢理2人をどかすしかない、のかなぁ?参った……今日はトニアさん起きてるかな」
「お呼びですか?」
「うわっ!?ほんとにいた!お、おはようございます」
「はい、おはようございます。ヒバリさんはたまに独り言をおっしゃいますよね。ご用件はお2人を起こさず横に動かせばよろしいですか?」
「あ、ハイ。すみません、お手数をおかけします」
びっくりした。ほんとに起きてたよ!しかも、状況把握されてた!
とにかく、トイレ行きたかったから助かった……
そんな小さな攻防のあった後は、夕べ出来なかった仕込みや補充をせっせと頑張った。むしろこれをやらないと落ち着かない社畜心が染み込んでいる悲しい習性だった。
全員起きてからの朝食は、色々仕込んだついでにここで人気の和食って事で、またおにぎりと味噌汁を用意した。外の護衛騎士さん達には似たような物になるけど、毎日違う人だから問題ない。
おにぎりの具材は、いくらはちょっと在庫を考えてやめておき、ねぎ味噌、マス、焼き鳥の残り、ミニハンバーグ、天むす、松茸入り五目混ぜご飯、赤身のオイル煮で作ったツナもどきを使ったツナマヨだ。
それに豆腐を使った味噌汁を付ければかなりの種類あるし量も十分足りるだろう。余ったご飯で作った焼きおにぎりも香ばしくていい匂いがするから、気付くと外の騎士さんの人数が増えてしまい、危うくルースさんの分が無くなるところだった。
昨日の今日でご飯準備出来なかったらどうなってたか……危なかったなぁ。
下手すればまた陛下にとばっちりが行くところだったよね。セーフ!
「ツナってこんな簡単に出来たんですね」
「ただのオイル煮の後漬けておくだけだし、やってみれば簡単だよね。俺の好みでニンニクも入れてるけど、オリーブオイルとローリエも臭み対策って意味なだけだしあとは好みで変えてみるといいよ」
「わたしはこれが好きです。あ、もうちょっとニンニク抑えてもいいかも」
「うん。色々試してみてね!」
よく考えてみたらツナというかシー○キンて和食になるのかな?マヨも日本発祥じゃないし……醤油も入れてるし、深く考えずに現代和食と思えばいいか。
「今日はどういう予定で動けばいいですかね?」
「本日は、皇帝陛下の正妃であられるダーラ様にお会いして頂きます。その後に隷属された者がいれば解放して頂き、最後に厨房にてワショクの手ほどきをお願い致します」
「ダーラ皇后……様、でいいのかな?ダーラ様に、ですか?」
「はい。突然の予定変更となってしまいますが、是非ともお会いしたいとおっしゃられていまして」
今日は緊張する相手はいないと思ってたから、
まさかここにきて最後の大物への挨拶がくるとは思わなかったよ。
「ヒバリさん。ダーラ様は裏方政務全般を受け持っておられるので、いつもお忙しいのです。私もご挨拶したいので、お会い出来る時間を頂けるのなら是非お会いしたいです」
裏方全般って、それは実質帝国のすべてを握ってるって言ってるよね!?ああ、だから皇帝陛下は好き勝手……ごほん、自由に行動してるのか。そりゃ頭が上がらないわけだ!
「分かりました。じゃあ皆の準備が出来たらさっそく向かいましょう!」
姫様と護衛の騎士さんとで今日の予定を確認して、
それを全員に伝えてから手分けして片付けてから出発となった。
ぞろぞろとやってきたのは執務室。
確認すると、中には3人しかいないらしい。
「失礼致します!ノーザリス殿下とお連れの方々が到着されました!」
『どうぞ、そちらで開けて入って来なさいな』
「はっ!」
そっとなるべく音を立てないように開けられた扉の先には、机の上に大量に積まれた書類と格闘する女性がいた。
お団子頭に結い上げられた金髪には少し黒髪が混じっており、真剣な眼差しは眼鏡越しに手元へと向けられている。その筆が何かを書いては次の書類へと次々に処理されていくのを全員が静かに見つめていた。
「この世界にも眼鏡ってあったんだ……」
「あれも魔道具ですよ。魔力を流す事で見た居場所を見やすく調整して補助する高価な物です」
俺の独り言にトニアさんが答えてくれた。
なんか、今朝の事を思い出して少し恥ずかしいな。
「ごめんなさいね、もう少しでキリの良い所まで終わるから、座って待ってて下さる?ああ、お茶も用意させるわね」
ダーラ皇后が書類から一切目を離さず作業を続けながらこちらに声をかけてきた。その動きはしゃべりながらもまったく速度を落とさず書類を捌いていく。
とても2人の子供を産んで成人させたとは思えないほど若く見えるし、キャリアウーマンと呼びたくなるような仕事姿はカッコよさがあった。
「あ、お茶はこちらで用意するのでお気遣いなく!」
書類渡しのフォローをしていた侍女さんがこちらの世話をしようと動いたので、先に俺達でお茶を用意すると言って続きを促すと、軽くお辞儀をしてまたダーラ皇后のフォローに戻った。
「報告は聞かれていると思いますけど、せっかくなので日本のお茶を再現した緑茶を淹れますので、お口に合うといいんですけどね。あ、朝食は食べ…召し上がりましたか?」
「あら、嬉しいわ。何か軽く食べる物があるなら頂くわ。ああ、言葉遣いは別段気にしなくていいわよ。乱暴な物言いでなければ十分です」
それから10分ほど淹れたての緑茶を飲みながら書類と格闘していたダーラ皇后が、ふぅと溜息と共に顔を上げて肩の力を抜いていた。
「待たせたわね。お茶、美味しかったわ」
「お久しぶりで御座います。ダーラ様は相変わらずお忙しいのですね。きちんと休暇は取られておりますか?」
「久しぶりね、ノーザリス。さらに綺麗になったじゃないの。政務は……そうね、うちの陛下はこういった事は苦手で逃げるからまたお仕置きする所よ。今はうちの馬鹿2人のせいで当分休むのは難しいわねぇ」
眼鏡を外して眉間の辺りをぐりぐりと手で揉みほぐし、姫様を見てにこっと笑顔を向けていたが、やがてまた溜息へと戻ってしまった。
「心中、お察しいたします。我が国も恥を晒している所ですので……」
「そうだったわね。お互い力を尽くしましょう。それで、後ろにいるのがニホンからの客人でいいのかしら?黒髪の4人、でいいのよね?」
執務机の前にある面談用の机、その左右に置かれたソファには姫様だけが座っている。後ろにはトニアさんが立ち、壁際に用意された椅子に俺達が座っていた。いつものごとく、美李ちゃんは沙里ちゃんの上に、ピーリィは俺の上に座ってたりする。
ダーラ皇后に呼ばれて全員立ち上がったが、すぐに座ったままでいいと言われたので素直に従っておいた。微笑みを向けられて、沙里ちゃんが俺に囁いてきた。
「ダーラ様って、何だかブリゼさんに似てますよね」
「ああ〜そっか。髪色が白ならそんな感じだ」
そうか、何か既視感があると思ったらブリゼさんっぽいのか。
あの人もできる女性!って感じだもんなぁ。
「あら、ブリゼを知ってるのね。あの子は私の妹の子、つまり姪になるわ」
「えっ!?あー、だから似ているんですね!納得です」
俺以外も全員同じ感想のようだ。
そうか、ブリゼさんのおばさんだったのか!
「あ、そうそう。私の事は決して"おばさん"と呼ばないようにね?」
……あっぶね!
よかった、独り言が出なくてほんとよかった!
ここからはダーラ皇后は姫様の正面の席に座って、予定変更を聞いて急遽作った小さめのおにぎりをテーブルに並べて、具材を説明しながら食べてもらった。
陛下に散々和食を自慢されて苛ついたからお仕置きした話はちょっと引いたけど、やっぱりダーラ皇后も和食にはかなり興味があったと言って美味しそうに次々手を出しては具材を聞かれて話も弾んだ。
食後には大臣の件と隷属開放の件の謝罪とお礼を言われたり、姫様の口から改めて王国の状況を説明したり、ルースさんとの出会いやピーリィとベラの紹介をしたりと思ったよりもゆっくり話をさせてもらった。
「そう、ノーザリス達も色々苦労しているのね」
「いえ、私よりも被害に遭ったヒバリさん達の方がよっぽど」
「勿論ヒバリ達は被害者よ。でも、貴女が苦労しているのも事実でしょ?よくここまで来てくれたわ。安心して、うちからも国王達の助けをする手勢を出すわ。ノーザリス、貴女はもっと私達を頼っていいのよ」
ダーラ皇后は姫様の横へと座り直し、そっと肩を抱いて自身に引き寄せた。そしてそれを合図についに姫様の張り詰めていた感情の糸が切れた瞬間だった。
「わた、私は…ッ!」
「いいのよ。今は泣いてすっきりしなさい!私は貴女のもう1人母よ。昔そう約束したでしょう?母には甘えていいのよ」
「ふううううぅ〜〜〜〜〜〜〜〜」
ダーラ皇后の胸に顔を埋めて必死に声を殺しながら姫様は泣いた。皇后様は姫様の頭を優しく撫でながら声を掛け続けていた。その姿は本当の親子のようだった。
それを見ていたピーリィが俺にしがみつく。なので、俺もピーリィの頭を撫でておいた。隣では美李ちゃんと沙里ちゃんもお互いを抱きしめている。
……あ、そうか。
母親って言葉に反応してるのかな?
とっくの昔に家族と離れたから、どうにも俺にはそこの感覚が薄いのかもしれないなぁ。よく見ればユウもベラも少しお互いに寄りかかってる。皆家族が恋しいのかもしれない。
それに姫様は両親の安否が気になって仕方ないけど、王族の義務だと堪えてこの旅を頑張ってここまできたんだもんな。それを悟った皇后様がここで吐き出させてくれてるんだろう。
「皆さんの前で恥ずかしいわ」
泣きはらした姫様の顔を皇后様がハンカチで丁寧に拭いてあげていた。その姿をここにいる全員に見られているせいで余計に恥ずかしいようだ。
「ん〜〜〜!うちのヴァシュリーも可愛いけど、やっぱりノーザリスも可愛いわぁ。早くうちの子になりにいらっしゃい!
もう!なんでアンビは勝手に好きな相手見つけて来て婚約しちゃったのかしら!?ノーザリスと結ばれれば名実共に娘に出来たのに〜っ」
ぎゅーっと姫様を抱きしめて悶えてる皇后様。
おー、姫様は愛されてるなぁと他人事だから落ち着いて見ていられるねよ。
そうやって2時間以上長居しちゃったてたから業務は大丈夫か心配したけど、
働き過ぎな皇后様を休ませるいい口実だったと侍女さんがしれっと答えていた。
うん。皇族周辺の女性は強いってことだな!
さぁて、と。
お次は解放が先か和食を教えるのが先か?
どちらも頑張ってこなして行きましょうかね!
後半を分けようと思ったのですが、後半部分の話だけで1話作ってしまいそうなのでやめておきました。説明も含んでるのでどうしても長くなってしまいますねぇ。
この辺りの話をきっちり済ませたら城外に、なる、予定なんです……
あと2話くらい城内になりそうですが、引き続き拙作をお読み頂けたら幸いです。