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異世界に行っても袋詰め人生  作者: きつと
第10章 ノロワール帝国と皇族
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皇帝陛下と姫様 その2

「1つ、お聞きしてもよろしいでしょうか?」


 ティーカップを置いて、姫様が皇帝陛下に話し掛ける。



 皆は俺達が用意したお茶と菓子を堪能し、

今はお代わりを準備していたところだ。


「おう、このせんべいってのはまだあるか?」


 バリバリと食べる手が止まらない皇帝陛下。

暇だった離れの軟禁時間を使って試しに作ってみたものだ。


「甘いもんよりこういうのがいいよな。っとすまんな、何が聞きたいんだ?」


 漸く話をする態勢になった皇帝陛下が緑茶の入った湯呑(遠藤姉妹の試作陶器)を片手に返事をする。




 他の人達も動き回るのをやめ、仕える者はそれぞれの後ろに立つ。

ちなみに俺達は客人扱いに変わって全員椅子に座っていた。



「あの控えの間にいた時もそうですが、私達はかなりの国家機密をお聞きしてしまったのですが、よろしかったのでしょうか?」


「んー?……ああ、鑑定珠か?そりゃ隣にいるのを分かってて話したんだ、いいに決まってるじゃねぇか。無論、他言無用は約束してもらうがな」


 それに関しては全員が頷く。

そんなやばい話を他人にしたらと思えば怖いってば。



「……あれ?陛下、自分もお聞きしてよろしいですか?」


「ヒバリと言ったか。いいぞ、発言を許す」


「ありがとうございます。確かあの時、血族だけに伝えられてきた秘密って言ってましたよね?この周りの騎士や宰相さん……様もみんな皇族の血を継ぐ方達なんですか?」



 クックックと俯いて笑う黒猫……じゃなかった豹人族の宰相。護衛や侍女達は特に気にした様子もない。皇族の方々も当然の疑問かと思った程度で、やはり気にした様子はなかった。


「そうだな、説明しておこう。ここにいる者は皆、第1騎士団と第2騎士団に所属する。この2つの騎士団は皇族直属でな、身辺調査や鑑定珠による個人情報の開示や身体能力、まぁ様々な条件を見事乗り越えてきた者達だ。 そして要職に就いた者に限り、先の情報も教えてあるんだよ。そこのブリゼとペストリーも例外だが教えてある。尤も、ブリゼは実力もあるが皇族の血も入ってるからまぁ皇家全員が納得している」


 話を振られたブリゼ団長が頭を下げる。


「それと、第1騎士団の団長はこいつだが、ホントのところはこの宰相が団長だ。これも表向きってやつだな。ああ、別にこいつが団長としての実力がないわけじゃない。代々宰相は第1騎士団長も兼任するってのが

決まり事なだけだ」


 紹介された団長が「勿体ないお言葉です!」としきりに頭を下げていた。

うっとおしそうに手を払う仕草で皇帝陛下が大人しくさせ、話の続きをする。


「ってなわけだ。俺と跡継ぎである息子のアンビは第1騎士団が、娘のヴァシュリーは女騎士を多めに配属した第2騎士団が護衛と世話係ってことだ。納得出来たか?」


「はい、ありがとうございます」



 俺達……いや、正確には姫様を信じたからこそ聞かせてくれて、更に護衛騎士団は選ばれた者しかなれないってことか。


 改めてあの侍女さん達を鑑定してみたら、ステータスが高めなのは分かっていたが、剣術や体術も修めていた。そういや、護衛に残ってくれてた騎士達もあの襲撃はまったく取り乱してなかったもんなぁ。

 流石に同じ騎士を奴隷にしてたのは少しの間取り乱してたが、まさかそこまでしてるとは思いもしなかったろうし仕方ないだろうけど。




「じゃあ次の話にいくぞ。ノーザリス、今のシルベスタの状況はどうなっているか話してくれ。ヴァシュリーから大体は効いているが、俺はお前の口から直接聞きたい」


「はい、勿論です。我が国の恥を晒すためお耳を汚す話で申し訳ありませんが、是非ともお聞きください」



 ここでもまた第1王女と第1王妃の暴走と流されて召喚の儀を行った自身の弱さと、帝国への状況報告役を買って出た事、そして戦闘の固有スキルを持たなかった俺達3人に害が及ぶ前に連れ出した事を説明した。

 言い訳になるがと前置きをしたあと、実は姉である第1王女からから召喚珠だと知らされずに渡された魔道具が偶然発動しかけたのを見られ、そこから強制になりついには召喚の儀を行ってしまったと語った。

 そして俺達の旅で出会ったピーリィやユウとベラとの経緯もここで伝えていた。ピーリィの母親の話は、周りも顔を顰めていた。



「このように国民どころか異世界の方々をも諍いに巻き込んだ責は我が王家にあります。心苦しい限りではありますが、帝国でも十分に警戒なさって下さい」


「そう自分を責めるな、ノーザリス。俺の国とてこうして馬鹿を晒している。お前達も、巻き込んで済まなかったな。特に異世界からの者達、これは初代の召喚されし勇者の血を引く者として、またもこのような悲劇が繰り返される愚に頭を下げるしかない」


 皇帝陛下が俺達の方に体を向けて頭を下げる。


「シルベスタ王国が召喚された者が建立した国と言うのは知っているな?当時の皇帝はもし帰る方法が見付かったら、そして帰りたいと願うならと召喚珠をその者に持たせたのだ。

 その者は自分の様に他の世界からの召喚は行われないようにと、自分の国に骨を埋めると言って帰るための研究を行わず、召喚珠の使い方をも破棄してしまったそうだ。

 尤も、流石に破壊不可能であった召喚珠を捨てて悪用されては困ると、王宮の王族にしか立ち入れぬ場所に隠しておいたと話していた、と皇家に伝わっている」


「はい、私もそのように父上から伺っています。ですので、尚更此度は取り返しのつかない事を……」


「今回は光の適合者であるノーザリスが扱えてしまったのがそ奴等を後押ししてしまったか。気に病むな、と軽い言葉は言えん。だが、お前はその責任を果たそうとしている。そしてそれはヒバリらには伝わっているだろう。だから、そう自分を虐めてやるな」


 俺達も賛同する。


 この旅の中でも姫様、例え楽しい話題として元の世界の話をしても苦しそうな顔を覗かせていた。そして事あるごとに謝ってきた。それを宥めてはまたしばらくすると謝ってくる。


「皆様も、ありがとうございます」


「ふぅむ。その様子じゃまだ自分を納得させられないか。まぁいい、次の話にしちまおう!」


 皇帝陛下が敢えて明るい口調に変えて話題変換を行う。

そしてその内容に驚かされるのは俺達の方だった。



「あの召喚珠は呼ぶ世界が固定されちまってるらしくてな、今も変わっていねぇならお前達もチキューって世界から呼ばれたんだろ?」


「「「「えっ!?」」」」


 呼び出す世界が固定されている、だって!?



 これには流石に俺達4人は驚かされた。

そして、それが事実であるなら、


「じゃ、じゃあ……今までこの世界に召喚された人達も、全員同じ地球人だったってことですか!?」


「その通りだ。ただ、国や時代ははバラバラだったらしいがな。シルベスタの国を作った者はイタリアって言う国の出身だったらしい」


「イタリア……ああ、だからニングさんの所にあったハーブはああいった種類が多かったんですね」


「そう言えば、トマトも日本のと違いましたね」


 沙里ちゃんも納得していた。



「……待て。今、ニホンと言ったか?」


 俺達地球人組が雑談を始めた横から、

皇帝陛下がすかさず割り込んできた。


「え?日本を知ってるんですか?」


「ニホンは我が帝国の祖、国の生みの親にして初代皇帝だ。そしてアンビを見ろ。今の皇家で一番血筋が色濃く髪に出ている。アンビほどの漆黒の髪は久々でな、産まれてきた時は国を挙げて大騒ぎだった」


 皆の視線がアンビ皇子の髪を見る。そうか、彼の髪が黒いのは日本人の血が強く出たからなのか。他の人達は茶色か焦げ茶と言った所。やはり黒髪は珍しいみたいだ。


「それでだ、お前達は黒髪ではないがニホンから来たのか?そうであればニホンの事を教えてくれ!先祖のいた国とはどんな国だったか知りたい!」



 髪って……あ!


 周りを見れば皆も気付いたらしい。



 そうなんだよ、俺の魔法カモフラージュで髪色と名前だけはまだ偽ったままだったんだよ。俺達仲間内では魔力印の中でカモフラージュは無効にしてるから、普段お互い本当の姿としてしか見えてない。

 だから、外見がどうなってるかなんてすっかり忘れてたんだ。こういう時しっかり認識していないと会話から変なボロが出るかもしれない。気を付けないと!


「そうでしたね、自分とピーリィとはすでに解除して頂いてましたが、皆様は未だそのままにしておりましたね」


 トニアさんが、自身もすっかり忘れていた事に溜息をつく。

ていうか、このパーティの誰1人として覚えてなかったみたいだし。


「おいなんだ、どういう事だ?」


 会話に置いてけぼりの他の人達が意味も分からず困惑している。

そうだ、まずは説明しないとだ!



「えっとここは俺……あ、いや自分が説明させて頂きます。で、いいよね?」


 皆を見ればこくこくと頷いている。


「まず、自分は闇の適合者なのですが、魔法はイメージに強く影響されると教わってから変装の魔法カモフラージュを会得しました。そして、現在もそのカモフラージュを掛けています。と言っても髪にだけですが」


「つまり、お前達の髪は?」


「はい、この4人は日本人で黒髪です。ベラだけは獣人奴隷として捕まりかけてしまったので、安全だと分かるまで姿耳や尻尾は見えないようにカモフラージュを掛けています」


 沙里ちゃん、美李ちゃん、ユウと一緒に横に並び手で示す。続いてベラの事も説明しておいた。そして、カモフラージュを解除する。


「おお!」


 皇帝陛下だけではなく、皇族の2人もその従者達も全員が声を抑えきれ無かったように小さく叫ぶ。これはちょっと居心地が悪いぞ!?


 案の定、沙里ちゃんと美李ちゃんは抱き着き合い少し怯えている。

ユウと俺はちょっと逃げ腰だ。


「あの、そこまで驚かれるとちょっと……」


「まさしくアンビと同じ漆黒の髪!」


「私は、初代皇帝陛下と同じ髪を持った事を誇りに思います!」


「兄上……」


 他の人達もだけど、特に皇族が酷かった。アンビ皇子は泣いてるし、釣られたヴァシュリー皇女も涙目だ。

 それには理由があって、皇子の方はありえない髪の黒さにやれ「今の妃ではなくどこかの妾の子に産ませた」だの「皇家の血を引いているのかすら怪しい」だのありもしない噂に悩まされた時期があったらしい。


 涙ながらに皇子が語った後、全員が髪を触らせてくれと言ってきた。これには同性のみの限定として、ヴァシュリー皇女と侍女らは姉妹を、皇子やむさ苦しい男連中は俺の髪を触る条件で許可をした。


「ふむ、私よりもさらに黒い毛はアンリ殿下以来ですな。非常に興味深い」


 黒豹獣人の宰相もこれに参加し、楽しそうに触ってくる。どこかの遊園地の着ぐるみキャラよろしく、しばらくこんな状態が続いた。



 着ぐるみの中の人って凄いなぁと、


よく分からない感想を抱きながら髪を弄られるヒバリだった。




「あー、ゴホン。すまん、ちと取り乱しちまった。許せ」


 女性陣は髪も本人への気遣いも心得ているので、相手の嫌がる触り方や髪を乱すような事はせず、むしろ手入れをしてくれるほどの扱いだった。

 しかし、男性陣には遠慮のえの字もなく、とにかくもみくちゃにされ、残されたのはまるで事後のような服の乱れにぼさぼさになった髪のヒバリが力無く椅子に座っていた。

 見かねたピーリィがせっせと髪を手櫛で整え直してくれている。たまに爪が頭皮に引っかかって痛いけど、優しさが嬉しいのでされるがままになっていた。



「父上、それと皆もやりすぎですわ。きちんと反省なさって下さい!」


 ヴァシュリー皇女だけは周りの男連中を叱ってくれていた。

本当に頼みますよ皆さん……


「今回召喚してしまった方々は全員ニホンから来られましたが、」


 ……ざわ!ざわッ!


「ですが!18名のうち3名の方が命を落とされ、さらに半数近くが第1王女側に付いてしまっているのです!決してニホンの方と言うだけでの判断と行動ははおやめ下さい!」


 全員が日本人だと知ってまた暴走しそうになるが、何とか姫様が叫び続けて現状を知ってもらった。そして徐々に理解し、騒がしさが唸り声に変わっていった。



 そしてタイミングを見計らって続きを話す。


 国王陛下を支持する源之助グループ、第1王女と共に暴走しているセージグループ、そして第2王女と行動しているユースケ、最後に第3王女と飛び出したヒバリグループ。

 ユースケだけは単独だが、大まかに分けてこの4つになる。現在はどうなっているか分からないが、おそらく源之助もセージも4〜5人を囲っているはずだ。

 ヒバリのグループは見ての通りの4人。ただし、ユウはベラに付き添って獣人達の国へ行くまでの同行人なのでその後はユウ本人次第だが、本人の意思を尊重して決して行き過ぎた勧誘を行わないよう釘を刺していた。



「ボクはベラを国まで送ったら、また王国に戻ろうと思ってるよ。ゲンじぃやユースケさんが心配だし。でも、それも解決したら……その後はまだ分からないや。ベラは国に戻ったらどうするの?」


「ベラは、家戻ったら……決まってない。ユウ、達との旅も楽しい。だから、もっと、一緒にいたい、と、思う」


 あっけらかんと答えるユウと、言いながら徐々に声が小さくなって頭上の耳が倒れていくベラ。椅子から出た尻尾が所在なさげに左右に揺れる。



「おお、そうだった。ベラと言ったな、お前がこの国で捕らえられ、更にそのままシルベスタ王国まで連れて行かれたそうだな。本来ならどこかの街に入った時点で気付けなけりゃならねぇ。この国の代表として謝罪する。辛い思いをさせてすまなかった」


 急に国のトップに頭を下げられて、

どうしていいか分からずベラが慌てふためく。


「えと、ベラは、ユウ達と出会えた。運が良かった。大丈夫、です」


「そうか」


 皇帝陛下の柔らかい微笑み。

それは、父親の様な顔だった。


「そしてピーリィ、お前の母親は残念だったが、もし同じ種族の元へ行きたいなら俺が手配すればすぐに会えるぞ。どうする?」


 まるで毛づくろいの様に俺の頭を撫で続けていたピーリィがその手をぴたっと止めた。どんな顔をしているかは見えないが、想像は出来た。


 だって、徐々に俺の頭に爪が食い込んできてるから!

この手の話題は以前ピーリィが泣いて大騒ぎしたから知ってる!


「ピーリィ、ちょっといた」


「ピィリはヒバリたちといっしょなの!ずーっとずーっといっしょなの!だめなの……ぴゅぃ……いっしょじゃないのやなの」


 痛いと言う前に案の定ピーリィの感情が爆発してしまった。泣いて震えながら爪が食い込むから更に痛いが、今はそんな事を言っていられない!


「ほら、大丈夫だよ。一緒にいるって前に約束したでしょ?」


「でも、へーかってひとがなにかするって」


「いや違うぞ!俺はただ仲間に会いたくないかと心配しただけだ!決して無理矢理連れて行くことない!本当だ!」


 子供に泣かれ、周りからは白い目で見られる皇帝陛下は狼狽えて必死に弁明する。事情を知らないがよかれと思って言ったんだから、別に悪くはないのだが。


「ほら、皇帝陛下だってピーリィが安心して過ごせるように心配してくれただけだよ?嫌だったら今みたいに嫌って言えばいいけど、いきなり怒鳴っちゃったらびっくりしちゃうよ」


 椅子に座る俺の後ろに立つピーリィへと振り返り、頭を撫でて何とか宥める。その時に俺の頭に食い込んでいた爪は弱まり、落ち着いてくれた事にほっとした。


「へーか、ごめんなさい。ピィリは、ヒバリたちといっしょがいい、です」


 きちんと謝り、きちんと自分の意思を伝える。

そんなピーリィの成長に嬉しくなり、もっと頭を撫でた。


「ぴゃぁ!?ヒバリ、ピィリのかみ、ぐちゃってなっちゃう〜!」


 やめてーと言いながらも嬉しそうに俺の首に抱き着いてきた。それを見た皇帝陛下が安堵の溜息をこぼしてからお茶を飲んでいた。


「ピーリィ殿は良き隣人と出会えたようですね」


 様子を見守っていた宰相が言うと、

ピーリィには隣人の意味が分からず聞いていた。


「りんじん……?ヒバリはとなりじゃないよ?いっしょだよ!」


「ああそうでしたね、失礼しました」


 宰相は嬉しそうに口元に手を当てて牙が見えないようにする。周りも宰相と同じく微笑ましそうに眺めていた。




「よし、粗方今知りたい事は知れた。もう陽も中天を越えているな。ノーザリス達もうちの大臣と第5騎士団の奴等がちょっかい出してきた所為で疲れてるだろ。今日は城内に部屋を用意するからそこで休んでくれ」


「お気遣い有り難う御座います」


「ヒバリもいっしょ!ちがうへやはだめ!です!」


「分かっている。そこはヴァシュリーから聞いているから安心してくれ」


「へーか、ありがとう!です!」


 うんうんと頷く陛下。ただ、後でこっそりと「ノーザリスに手を出さないよな?今までの行動を信じてるぞ?」と脅されたが。


 まさか、たまに同じ部屋で布団敷いて寝てるなんて言えない……!

後で皆にも口裏を合わせてもらうしかないなぁ。陛下怖いし。



「調査と言っても、第5騎士団も含めて隷属化された者達からの聴き取りもかなり時間を要するでしょうね」


 席を立つ前にアンビ皇子がそう言った。


「まぁ、そうだろうなぁ。騎士団だけで50人以上、奴等の屋敷でも分かってるだけで30人以上、後は売り飛ばされた者達も行方を捜して保護しなきゃならねぇ」


「隷属化の解放だけでも1か月以上はかかりますか……」


 はぁ、と宰相が重い溜息を漏らす。



「え?解放ってそんなにかかるんですか?」


 トルキスの時、確かルースさんはすぐに2人解放してたよね?しばらく休んで魔力を回復したらまたいけるって言ってたし。


「ヒバリさん……あなたは自身と比べたのかも知れませんが、通常は数人がかりで1日1〜2人が限度です。しかも、解放用の特殊な魔道具を使って、です」


 久しぶりに発言したトニアさんは、

呆れたように俺を見て説明してくれた。


「そんな魔道具見た事ないですよ?ルースさんだって、」


「あの方も特別です。それに、解放の魔道具も希少な物で、国に1つ所持されており、後は限られた者が数名所持されているだけです。使い手も少ない上に魔道具も少ないのです。ですから、隷属の魔道具は本当に厄介な物なのですよ」


 なるほどねぇ。俺は師匠のルースさんが実演してくれて、それを俺も出来る様になってたから、国が関わればある程度はすぐ何とかなるのかと思ってたよ。




 そんな会話をしながら俺も部屋に案内してもらうために皆と一緒に席を立とうとした時、2つの声が遮った。



「ちょっと待とうか、ヒバリ」


「貴方今、面白い事を言いましたね?」




 皇帝陛下と宰相さんに、捕まった。


 あれ?これでもう休んでいい流れじゃなかったっけ?




前回、ただ読むだけだった自身が拙作を書き始めて1年経過した事を書きましたが、情報を見ればもうすぐ40万PVに1000Pが近づいているようですね。びっくりです。


人気のある作品が書けるほど己惚れてもいないですが、300人以上の方々がブックマークして下さっている事にはありがたいよりも驚きの方が大きいです。本当にありがとうございます!


ハッピーエンドに向けてきっちりと完結させる事を目指して書いていきますので、また拙作をお読み頂けたら幸いです。

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