表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
異世界に行っても袋詰め人生  作者: きつと
第10章 ノロワール帝国と皇族
122/156

皇女との初対面

大分空いてしまいましたが、また拙作をお読み頂けたら幸いです。

「で、お前達は何をしている……?」


 開かれた扉の先にいた白騎士は、しばらく呆然としていたが、立ち直ったのか声を掛けてきた。勿論俺達に言ったんじゃない。



 声を掛けられたのは、侍女の2人。


 途端にピタッと食べるのをやめ、1人は何事もなかったようにパンケーキのをテーブルに置き、もう1人はフォークに刺したパンケーキを口に入れる手前で停止したまま視線が泳ぎ、あからさまに動揺していた。



「あー、すみません。うちの商会で売り出す予定の料理の味見をして頂いてたんですよ。こちらの国でも口に合うか意見を聞きたくてお願いしたんです」


 気まずそうにした2人を庇うような言い方になったけど、これが真実なのでちゃんと言わせてもらった。まぁ、実際食べ物で懐柔出来たらいいなーってのもあったけど、それは言わなくてもいいだろうし。


「おいしいものはみんなで食べるのが一番おいしいいんだよ!」


「はい、どーぞ!」


 無邪気に言う美李ちゃんと、いつの間にか皿に取り分けたパンケーキを白騎士に渡すピーリィ。毒気を抜かれた白騎士が素直に受け取ってしまうほどの接客力だ。是非とも飲食店のフロアを任せてみたい!


 ……じゃなくて。



「そうですよね!皆で美味しくが一番ですよね!」


 美李ちゃんの言葉に、一番動揺していたショートの黒髪の侍女シャンティが同意して、またパンケーキを頬張り始めた。実は一番食べているのもこの子だ。


「……」


 その陰に隠れるようにそっと皿を手元に戻して、音もなく食べるのを再開させたのが、水色の髪のポニーテールの侍女パルミエ。音は立てなくとも食べる量はシャンティとあまり変わらないが。




 美李ちゃんとピーリィが白騎士を椅子に案内し、トニアさんが紅茶をテーブルに置く。俺は緑茶の入ったポットを持って扉前の男性兵2人におかわりを注ぎに行った。


「すまんね。うちの隊長は固いし厳しいが、本当は優しい方なんだよ。

特に自身にも娘がいるから子供には弱くてなぁ」


「あれ、今は顔を崩さないように我慢してるんですよ」


 おにぎりを食べ終え、緑茶をすすりながら部屋の中の白騎士へ視線を送る2人。小声で話してるから聞こえない安心感なのか、口調も随分砕けている。


(ほー。じゃあ少なくともあの2人に何かする事もなさそうって思ってもいいのかな?)



 侍女1人と扉前の見張り兵1人が交代で食事に行くと言っていたので、せっかくならこちらで用意すると提案し、こうして今も昼ご飯を提供(食材はすべて用意してもらったものだが)して餌付け……ごほん、仲良くなったという訳だ。


 対してこちらの白騎士さんは、まだ2日目だが1回顔を出した程度。まだ会話らしい会話もしていないのだ。娘がいるという情報もさっき初めて聞いたくらいだ。


「あの若さで結婚してて子供もいるんですか!?」


 俺も顔を寄せて小声で言う。

驚いた俺が面白かったらしく、2人とも少し肩を揺らしていた。


 彫りの深い顔だがおそらく20代前半。俺よりも年下だよね?貴族で地位もあって顔も良くて嫁も娘もいる……どいつもこいつもイケメンはこれだから!


「俺達の所属する騎士団は城近辺の勤めだから妻を娶っても離れ離れにならずに済むのさ。無論、俺達2人も妻がいるぞ?俺は平民の出だが、問題なく養える位には出世してるからな!」


「私は実家が近いので、妻には家に入って貰いましたけどね」


「へぇ。そうすると、俺が会った巡回騎士団の人は結婚してるって言ってたけど大変そうですね」


 チュイルさんとスナフさんも結婚してても家にいる方が少ないって言ってたっけ。それに比べたら家族に優しい部署だよなぁ。


「ああ、彼らに会っていたのですね?巡回騎士団は我々より過酷な分、給金と休日がかなり優遇されているのですよ。とは言え、やはり独身者が多くを占めています」


 そこは俺のいた世界と似たようなものかな。独身者ほど転勤させられ、転勤するたびに給与が良くなっていくっていうやつだ。俺も2回ほど転勤と出張をさせられたなぁ。出来ればもうしたくない……そもそも、今は元の世界に帰れるかも分からない、か。




 見張りの2人と話している間も白騎士さんは子供2人の歓待に対応し、結局パンケーキ2枚を平らげていた。食べるペースが落ちてなかったから、もしかしたら昼ご飯食べてないのかもしれないな。


 なんてお茶を飲みながら眺めていると、


「いや、ここへ来たのは食事を馳走になりに来たのではなくてだな!」


 いやいや、十分まったりした後に言われても説得力に欠けてますよ?


 その視線を感じてか咳払いをする白騎士さん。

侍女さん達はすでに片付けをすると言ってキッチンへ逃げていた。


「今まで名乗らぬ無礼をお許し下さい。私はノロワール帝国第2騎士団団長のビルモント・クロッセンと申します。ノーザリス殿下には我が主であるヴァシュリー・ノロワール皇女殿下の元へお連れするよう申し付けられております。ご同行頂けますでしょうか?」


 一度立ち上がって姿勢を正し、右手を胸に当てて頭を下げる。


「ヴァシュリー殿下に仕える者でしたか。ええ、是非私もお会いしたいですわ。私が知らないとなると……ここ数年での配属ですか?」


「はい。私は3年前より団長を務めさせて頂いております」


 まだ顔を上げずノーザリスの問いに答える白騎士改めビルモント団長。

片付けを終えた侍女2人も彼の後ろに控える様に並び立つ。


「話をし辛いので顔を上げなさい。今回の私達の訪問は、こちらが助力を請いに来た立場です。殿下にお会い出来るのはこちらが礼を言うべきでしょう。殿下の寛大な御心に感謝します」


 ビルモントはゆっくりと顔を上げ、再度頭を下げた。


「では、早速ですが2時間ほどしましたら声を掛けさせて頂きますので、まずはヴァシュリー様へ報告へ向かいます。時刻が分からぬ際は、そこの者らにお尋ねください」


 そっと後ろに下がり、静かに退出する。侍女2人はそれを見送り、

見張りの2人もビルモントが退出後静かに扉を閉じた。




「皆様、ご安心ください。私とヴァシュリー殿下は幼い頃からの知己であり、良き友人です。近頃は帝国へ訪れる行事に参加出来ませんでしたが、半年に一度は手紙のやり取りもしております。決して悪いようにはならないでしょう」


 おお!つまり、お姫様同士の幼馴染ってわけだ!それは心強い情報だな。

連絡が途絶えていないなら、今も良好な関係ってって事だよね。


「じゃあ、このいい部屋に案内してくれたのも、ここの皇女様のおかげなんですか?」


「はい。おそらくそうみて間違いないでしょう」


 わぁっと質問に答えてもらった沙里ちゃんとその周りが笑顔になった。これからどうなるのか不安だったし、いざとなればご飯で篭絡しようだなんて思ってたくらいだから、正直俺もほっとしてる。



「そうですよー。殿下はノーザリス様がいらっしゃるのをとても楽しみにされてたんですから!」


「こら」


 扉の近くで立っていたシャンティが人差し指を立てて得意げに言うと、すぐにパルミエから叱りの声が飛ぶ。こちらとしてはいい情報だから何も突っ込まないでおこう!




 2時間ただ待つのは暇なので、俺は食材の仕込み作業に入らせてもらった。一応皇女様にも食べてもらいたいと侍女達に話したら、手伝わせて欲しいと言われた。


「ヒバリさん、一国の皇女の口にする物を作るなら、そこに仕える者と作れば毒見の意味も付けられます。せっかくですからこちらにはない甘味をお教えしてはいかがです?」


「おーっと!甘い物でしたら、私も負けませんよぉ?」


 トニアさんの言葉にまたもやシャンティが割り込んできた。

でも今回は機密でも何でもないからか、パルミエからの突っ込みはない。


「パンケーキはさっき作ったから、プリンにしましょうか」


「あっ……パンケーキ、まだ覚えきれてない……えっ?ぷ、ぷり、ん??」


 先程の威勢はどこえやら、すぐにうろたえるシャンティ。


「え?パンケーキがよかったですか?」


「ぐ……!ぷ、ぷりんとやらが気になります!そちらで!」


 いや、そんなに悔しがらなくてもいいのに。


「パンケーキでしたら私が覚えておりますので」


 さっきまで参加する素振りを見せなかったパルミエが、身支度をしながら参戦してきた。そうだよね、この人もパンケーキの時に手伝ってくれてたよね。あれでもう覚えたのか……さすが本職さんだ。



 別のデザートと分かった瞬間参加して来たパルミエさんと、悔しがってたと思ったらプリンがどういうものかワクワクしてるシャンティさんに挟まれるように陣取られた。


「えーっと、もうちょっと離れてもらえないとやり辛いです」


「あら、ごめんなさい」


 パルミエさんはすぐに距離を取ってくれたが、シャンティさんは聞いてないな……用意した材料を見て不思議がってる。


「ヒバリはピィリがてつだう!」


 そんなシャンティに割り込んできたのがピーリィ。

しかも、最近手伝ってるから何となく手順を覚えてるみたいだ。



 その間に鞄から特注の泡だて器と漉し網、最近活躍の魔道具のブレンダーを取り出しておいた。ブレンダーは見た事あっても、目の細かい漉し網と輪っかが折り重なったような泡だて器は見た事ないらしく、2人とも手に取って弄っていた。


「この辺りも泡だて器は枝分かれさせた木を使ってるんですかね?ブレンダーがあればあまり出番がないのかも知れませんね」


 2人が弄った泡だて器を洗い直して美李ちゃんが消毒し、ピーリィがそれを使って夕べ生乳を分離させておいた上澄みのクリームをボウルに入れてかしゃかしゃと混ぜる。


「こうやるんだよ!でも、くりーむだったらこっちがいいよ!」


 そう言ってブレンダーに切り替えて、砂糖を入れながら一気に生クリームを仕上げていく。たまにヘラで周りを混ぜ直してはブレンダーにかける。

 やがてすぐに角が立つまで混ぜ終わり、作った者の特権である味見をする。ピーリィはこれが楽しみで生クリームの泡立てを率先してやっているのだ。


「えーっと、生クリームみたいにきっちりと混ぜるならブレンダーで、さっくりと混ぜるなら泡だて器を使ってますね。それに、ブレンダーは魔道具だから魔石の補充もあるし本体も高いですけど、泡だて器は構造が分かれば物凄く安く手に入れられますから、一般家庭にはこちらがオススメです」


 ほうほう、と感心しながら聞く2人。



 生クリームは一旦冷やしてもらって、

本命のプリンベース作りを開始した。


 人肌まで温めた牛乳と卵と砂糖、香りづけのバニラエッセンスもどきも少々。分量も教えながらしっかりと混ぜ、漉し網を3度通して滑らかさを出す。


 この辺りも説明すればすぐに納得してくれるから楽でいいな。



「で、砂糖を水に溶かしてゆっくり煮詰めて……この色です!」


 小さなフライパンを傾けて煮詰めて、きつね色になったところで濡れ布巾に乗せてじゅーっと音を立てながら熱を下げる。


「プリン本体が甘いので、ほろ苦さのアクセントが欲しい時はもうちょっと色がつくまで煮詰めてもいいです。これはもう好みと経験ですね」


 出来上がったカラメルソースはこのままだと固まってべっこう飴になってしまうので、水を加えてしっかりと混ぜて緩くする。そしてプリンの器に少量ずつ入れて、そこにプリンベースを注ぐ。


「これを蓋して蒸し器に入れて10分ほど蒸して、最後は冷やせば完成です。食べる前にプリンを皿にひっくり返して出して、先に作っておいた生クリームや果物を添えると見栄えもよくなりますよ」


 話しながら蒸し器に入れて時計を確認する。

2人はメモを取りながら、お互いが書いたものを確認している。


「これで卵が固まるんですよね?面白いですねぇ」


「似たような菓子がありますが、もっとどろっとしたものを焼いて作るので、また違うようですね……」



 皆で片付けながら2人の質問に答えているうちに10分が経過した。蒸し器から10個のソーサーの乗った深い小皿取り出す。これは熱いので俺に任せてもらった。そしてバットに並べて、美李ちゃんが氷を作り出してバットに入れていく。敷き詰め終わったら冷蔵庫に入れてそのまま冷えるまで放置。


「飾りつけは食べる直前でいいでしょうから、ここまでです」


 パタンと冷蔵庫を閉じて振り返った。


「すごいですね!ぷるぷるしてましたよ!」


「あの柔らかさ、卵と牛乳の割合が鍵ですか……」


 仕舞う前に触らせてみたら、2人ともテンションが上がってしまったみたいだ。

ピーリィや美李ちゃんも一緒になってつついていたけど。



「終わったようですね。あと1時間もないでしょうから、きちんと冷え切るか怪しいですね。その時はミリさんに冷やして頂きましょう」


「うん!まっかせて〜」




 こうしてお菓子講座が無事に終了してキッチンを出ると、沙里ちゃんがトニアさんに紅茶の淹れ方を習っていた。そういや以前に覚えたいって言ってたっけ。

 ユウはベラの膝枕でぐっすりだ。さっきパンケーキ食べたばかりでもう寝てるのもどうかと思うけど、毛づくろいみたいにユウの髪をいじるベラが楽しそうなので……そっとしておこう!



 コンコン


「お待たせ致しました。これよりヴァシュリー・ノロワール様の元へ全員をご案内させて頂きます。お荷物はこの者らに見張らせますのでご安心下さい」


 戻って来たビルモント団長がすぐに向かうように促すが、


「先程の空き時間でお菓子を作ったので持って行ってもいいですか?」


「毒見も私達2人がしております。よろしいでしょうか?」


 一瞬怪訝そうな顔をしたが、侍女2人が告げたおかげか、すぐに許可が出た。ただし、皇女様に食べさせる物にはもう一度毒見をする条件付きだがこれは当然だろう。


「では、運ぶのも私達にお任せください。飾りつけも指示を頂いてこちらで行います」


「分かりました、お任せしますね。あ、お2人には飾りもないですが是非どうぞ!」


 ワゴンに乗せる時に見張りの2人にも手渡す。こちらは蒸した時の器のまま生クリームを乗せただけの素っ気ないものだ。スプーンを刺して手渡す。


「ありがたく頂戴しますよ」


「ずっと甘い匂いがしてて気になってたんですよ。頂戴します」


 ニコニコと受け取る2人に手を振りながら、俺達はぞろぞろとビルモント団長の後に続く。ピーリィは相変わらず俺に抱きかかえられた状態で、最後尾にはワゴンを押した侍女2人がいる。

 ここは2階だけど、階段あったらワゴンどうするんだろう?なんて思っていたら、今回は皇女様の方がこの離れに出向いているそうだ。そりゃ準備に2時間ってのも納得だ。


(しっかし、わざわざここまで会いに来るって、その皇女様はどんだけ姫様の事を気に入ってるんだか……でもこれなら話を聞いてもらえそうだし、早く解決するといいな)




「ここです。くれぐれも失礼の無いようお願い致します」


 これは姫様とトニアさん以外の、俺達全員に向けられた言葉。 


「分かりました」


 排除されかかった俺が答える。

まぁ、怪しいのは俺に対してだろうしなぁ。




「失礼します。ノーザリス殿下及び7名をお連れしました!」


 ノックをして団長が声を張る。


「入室を許可しますわ」


 中から女性の返答がある。これが皇女様の声だろう。


 内側から扉が開けられ、部屋の外で扉を守っていた2人の兵が左右に避ける。部屋の中を見ると、扉を開けた2名の他に長方形の奥に座る女の子と、その左右に短槍を持った兵が2名並び立つ。


「久しいですわね、ノーザリス殿下!ここしばらく返事がないので心配してましてよ?」


「こうして直接お会いするのは久しいですね。お元気そうで何よりです、ヴァシュリー殿下。本日は面会して頂き、感謝致します」


 金髪と言うよりはこげ茶……俺達の世界で言う茶髪を縦ロールに整えた女の子がオーホッホ!とでも言いそうな勢いで挨拶をしてきた。そして姫様と皇女様だけが椅子に座った。



「沙里ちゃん、縦ロールって本当にあったんだな……」


「ヒバリさんてば」


 沙里ちゃんもそう思ったんだろうけど、口に出してしまったのは俺だけだったようだ。いやだってあそこまでの縦ロールって実在すると思わないよね?さすがファンタジー世界だって思っちゃったよ!



「……そこの男」


「え?あ、はい?」


 やべ、さっきの聞こえちゃったかな?


「貴方、ノーザリス殿下、いいえ!サリスとはどういった関係ですの?」


「え?どういったって……えーっと」


 ちらっと斜め前の姫様の方を見たら、あちらも振り返って目が合う。召喚勇者の味噌っかすって話はしても大丈夫なのかなぁ?でもそれは、これから姫様が説明すると思うし、どう答えたものか……


「……ええぃ!サリスと見つめ合いおってッ!貴方、先程もサリスと呼んでいましたわね?まさか、そういった関係を迫っておりますの!?」





 ……は?


 待って。



 いやいやいやいやいや!



 そもそも、俺がこの部屋に来て姫様をあだ名で呼んだ……?

いや、言ってないよね!?それに関係ってなんだ!?

 


「いえ、姫様とはそういった関係ではなくてですね?えーっと、どう言ったらいいんですかね?これ、自分から説明してもいい問題ですかね?」


 王国の現状も含めて俺が言っていいものか再度姫様に窺うと、それが余計に癇に障ったらしく皇女様がヒートアップした!


「あ、あっ……貴方から、説明できない関係ですのッ!?」


「待ってください!別にいかがわしい意味でもないですから!」


「そうやってサリスを娶って王国の権力者の座を狙っているのね!」


 させませんわ!と息巻く皇女様。そこへ、


「ヒバリをいじめるのだめ!ピィリ、おこるよ!」


 ぎゅっと俺の首に抱き着いたまま皇女様を睨むピーリィ。


「そんな幼い子まで毒牙に……!」 



 だめだ、まったく話が通じない……

しかも俺にロリコン疑惑ぶち込んできやがった!




「落ち着いて下さい、ヴァシュリー。今回訪問したのは、そこのヒバリだけの問題ではないのです。国に、シルベスタ王国に関わる話なのです」


 機を見計らって姫様が皇女様に話しかける。



 そこの男以外にも……とよく分からない事を呟く皇女様。見かねた姫様が席を立ち、皇女の前へ行って膝をついて手を握る。



「私の話を聞いて下さいますか?」


 見上げる様に皇女様を見つめる姫様。


「は、はい……よろしいですわ」


 少し頬を染めて呆然としたように見つめ返す皇女様。







 で、巻き込まれた俺は取り残されていた。

相手にされなくなった俺の頭を、ピーリィが撫でていた。



 何なんだよ、これ……



海の日連休が過ぎたと思ったら子供が夏休みでパートが休み始め、新規バイトの受け入れにお盆のスケジュール交渉と作成……


上記は乗り切ったので、このままお盆まで乗り切ってみせますよー!

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ