38話
どうぞー!
「まあまあそんなガチガチにならないで。肩の力を抜いて聞いてよ。」
「分かったよ。」
何を言われるか分からないし、まだ少し怖いけど。口調は変わらないけど、前と雰囲気が変わった気がするし。
「僕みたいな存在のほとんどは、人からの信仰や恐怖などから生まれるんだ。例外はあるし、そういうものって思ってほしいんだけど。」
「うん。」
詳しく聞いても理解できないだろうし、そもそも歴史にあまり興味がないからね。
「僕が生まれたときに、ずっと僕を信仰してくれた人が、咲良の先祖なんだ。」
「え。そうなの!そんなこと聞いたことないよ?」
流石にびっくり。うちの家は昔は凄かったみたいな話はぼんやりと知ってるけど、今ミコトが言ったことはホントに知らない。
「まぁ、そうだろうね。とっても昔の話だから。家がずっと残ってるだけでも半分奇跡だし。」
「そうなんだ。」
「一応会えた理由はこれだね。他に聞きたいことはある?」
「う~ん、じゃあ1つだけ。」
今までの話とはずれることだけど。
「どうぞー。」
「ミコトの目的って何かあるの?」
だっておかしいじゃん。ずっと昔に信仰してた家系だからって今になって突然会いに来る理由は?
根拠はほぼゼロだけど、前回は聞きそびれたし、これは聞きたかった。
「あぁ、前に言えなかったんだっけ。忘れてた。それは言っておかないとね!」
このあと、ミコトは結構衝撃的なことを言い放った。
「えーと、ざっくり言うと僕は今、ダンジョンの地下に囚われてるんだよねぇ。だから咲良にはダンジョンに潜って一番下を目指して欲しいんだよ!」
「はぁ!?」
いや、確かに最初出会った場所もダンジョンの中だったけどさ?少し前に出来たばかりのダンジョンに囚われてるのは予想外じゃん!
「正確には僕以外もいると思うんだけど、いま咲良が潜ってるダンジョンには僕がいるんだよね!」
なんか頭が痛くなってきたわ。新情報が多すぎ。
「助けて貰う方法は後々伝えるから、今は攻略を頑張って!」
「もうそれで良いけどさ、他の人に伝えてもいいの?」
黙って一番下目指すってのも、真白になんか申し訳ない気がしてくるし。
「ホントはやめて欲しいけど、一緒に潜ってる子ならいいよ。しょうがないから。」
「ありがと。」
「僕からのお願いだしね。じゃ!そろそろ終わりの時間だね!バイバーイ。」
「またね。ミコト。」
その直後、私の視界は暗転し、再び目覚めたときには昨日寝たベッドの上にいるのだった。
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