学校でお泊まりかーいっ!!
「今日は帰りたくないーー!!」
なんか優奈がわめきだしたよ?!
一体何があったんだ!?
「家帰りたくないー!!」
いや、ほんとに何があったんだよ!!
家大好きな優奈がいきなり駄々っ子になるなんて!!
「どーしたの?風見っちー」
「あのね!?、今日家に帰っても誰もいないんだよ!!」
「あ、それ私もだー」
「だよね!?」
優奈と弥生の家に今日は親がいないと…
でもどーして帰りたくないの?
「家にパパもママもいないのに帰って1人とかいやー!!」
「私もいやー!!」
「「寂しいーー!!」」
子供かっ
それなら他の家に泊めてもらえばいいじゃん!!
「あー…、私も帰りたくないー…」
どうしたの、美都!?
美都までそんな事を言うなんて…!!
「なんで?みとちん」
「いやー、私はめんどくさいから帰りたくないだけ」
「えー、みとちんが帰らないんだったら俺も帰らないー」
おいおい…
颯真はいいとして、美都めんどくさいって君…
「いーじゃん、今日みんなで学校泊まろー?!」
「泊まろーよー!!」
ほんとにうるさいね、この2人は…
そんなの絶対無理だし、まず…
「そんな事不可能でしょ?」
「いやー、可能だよ」
うんうん、だよねー
無理だよねー、…って
「えぇぇぇぇぇぇ!?」
出来るの!?
まじで!?普通無理じゃない!?
「さ、沙羅姉…、それまじの話?」
「マジの話」
いやー、まじでー…?
それは驚きだ…
「じゃあ泊まろうよ」
きょーちゃんまで何を!?
「学校に泊まったら遅刻する心配ないしな」
おいおい…、智くんや…
「学校でなら{pi―――}とかさ」
ちょ、おい!!つーちゃん!?
今の問題発言は何!?
明らかに言っちゃダメなやつじゃないの!?
「泊まるのー!!」
「(;・д・)・・・。」
こ、小鞠まで…!!
え、じゃあ何?私以外の人達はもう泊まるの決定してるの?
私1人だけ帰るとか悲しすぎる!!
「もう、私も泊まるーー!!」
やけくそだ、このやろー!!
学校に泊まってやるーー!!
「あれー?そういえばなっつちゃんはー?」
「ふっふっふっ、そろそろ帰ってくるよー」
「ただいまーっ」
お?誰か帰ってきた
「重いーっ」
「おつかれー」
すっごい大荷物を持って入ってきたつっきーに優奈はグッドサインしてた。
つーかその荷物は…?
「優奈ちゃんに頼まれた晩御飯の材料多過ぎー!」
「いやー、ごめーん」
晩御飯の材料って…
最初から泊まるつもりだったの!?
「てか…、暗いね…」
「だねー…」
いつの間にか時間は過ぎていたようで、外は暗くなり始めてる。
「んー……」
そして智くんがPCの画面を見て急に唸りだした。
「どうしたの?とも」
「いや…、ちょっとな…」
PCの画面をちょっと見てみると、メールをしているらしかった。
宛先は朱雀、玄武、青竜になっている。
青竜がいる東部分の空気の流れがおかしいって書いてある。
私はバカだからそんなの見てもわからないけど、智くんは厳しい顔をしてた。
頭は悪くても神様だったってわけだね
「んー、変な匂いするー」
「えー、そうかなー?」
つっきーは猫だから犬には劣るけど、鼻はいい
でもつっきーが言う変な匂いはしないからみんな首を傾げてる
なんか最近変な事ばっかりだ
「とりあえず、お腹すいたー」
どこまでも呑気だね、颯真は
ある意味うらやましいわ
「いよーし、じゃあご飯作ってやろー」
「おー、てんちゃんのりょーりー」
沙羅姉はつっきーが買ってきた野菜をみて、「シチュー作るかー」って言ってる
「ははひ、ほはんあほへはへる(わたし、ごはんあとでたべる)」
「何言ってるか、わかんねぇよ!!」
「とも、うるさい」
美都が飴くわえながらしゃべってるから何言ってるかわからないし、それにツッコんだ智くんがうるさい
「えー、みとちんどーしてー?」
「ひは、おははふいへはいろ(いま、おなかすいてないの)」
「飴食べてるからじゃないの?」
「ひはう(ちがう)」
わぁ、すごい颯真、美都としゃべってるー
「何でわかるの!?」
「みとちんと幼なじみだからー」
うわぁ…、すごく笑顔がキラキラしてる…
眩しいよ…、颯真…
てかそれだけの理由でわかるようになるもの?
「あはへー(あまねー)」
「おんちゃん呼んでるー」
「え?はいはい…」
なんでわかるんだよ…
不思議だ…
「なにー?」
「…、廊下暗いから出る時火、つけてね」
美都が飴を口から離して私に要求してきた事はほぼ無理な事
「出来るでしょ?緋人なら」
「…、緋人に聞いてみなきゃわからない」
「じゃあ聞いてみて?」
『うちは別にええよ』
「いいって」
「ありがとー」
美都はまた飴をくわえた
ほんとに飴好きね
「たっだーし」
…あれ?
「火ぃ使うのは疲れるから時々しかつけへんよ」
「構わないよ」
おい!!勝手に変わんな!!
びっくりしたよ!?
『緋人ーーーーー!!』
(うっさいなぁ、静かにしぃや)
こいつむかつく…!!
くっそー…
今猛烈に緋人への殺意が湧いてくるよ!!
殺せたらいいのに…!!
『ひのっ「はい、ごはんできたよー」と…』
わざとか沙羅姉…
今は何もかもがわざとにしか見えないよ…!!
「腹へったー…」
…あいちゃんいつからいたの?
腹へったって言ってる割に超笑顔なんだけど…
「胡散臭いんだよ、てめぇ」
あ、緋人があいちゃんの顔面踏んだ…
やりすぎじゃない?
「緋人…、お前…!!」
あいちゃんが怒ってるよ
怒っても大して怖くないあいちゃんが怒ってるよ!!
「教師を踏むなーーー!!」
「うっさいわぼけぇ!!」
何この喧嘩もどきー…
他の人もいるんだから止めなよ…
ってみんな普通にごはん食べてる!!
「だいたいいつもいつもお前はなぁ!!」
「いつもいつも何やねん!!」
あーもー、うるさいー…
静かにしてよー…
「お前は!!生かせてもらえてるって自覚なっ…」
『「「「「「「「「「!!!!!!」」」」」」」」」』
緋人は手をあいちゃんの顔の位置まで上げて、思いっきりあいちゃんの顔に火を放った
やりすぎだよ…
「それを口にするんやない…」
「………っ」
うわぁ、あいちゃんと緋人の間で見えない火花が散ってるー…
こわぁ…
「はいはい、そこまで」
沙羅姉が2人の間の火花を切って止めてくれた
助かったよ…
って、どこからそのナイフ取ってきたの?
「2人共、ごはん食べなさい」
2人はもそもそと座ってごはんを食べ始めた
やっぱり沙羅姉は最強だ…
ドタバタドタバタがあったけど、その日はちゃんとごはんを食べる事が出来たのでした。