第二章 2-1
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「準備はよろしいですかな、アルフ様」
アルフはちょっと緊張して答える。
「いつでも」
「では、お始め下さい」
教師と向き合った少年は、ほっそりと形の良い指を組み、呪を唱え始める。
その指先から金色の炎が吹き上がった。
炎は龍の形をとって少年の頭上高く舞い上がり、拡がると、炎の滝となって降り注ぎ、床に接触する寸前に再び舞い上がる。
見事な炎の乱舞だ。
教師がうなずくと、少年は両手を広げた。
呪を唱える声が高まる。
数頭に分裂した炎の龍が、四方から少年を包み込み絡みつく、と見る間に、指先に吸い込まれ、消えた。
「さすがは王家の血、お見事でございます」
褒められた少年はにっこりと笑った。
呪術の授業は大好きだ。
魅力的な少年の笑顔に、厳格な白髪の教師もつい、つられて微笑んだ。
あわてて顔を引き締める。
(ゴホン、やはり、兄王子と離して、個人授業にしたのが正解だったな)
兄と一緒にすると、この王子は気負ってしまって、持てる力の半分も出せないのだ。
「では、十五分の精神統一の後、気の集中の練習を」
少年は顔をしかめる。
「そろそろ遊魂の術を試してもいい頃だとは思わないか?」
「成人の儀は十五歳でございますから、まだまだ時間はございますよ」
「私は早く自分の守護獣の形を知りたいんだ」




