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寂しさ  作者: 冷凍槍烏賊
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塾の夢

夢を見た。


私は塾の教室の中央付近の席に座っていた。何冊かの真新しい教科書を持っていて、おそらく自分は授業の内容がほぼわからないだろうという気がしていた。

私は教室にかかった絵を眺めていた。タイトルは「ZAYINに駆逐される○○たち(忘れた)」だった。テーマパークのような場所で、何種類かの化け物たちが殺戮を行っている絵だった。それは非常に興味深く、美しかった。私はその上半分の情報を丁寧に読み取っていた。青く、宙に浮く笑顔の化け物がいた。下の方は、もっと色味が濃かったように思うが、その絵を読み取っている最中に、聞き馴染みのある声が聞こえて振り返ると、小学校、中学校時代の友人たちだった。彼らも大人であり、大学を目指しているみたいだった。

彼らは私が嫌いみたいだった。ある人は話しかけてきてよくわからないことを言ってきた。ある人は、私が絵を見ていることに気づいて、視線をさえぎるように体を動かした。(偶然かもしれないと思った。またその人は、私が少しだけ好意を抱いたことのある女性だった)

私は気分が悪くなって、入ってきた塾の講師に一言言って退室した。塾の講師も見覚えのある人たちだった。3人ほど入ってきて何やら厄介そうな話をしていた。誰が一番立場が強い責任者かはわからなかった。

事務室に行って、あの教室で学習を進めるのは難しいという現状を伝えようと思った。

若い男性と、中年の男性が私の話を聞いてくれることになった。私は自分の現状をまず手短に説明した。それは現実の私と概ね一致していた。

「一応大学は卒業しているんです」

「大学を卒業?」

 聞き返したのは若者。ふたりともよくわからないといった顔。

「はい。通信制ではありますが、四年間で。資格もとってます。学士と、日本語教師の国家資格を。でも、卒業後、働くのは……いやだったので、勉強しようと思って」

 中年男性が答える。

「生徒というよりうちで働く側の方が近いんじゃないかな」

 そのあたりで、中年男性の方が何やら不快そうな顔をしたうえで退出した。残された若い男性は、まるで「私を一人にしないでくれ」といった顔で中年男性を目で追いかけたが。私はそのあと少しだけ自分のことを話したが、ほんの数分で目が覚めた。そして私は思ったのだ。

 彼らは私に興味がなく、忙しい彼らにとって、私の話を聞くのは無駄なことだった。彼らにとって重要なのは、目の前の人物が何を目的としていて、(つまりどこの高校、どこの大学に入りたいかということで)どれくらい勉強ができて、どれくらいお金が払えて、どれくらい時間を使えるかということだった。それ以外のことはノイズであり、彼らは私の話を親身に聞くそぶりをしながら、いつになったら本題が始まるのだろうと待っているだけだった。

 そして悲しいことに、私は本題から入ったつもりではあった。


 忙しい人、金を稼がなくちゃいけない人間にとって、私のような人間はただのノイズであり、リソースを削り取ってくる「悪意のない悪人」でさえある。私は少し申し訳ない気持ちになると同時に、ひどい寂しさを覚えた。

 この社会に私の居場所はない。私の話を望んで聞いてくれる人はどこにもいない。

 私の他に。


 だから私はこの社会から距離を置き、自由の身になって、誰かが話をしたそうにしているとき、せめて私だけでも望んでその人の話を聞こうと思ったのだった。


 そして久々に、意味のある夢を見たことを、記録しておきたいと思った。本当はもう少しいろいろな情報が具体的に表れたのだが、それらを正確に記してまとめるだけの技量が私にはなかったので、こういう形になった。ただ重要な部分はすべて書くことができたように思う。



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