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「暗い夢」サイトシリーズ① 「CM」 - 14

最初に、この作品はフィクションです。

創作です。(国家組織のネタも入れて)

実在する個人・企業・団体とは一切関係ありません。

読者の皆さんは影響を受けて犯罪行為などに走ることなく、

正義と平和を愛する一国民として行動してください。

アイテムもサイトも存在していません。

5月。

G.W.1日目に入った。

全国的に多くの人々が人気レジャースポットで楽しい時間を過ごすのだが、

佐多武蔵は自宅の自室の中でインターネットとDVD視聴、読書をして過ごした。

一日のうち部屋から降りてきたのは食事とトイレの時だけ。


部屋の中には学校の帰りに書店やDVDショップで購入した雑誌、小説、DVDが転がっていた。

他には、昔やっていた野球のグローブ・ボールなどの野球の道具、一旦はやってみたが難しいコードの弦を押さえられずに止めたギター、電動ガンなど。

インターネットの動画投稿サイトで、ひぐらしきさらの動画を見たりしつつ、

ひぐらしきさらと行くための繁華街のデートスポットを調べていた。


(このカフェで食事をして、このショッピングモールでアレを買って・・・後は、ちょっとブラブラして、ウィンドウショッピングなんてのもいいな。ひぐらしきさらは誕生日が6月だったよな、公式プロフィールだと。)

 

明後日は初めてのデートだ。

デートと呼べるもの。

相手はあのアイドル、ひぐらしきさらだ。

本来なら周りの連中に見せ付けて自慢してやりたいが、正体がバレないように

その日はマスク、めがね、ニット帽の着用が必須だと、きさらこと廣田亜里沙に言われていた。

周りを欺くことくらい、何の問題もない。

憧れのアイドルとデートのためなら、それくらい我慢できる。


そして、武蔵は合間を縫って今日の夜のために別の計画を練っていた。

そのための道具はもう揃っていた。


夜、武蔵は家族に映画のレイトショーを見に行くといって、家族に出て行くところを見られないようにして出て行った。

二階の窓から紐にくくりつけたトイガン用のガンケースを下ろし、こっそりと庭で拾って今持ち運んでいる。

電車で自宅近くの駅から数駅先まで移動して下り、そこから高架下に向かった。

電車の中では、ずっとスマートフォンで音楽を聴きながらイメージトレーニングを続けていた。


武蔵が周囲を見渡していると、ついに獲物を見つけた。

ある初老のホームレス男性が段ボールを敷いた上で酒を飲んでいた。

川の流れる音が聞こえる。


武蔵は黒の上下スウェット、シークレットスニーカー、マスク、眼鏡、ジップがアクセントに入ったニット帽にガンケースを背負っているという出で立ちであった。


ゆっくりとガンケースのジップを開き、眼鏡とマスクを中に入れた。

そして、中から金属バットを取り出す。

ニット帽のジップを開けて覆面のようにかぶった。

それはさながら目出し帽をかぶっているようだった。


一旦スマートフォンをスポーツバッグの上に置き、動画撮影モードでホームレスの方へカメラを向けた。

武蔵は心臓の鼓動を抑えて周囲を警戒しつつ、ゆっくりと足音を殺してホームレスに背後から忍び寄る。


一度躊躇 (ためら)ったが、意を決して大きく金属バットを振りかぶり、背後から力一杯ふりおろした。


「ゴッ」という音がして、ホームレスが頭部から血を流して倒れた。

ホームレスが地面に突っ伏したままうめき声を上げて、こちらを見ようとする。

絶対にこちらを見られてはいけないという思いが、武蔵をさらなる凶行に導く。

何度も何度も頭部に向けて金属バットを振り下ろす。


やがて手を止め、乱れていた呼吸が元に戻り始め、心が落ち着いて来たときホームレスはピクリとも動かなくなっていた。

頭の中はぼーっとしていたが、やがて現実を感じていく。


(やってしまった・・・ もう、後にはひけない。)


喉がかわいて、口内に塩のような味が広がる。

胸の鼓動が速くなり、顔が赤くなっているような感覚がある。

頭はいつものようにうまく回らない・・・

手には変形した金属バットの重みを感じる・・・

これが人を殺したという感覚なのだろうか・・・


周囲を警戒しつつゆっくりとガンケースのところに戻り、スマートフォンを持ってきてホームレスの遺体をアップで撮影した後、動画撮影を終了した。

しばしホームレスを見下ろしながら、立ち尽くす。


直後、「ヴヴヴヴ」というスマートフォンのバイブレーションが鳴り、心臓が飛び出しそうになった。

廣田亜里沙からの電話だった。

覆面のようにかぶっていたニット帽を脱いで着信に出る。


「あ、佐多君?」

「あ、廣田さん。どうしたの?」

「今日ライブで名古屋にいるんだけどさ、今日すごくいいライブだったよ。」

「へ、へぇ~」


周囲を警戒し、話しながら何度かホームレス男性の遺体が視界に入っても、努めて冷静を装う。


「『Realize』の振り付けもアドバイスもらってアレンジしたら、お客さんびっくりしててさ。好評だったよ。」

「あ、そうなんだ。良かった。」

「フフ。あ、デートプランもう決まった?」

「う、うん。」

「あれ?何か元気ないね?何か声震えてない?」

「そ、そんなことないよ。」


冷や汗が出ているのを自覚する。


「あ、ごめん。関係者に挨拶いかないと。デートプランはメールしといて。じゃあ、また明後日ね。バイバ~イ」

「うん。」


周囲を警戒する。

誰にも見られていないはずだ。

武蔵は再びニット帽、眼鏡、マスクという姿に戻った。

変形した金属バットはガンケースに入らなくなったのできれいに全体を川の水につけて携帯用サイズのボディソープをつけてスポンジで擦って流した後、タオルで丁寧に満遍なく指紋をふき取って川の上流側に捨てた。


(ホームレスなんて、誰からも必要とされてない存在だ。一人、二人死んでも大丈夫さ。)


武蔵はそのままその場を離れた。

まるで先ほどの凶行が現実でないような感じがしていた。

だが、あの時の金属バットの重みとそれを伝わって来た振動が手に残っている。


(嫌な気分だな・・・)


シリーズ①の「CM」の頭と尻はできてますが、間の流れとかが完全にできてません。なので、連載形式にしてます。

シリーズ②の「MH」のネタは既にかなりできてます。


次は

「暗い無」サイトシリーズ① 「CM」 - 15

になります。


文章力などまだまだ勉強が必要ですが、

よろしければ応援よろしくお願いいたします。

基本、土日で更新。

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