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「暗い夢」サイトシリーズ① 「CM」 - 11

最初に、この作品はフィクションです。

創作です。

実在する個人・企業・団体とは一切関係ありません。

読者の皆さんは影響を受けて犯罪行為などに走ることなく、

正義と平和を愛する一国民として行動してください。

昼休みになり、武蔵は今日は屋上で食べることにした。

結局、斉藤と鈴村がどうなったかなど言える訳がなく、どこかつまらなさを感じる。それに取り巻き連中に動画を見せても顔にモザイクがかかっているから本人とは限らないと必死に否定するだろう。


武蔵は階段を登っていき、屋上の扉を開いた。

どこからか、今日嗅いだことのあるシトラス系の香水のような香りがした。

そして、目の前に女子高生が一人現れた。

目の前に座っていたのは、転入生の廣田亜里沙、ただ一人だった。

傍らにはいちご牛乳のパックがある。

廣田がパンを食べている手を止めてこちらを向き、話かける。


「あ、えーと、何君だっけ?」


(こいつ、俺の居場所を盗りやがった。)


武蔵はすぐさまその場を立ち去る。


「あ、ちょっと。」


後ろで転入生の声がしたが、さっさと逃げる。

武蔵は結局、教室に戻ること無く昼食を体育館裏で食べ、午後の授業中は廣田の方は見ないようにした。


(転入生が俺が屋上で一人昼飯を食べようとしていたことをまわりにチクるかもしれない。せっかく、斉藤と鈴村がこの世からいなくなって、いじめのターゲットから一旦外れたのに。またそれが発端となって、いじめが再開される・・・

朝はあれだけ気分がよかったのに、急に嫌な気分になった。全部、この転入生のせいだ。)


授業終了後のHRと挨拶が終わった後、急いでかばんをもって教室を出ようとした。

一旦、転入生の方をにらみつける。


(チクったら、ぶっとばしてやる!)


ありさが他のクラスメートたち数人に囲まれて話ながら、笑顔でこっちを一度振り返った。どきっとして一旦立ち止まってしまう。


「廣田さん、あいつは無視していいよ。」

「え、どうして?」

「佐多はやばいやつだからさぁ。」

「えー、彼、佐多君っていうんだ。佐多君はそうなの?」


急いで教室を後にした。

そして、むしゃくしゃした気持ちを抑えるため、武蔵は久しぶりに街中のゲームセンターへ行った。

ゲームセンターでは、角っこにある筐体のゲームしかやらない。

この場所だと、店内禁煙で未成年であっても皆に見せ付けるように堂々と喫煙をする不良や、見回る店員と顔を合わせることはない。

幸い、かつあげもされたことはない。

パズルゲームや、アクションゲームなどを一時間プレイしたが、転入生のことが気になっていつものように楽しめない。

頭の中でもやもやと廣田やクラスメートの蔑(さげす)んだ目がチラチラしてしまうのだ。


集中できないのでもう帰宅することにした。


(廣田の件、どうしようか。腹いせにまた猫でも狩るか?)


通学路を家まで歩き続け、自宅から5分ほど歩いたところにあるちょっとした大きさの公園のそばを歩いてたいたときのこと。

ジャージとTシャツ姿のある眼鏡の女の子が、イヤホンをつけて音楽を聴きながらダンスをしていた。目を凝らして良く見ると、今日来たばかりの眼鏡でショートボブの転入生、廣田亜里沙だ。


(これはチャンスだ。

俺の弱みを握られてしまっている。

もう、昼休みの一人ぼっちの屋上昼飯のことをクラスメートに話しているかもしれないが、それでも、こいつの弱みを握っておけば口封じができる。)


武蔵はゆっくり近づいて、よく観察してみる。

廣田は集中しており、こちらに気づいていない。

良く見ると体型は痩せ型ではないのだが、しっかりとした細いしなやかな筋肉がついた体型のようだ。さらに観察すると、武蔵がテレビやネットの動画で良く見る振り付けを踊りだしたのだ。

武蔵が姿を隠すのを忘れて見とれていると廣田に気づかれてしまい、廣田がイヤホンを外してこちらに声をかけた。


「あ、えーと・・たしか、佐多君だっけ?」


びくっとする武蔵。


(だが、ちょうどいい。きっと、動画投稿サイトに「踊ってみた」とかで投稿するような痛い奴なんだろう。強気で脅してやる。)


「廣田さんだよね?それってさぁ、動画投稿サイトにでも投稿すんの?」

「うん。それと、仕事だから。あ、やばっ、いっちゃった。」

「仕事?ひぐらしきさらの歌で踊るのが仕事?そんな仕事ねーだろ。プロのアイドルでも気取ってんのか?」

「え、何でひぐらしきさらの歌だって分かったの?音漏れてるわけないよね?」


しまったと武蔵は思った。

動揺が顔に出たらしく、一瞬廣田が意地悪な笑みを浮かべたが、こう続けた。


「そっかぁ、でも、振り付けで分かるなんて、結構コアなファンだねぇ。こういうファンこそ大事にしろっていっつも事務所の社長うるさいんだよね。小さい事務所だからかなぁ。」

「?」(何言ってるんだこいつ。)

「わ・た・し!私が『ひぐらしきさら』なの!」

「えっ」

「あー、そっか。今メイクわざと地味目だから、わかんないかな。」


廣田がめがねを外した。

メイクが地味目だが、その顔にまぎれもなく「ひぐらしきさら」の面影があった。

武蔵が緊張して目を白黒させる。


「え、なんで?なんでここに?」

「ちょっと親の引越しでね。私一人暮らしまだで実家から事務所やレッスンスタジオに通っているの。」

「テ、テレビ番組の収録とかどうしてる・・・の?」

「そう、そういうときはもう移動が大変でねぇ。リハとかスタイリストさんのメイクがあるから早めに入らないとだし、共演者に挨拶いかないとだし。いつも収録にいってるテレビ局はこっから2時間かかるけど、それでも前の家より近いんだよ。」

「へぇ~」

「あ、今から時間ある?良かったら曲の振り付けチェックしてくれない?わかる?」

「DVD何度も見てるから、ざっとならいけるかも。」

「じゃあ、今から 『Realize』の振り付け、見てくれない。」

「い、いいよ。分かる範囲でなら。」


『Realize』とは、「俺の脳内中2設定で現実が楽園に変わった」というアニメのOP曲だ。武蔵のスマートフォンの今の着信メロディ。この歌の映像に出ているひぐらしきさらはフレッシュな感じがして、一番好きだった。サビのところのウインクはちょっとあざといと思ったが、それもかわいいと思った。

何度もDVDのあの曲の部分は繰り返して見ている。


自分の憧れのアイドルが、今目の前でダンスをする。

気分は高揚して、胸の鼓動が早い。

顔が赤くなってないか、気になってしまう。

こんな幸福があるだろうか。

彼女がクラスメートでさえもあるという現実。


武蔵はついに確信した。

あの、KING'S ORDER というアイテム・・

あれは、理屈はどうも説明できないが使用者の願いをかなえるためのものだ。

例えそれが妄想でも構わない。

シリーズ①の「CM」の頭と尻はできてますが、間の流れとかが完全にできてません。なので、連載形式にしてます。

シリーズ②の「MH」のネタは既にかなりできてます。


次は

「暗い無」サイトシリーズ① 「CM」 - 12

になります。


一旦ラノベっぽくなりましたが、ベースはホラーなので後々・・


文章力などまだまだ勉強が必要ですが、

よろしければ応援よろしくお願いいたします。

基本、土日で更新。

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