表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
13/13

12話 暑さ

魔王軍幹部ヴェルーダ討伐から24時間が経過した。


リンネとカケルは、灰になったヴェルーダを革袋に入れて冒険者ギルドに運んだらしい。

すぐに冒険者ギルド受付および管理人は鑑定士を呼んで今鑑定中だ。

その間結んだ契約は保留状態となり、鑑定が終わり次第すぐに処置を取ると下された。

その裏ではリンネ達の運命を巡って掛け金を賭けている奴も居たりするらしい。


---地下街 メランコルデ


「あっちぃ〜〜まじで本格的に夏だなぁ」


汗を流し、ベンチに座るカケルがいた。

完全に夏…。

地上は太陽に照らされながら働く者もいる。

それに比べ、地下街はその暑さにやられて一日中引きこもろうとする者まで居た。


「てか…あんま暑さが変わんねぇなぁ地下も。」


俺らの…判決はどうなるんだ?

誤った判決が出たら?

いやそんなはずはないけども…


カケルが不安そうに考えていると奥からリンネの姿が見えた。

その表情はまさに魂が抜けたような感じだ。


「リンネさん…?」


不安そうに聞く。


「カケル…結果が出たんだけど…聞く?」


いや、分かってしまうぅ〜!

その表情見たら誰でも分かるよ!


そう思いつつもカケルは「はい」と答えた。


「鑑定が終わったって連絡が来たから…急いで冒険者ギルドの方に行ったんだ…そしたらね…

『これ思いっきり砂じゃん!舐めんなよ』とか言われたよ…あれだけ待たされて…砂って…」


カケルは絶句した。

それはあまりにも無理があると…


「いや!リンネさんそれ絶対相手が嘘ついてますって!」


「だけど…証明の仕様が無いじゃん」


すると背後からぬるりと黒い影が現れた。

気配さえも感じさせない何か…


「そこの所大丈夫だ。」


!?


知らぬ声に二人とも驚く。

少し後退りした。

するとリンネはその声が誰なのかすぐに理解をする。


「…君はメバト…!なんでこんなところに!?どうして…?」


メバトは被っていたフードを取り、事情を説明した。


「実はな、裏で鑑定士を買収していた野郎がいたらしく、今さっき捕まえてきたところだ。

どうやらお前らの持ってきた灰は間違いなく魔王軍幹部ヴェルーダの遺体だと判明した。

だからお前らは契約を守ったというわけで黒髪の法律を改正することとなる。」


それを聞き、嬉しさのあまりリンネとカケルは手を繋いでその場で飛び跳ねた。


「じゃあこれからは人目に気にせず過ごせるんだね!?」


「リンネさん!……この人はだれですか?」


話の流れが変わる。

カケル視点このメバトという者の視線。

明らかに俺を敵対視してる目だ。

言葉以前に雰囲気から軽蔑を感じるぜ。


「オレはメバト・ディリヒィークス。

A級冒険者であり、自慢ではないがルナフィリア王国の『ガーディアン』に務めている。」


「ガーディアン…!って何ですか?」


首を傾げ、メバトに問いかけた。

メバトは目を見開き、リンネとアイコンタクトした。

リンネは気まずそうに言う。


「ごめんね。カケルはこの世界の初心者だからそこら辺優しくしてあげて」


「異世界初心者でごめん!」


カケルは大きな声で謝る。

それにため息をついたメバトはゆっくりと説明をしてあげた。


「ガーディアンとは…要するに国を代表する王貴族を守護する一番高い位の護衛だ!」


カケルは声が出ないほどに驚いた。

そう…メバトによるガーディアンの説明ではなく、この国に王貴族がいることに!

すぐにカケルはリンネを引っ張り、メバトに聞こえない声で話をする。


「リンネさん!この国に王貴族がいるなんて話聞いてませんよ!なんで言わないんですか!?」


「えーと…言ったような気がするかも…」


「言ってません!!」


リンネは焦りながらもカケルの話を聞いた。


「リンネさん…やっぱ異世界の王貴族の令嬢って可愛いですか?」


「マジかよお前。」


リンネはドン引きで声がマジトーンになった。

どこのどいつが王貴族の令嬢を狙うんだよ…。


「いやいや俺はただその美しい顔を見たいだけですって!」


暑さのせいもあり、メバトのイライラも増えていく。

腕を組み、早く終わらないかと待っていた。


「おい!テメェら!何話してんだよ!早くし―」


「メーバト!」


背後からフィリアが抱き付いた。

その瞬間メバトの頬が赤くなり、すぐにフィリアを

振りほどく。


「フィリア!なんでこんな所に…!ここは薄汚く、クズが住まう場所だぞ!ここに来たらフィリアまで…」


「メバト、そんな言い方しちゃダメだよ!」


メッ!という風にメバトを叱った。

その光景を目撃していたカケルは暑さのせいもあってかなぜか心の底からイラついたという…。


「地上も地下もこんだけ暑くなってるのに、お前らまでも熱くなってんじゃねぇよ…何熱伝導してんだよ…!」


しかもとんでもないくらいの美男美女だし…!


「カケル落ち着け!ダメだ!暑さで正気を失っている!戻ってこいカケルーー!!」


リンネは必死に呼びかけてカケルの正気を戻そうとする。

しかしカケルは止まるどころか進み出した。


「リンネさん俺は今からリア充を潰します!勿論参加しますよね?」


ぶっ飛ばすぞお前。


思わず心の中でツッコむ。

リンネの顔に怒りマークが出た。

カケルはメバトのそばに睨みながら近づく。


「おい…メバトとかいうやつ!俺と…勝負しろ!!」


え…ちょっ…泣いてる…?


メバトも驚きすぎてもう何がなんだか分からなくなっている。

すぐにフィリアを守るように、後ろに下がらせた。

優しくフィリアはカケルに喋りかける。


「君が黒髪のカケル君だね?私黒髪見るの初めてだから早めに会いたかったんだー!」


「光栄です。僕の名前は北柳カケルと申します。

フィリアさんですね?美しいお名前だ。」


メバトがフィリアの盾になるように話に混ざり込んだ。

それにカケルはイラつく。


「メバト君だっけ?君何歳?」


「17だけど。」


「そうwうんうんwあー?俺?19w君より年上。」


メバトはプルプルと震える手でカケルを指し、フィリアに「殴っていい?」と尋ねた。

さすがのフィリアもこれには愛想笑いが崩れている。

リンネは頭を抱え、地面に落ちている酒の瓶を手に取った。


「いいか、メバト君!年上にはそれなりの敬いを見せないとね!ハハハ――」


リンネは掴んだ酒の瓶を思いっきりカケルの股間目掛けて振った。


ドッッ!!


重たい音が鳴った。

カケルの股間に激痛が走る。

カケルは股間を押さえながらゆっくりと地面に倒れていく。


永眠魔法(ゴールデンクラッシュ)


リンネはカケルの服を引っ張り撤収しようとする。


「ごめんね…本当に…また会えたら次は真面目に話するから」


「あっ…!待って!大事な話が…」


フィリアが慌てて引き止めようとするが、もうリンネはカケルを連れて暗い闇へと消えていった。


「カケルさんって…すごい人なんだね…」


「確かに…」


今回は暑さのせいというわけで…勘弁してやって下さい。

そう思いながらリンネは歩いた。






キャラクター紹介

メバト・ディリヒィークス。

男性。17歳。剣士。

警戒心が強い。

フィリアとともに冒険者をしている。

とにかくフィリアを守ろうとしている。


フィリア・シルフィード

女性。17歳。魔法使い。

メバトとともに冒険者をやっている。

誰に対しても明るい。

実は意外な裏もある。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ