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クラス転移  作者: 音花 緑葉
1.転移編
12/52

12.リアル鬼ごっことメニュー

「ひああああああああっ?!」


私はキョウ、十一歳。

黒髪に黒目のテイマーです。

現在、絶賛大ピンチ状態なので助けてください!


「キョウー!もう少しこっち来ないとマルトの射程範囲になんないよー」


アイがちょっと遠いところから手を招き猫みたいにする。


「そんな足早くないんだってば!」


私はチラッと後ろを振り返る。

それに気づいた「鬼」ことオーガが私を追いかける足を止めて、咆哮を上げる。

耳がキーンと痛くなり、体が痺れたかのように動かなくなる。


「ちょちょ、キョウー何してんのー!」


アイが動かなくなった私を見て焦り始める。

オーガは持っているこん棒を振り上げ力溜めを開始した。

この攻撃はルタさんをやったメチャクチャ強い攻撃だ。


「ごめん!足が動かない。助けて!」


こん棒が脳天にヒットするまで3,2,


「射程範囲!!行くよっ『ファイア』!」

「火力不足だよー!」

「まあ、及第点だよな!」

「卵蛇ぁ!『氷蝕』!」


オーガがこん棒を振り下ろすポーズのまま一瞬動きを止める。

私は頭上に迫るこん棒を見据えながら卵蛇に命令を下した。

今の私に戦う方法はない。

武器もないからしょうがないよね。

私の腕に巻き付いた卵蛇は少し大きくなり(仕組みはわからない)息を吸い込むと吐き出した。

青と白の中間色の吐息がオーガに巻き付き、浸透する。

そして二秒後、オーガは外から見ると冷凍されたような見た目になった。


「ふぅ、なんとかなったね。」

「魔法の火力がちょっと足りないな。」

「卵蛇がいなかったらキョウも木っ端みじんだったよー」

「うん、ちょっとやばかった。」


今は実践訓練中だ。


冒頭が少し長くなったが、このような流れになったのには理由があり、時は少し遡る。



「じゃ、とりあえず実践あるのみだよ!」

「実践ー、なにするのー?」

「・・・戦ってみる?」

「自分でもわかってないんだね。」

「情報共有はしておいた方がいいな。」

「情報共有といってもねー、自分でもよくわからないよー」


確かに。自分のことは職業くらいしかわからない。

小説でよくあるのはステータスとか、鑑定で他の人の能力値を見たりとかだけど。


「ステータスとかそういう画面飛ぶ『メニュー』とかが、ゲームでは鉄板だよねー」

「・・・今、声に魔力が乗ってた気がしたんだけど」


マル君がいぶかしげに首をかしげる。


「どこにだ?」

「多分・・・『メニュー』のところじゃない?」


この世界では魔法を使うとき声に魔力をのせる。

そして、それは意図的にしないとできない。

これが既に魔法を何度か撃った私とマル君の見解だ。

だから今、アイが偶然言った『メニュー』の言葉には魔力が乗っていたが、意図的ではなかったから発動しなかった・・・と思う。


「うおわ!なんか出た!」


ジンさんが驚いた声を上げる。

私の前には水色をもっと薄めた色ベースの半透明の板が出てきた。

そこには名前と大きな枠に「Todoリスト」。

小さい枠に上から「装備」「魔法」「スキル」「魔物の情報」と書いてある。

書いてあることの枠は白ベースで端を赤で囲んでいる。

文字は、サクとパソコンをいじってた時に知ったフォントの名前、「無心」に似ている。


「キョウのやつを見るよりも自分のやつを見たほうが早いよ。『メニュー』」


マル君の前にも私と同じような半透明の板が出てくる。

しかしマル君のはダークグリーン的な色だ。

書いてあることはほとんど同じみたいだが、一番下の「魔物の情報」の部分は「本棚」になっている。

ここの部分は特殊アビリティと呼ぶようにした。


「メニュー・・・んー?どうやって開くの?」

「多分、魔力だよな。俺らは使ったことがないから感覚がよくわからないな。」

「・・・どうすればいいと思う?マル君。」

「魔力を引き出す、みたいな。どうやろう。」

「小説やアニメだと、こうだよな。」


ジンさんは私と一緒でライトノベルを読んでいる。

プラスでアニメも見ているらしいから、何とかなるだろう。

ジンさんが私の手を取る。


「で、キョウの魔力を流し込む。」

「ジンさん、これって適性が合わないと爆発したりするやつでは?」

「物によってはだからな。八方塞がりだしやってみる価値はあるだろ。」

「おけ、やってみるよ」

「よろしく。あとジンさんってのはやめようぜ。旅の仲間?的なのになるんだから、マルトみたいなあだ名か呼び捨てで頼む。」

「わかった。ジン」

「・・・俺も呼び捨てで頼んだのに。」


マル君がすねた猫のような感じでそっぽを向く。

めんどくさそうだから無視で通す。

私はジンの手に人差し指を立てて、魔力をいれる。

ジンの手は薬包紙、私の指はガラス棒、魔力は薬品のイメージだ。

卵蛇をテイムする感覚で魔力を入れていく。

テイムに使う魔力は少ない。

魔力不足の心配はないはずだ。


「お!やっぱり、体の中であったかいものがぐるぐるしてるぜ!」

「え、私もーキョウ、やってー」

「はいはい」


私はアイとも手をつないで、魔力を流し込む。


「おおー!凄い凄いー!」

「じゃあやってみるか。」


「「『メニュー』」」


二人の前にも半透明の板が出てきた。

ジンは赤色で特殊アビリティは「魔法育成」。

アイは黄色で特殊アビリティは「スキル育成」。

二人はメニューの中を物色する。私もやろっと。


名前の下にテイマーと書いてある。

装備は大したものは書いてない。

魔法には「精霊魔法:全」と書いてあるが、それの何が使えるかは書いてない。

スキルには「テイム」「長剣」「魔力回復」「魔力感知」「恐怖耐性」

魔物の情報には卵蛇の事が書いてあった。

魔法には「氷蝕」「アイス」

スキルの欄はなかったから多分、習得できないのだろう。


一通り見終わると情報共有タイムだ。


「魔法、は大まかな属性だけでいいよ。」

「私は闇だよー」

「え、腹黒になったりしないよな?俺は雷だ。」

「俺は炎。」

「私は精霊魔法:全で卵蛇が氷だね。」

「精霊魔法:全って『星の軌跡』とか?」


引きつった顔でマル君が聞いてくるけど分からないから分からないって答える。


「次にスキルは使える武器を教えて。あと職業も」

「俺は魔法戦士の斧だな。」

「私は暗黒騎士で槍だよー。」

「俺は魔道師でロッドらしい。」

「私はテイマーの長剣、ってことはマル君以外前衛?」

「じゃあ、キョウは中衛に回って。」

「中衛って何するのー?」

「前と後ろを見て全体に指示だしするのと、後衛を守るだな。」

「や、やることが多い!」


配置も決まって、早速出発!


「特殊アビリティの共有忘れてるぞ!」

「・・・忘れてないよ!」

「いや、今のは絶対忘れてた。」

「私の特殊アビリティはスキル育成ー」


アイの特殊アビリティはパーティである私達(自動編成されてた)のスキルをスキルツリーみたいな形で育成できるらしい。


ジンの特殊アビリティは魔法育成で、アイの魔法版だ。


マル君の特殊アビリティは本棚で、一度読んだことのある、魔術関係の本を読み返すことができるらしい。


私はテイムした魔物の情報を見ることができるというものだ。


さあ、共有もしたから、次こそ出発だよ!


「死なない程度に頑張ろうぜ!」

少し中途半端です。


ストックがある限りは毎週金曜日に更新予定なので、見てくれると嬉しいです。

評価などもらえると、作者の活力となりますのでお願いします。

誤字報告もしてくれたらできる限り直します!


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