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31.考察と祈り

ーーーーーーーーーーーsideマルト


 んにゃ~暇にゃ………。

 敵も出てこないし風景にも変化ないし、キョウの姿も見えなくなっちゃって無事かすらもわからない。

 え?追いかけたほうがいいって?

 俺もそう思うにゃ、だけど正直なところキョウに追いついても役に立てる気がしないにゃ………。


「うあ~~暇だぜ」

「さっきまでのドタバタ具合がどこ行ったのかっていうほどの落ち着きだねー」

「きゅあ…」

「ヌーンもごめんにゃ、多分キョウと行きたかったよにゃ…」


 スンって感じのヌーンに謝ると、首をプイってそらされた。

 だいぶキョウに対する態度と違うんだが?まあキョウは飼い主だししょうがないか……。

 ぷかぷかと翼を動かして空気に体を任せたアイが大きくあくびをする。

 時計、ほしいにゃ。錬金術学んだらもしかしたら作れるにゃ?

 いやだけど俺は魔法専門………。


「うあっー?!」

「あ、アイ?!」

「なアななななににゃ」


 考え事してたら悲鳴が!!!

 聞こえたほうを見ると落下するアイがいた。

 え?え?え?さっきまでアイ竜だったのになんでただのアイに戻ってるのにゃ?


「ヌーン、捕まえてくれ!」

「きゅ!」

「ふ、もーーーー!なんなのー!!魔力切れでもないのにー!あ、ヌーンありがとー」

「調子の振れ幅やば」


 ヌーンが間一髪足でつかんで落下を阻止してくれた。

 重そうに一声鳴いたヌーンは背にアイを乗せるともう一段階大きくなって広々としたスペースがとれるようになった。


「なんで急にアイ竜じゃなくなったんだ?」

「んーわかんないー。アイ竜が解けるときって私の任意、私の魔力切れ、フラッシュの貸してくれてる魔力切れの三択なんだよねー」

「魔力残量は……金色は全然あるにゃ。というかなかったら気絶してるにゃ」

「翠色はねえのか?」


 ジンに聞かれてもう一度目を閉じる。

 魔力を感じ取る心の目。魔力感知を発動させて、アイを見つめる。

 

「金色の魔力だけ………にゃ」

「うわーこれ、ぞわぞわするねー。鼻がつくくらいの距離で凝視されてるみたいなー」

「なんだよそのすごい具体的なたとえ。」


 キョウにされたことあるからねーという自慢げな声が聞こえて集中力が途切れそうになるが、我慢する。

 よーく心の目を凝らして暗闇の底を覗き、思わず口を押えた。

 慌てて目を開き荒くなってしまった呼吸を深呼吸で整えた。


「ちょ、マルトまでなんだよ。何があったんだ?」

「やばい、あれはマズイにゃ。キョウ一人じゃ無理にゃ」

「え、どういうことー?キョウピンチー?詳しく教えてー?」

「だけど…………にゃ」


 アイの声が少し震えを帯びる。なんだ今日やばいにゃ。命の危機をこんなに一日に何回も感じていいはずがない。

 見えてしまった。紫色の強大すぎる魔力が漂ってたのを。

 そこの中に色が違う紫が大量に入っていて、それは多分魔物。

 キョウも俺には劣るけど魔力量がなかなかに多い方。だから魔物の魔力が見えてキョウの水色が見えないのは不自然。

 イヴの紅やほかのテイムモンスターの色は見える。だけどキョウだけが見えないのだ。

 そしてアイ竜が解けた原因。それはあの場にフラッシュの魔力があることが関係してると思う。

 どうやってだかわからないけどフラッシュがあの場に召喚されてキョウを守るために力を解放。

 その拍子にアイに渡してたアイ竜用の魔力もうっかり回収しちゃってアイが落ちかけたって考えるのが妥当だろう。

 これは、助けに行った方がいいよな?だけど俺たちがいってできることってなんなんだ?

 紫色の魔力の塊はきっと雷、しかも外で落ちたやつよりも全然強い。

 匂いはないかもだからジンは行けたとしても、雷が落ちる音と光で俺とアイはほぼ確定で足手まといだ。

 そして今飛べない状態のアイと元から飛べない俺はヌーンに乗せてもらわないといけない。

 落下恐怖症のジンをキョウを助けるために飛び降りてというわけにもいかない。


「多分、どうやってかはわかんないけど。この空間にフラッシュがいるにゃ」

「どういうことー?」

「キョウが必要だと判断して召喚したんだと思うにゃ。」

「そんな方法あんのか?」

「いやわかんないにゃ。そしてそうしないといけないほどキョウはピンチな状況にゃ」

「じゃあ助けに行かないとー」

「いや……多分そんな危険になるってことはコアの付近で戦ってるんだろ。そしたらさっきの雷がまた降ってる。」

「ご名答にゃ。さすがジンにゃ~。ジンだったら大丈夫かもしれにゃいけど耳と目がつぶされる俺とアイはほぼ無力にゃ。」

「なる…ほどー。助けに行っても逆に足手まといになって全員共倒れになるかもってことだねー」

「そういうことにゃ。ちなみに、キョウはもう死がありえるほどにヤバイ状況にゃ」

「なんで待機確定してからそんなこと言うんだよ!!」

「きゅう」

「ヌーンも心配になるだろ?頼むヌーン行きたいのはわかるんだがもはや利敵行為に変わりないことだと思うんだよ。高いところ飛んでると雷が当たりやすくなるんだよ、そしたら全員死んじまう。」

「魔力が感じられないのにゃ。キョウは魔力がすごく多いから見えないとおかしいのにゃ…」

「頼むぜ、最悪軽傷までなら許してやるから。大けがは負うなよ?」

「死なんて……」


 もってのほかにゃ。

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