第1話『第3845回秘密結社『王国』定例会議イイイイィィィィィ!!!(裏)』
ハァーイ!皆久しぶりでもないかもかもかもかもしれない作者だよ。
今回は前回の主人公の脳内とその前のアンナコトやソンナコトを書いてみたよ!
………投稿遅れてないって?
………。
…さあ!本編ハッジマールヨー!
2020年4月2日大幅変更
ドアを開けた瞬間。転生なのかな?赤ん坊になっていた。銀髪赤眼………これだけでここが異世界だと分かると思う。あっ、チートオリ主でも、踏み台でもないぞ。ん?アルビノじゃないかって?――――いや、日焼けしても何も無いし。視力も悪くない。俺の視力は4,0だ。
えっ?両親はって?はは!生まれて数週間で捨てられました………川に。
ふざけるな!ふざけるなッ―!馬鹿野郎!俺は桃太郎じゃないんだぞ。いや、桃太郎より悪いわ。俺餓死寸前だったからね?
何でも赤眼は、不吉で悪魔の子の証明だとか、何とか、かんとか………絶対許さん!普通それでも自分の子供を捨てるか?(無表情)
しかも、その壮絶なるネグレクトの甲斐あって表情筋が壊れました。正確には、戦闘の時とよっぽどの事が無い限り仏頂面のままになった。
あ、いや、声色は変えられるし、大きさも感情も自由自在――――噓です。感情無理です。出て来ない。誰かに取られた様に出なくなる。
まあ、その後捨てる神あれば拾う神ありって奴で孤児院の司祭に拾われた。………司祭には今でも感謝している。
まあ、教訓から学んで目を一切開けなかっただけなんだけどね!別に、目を開けなくても何か感じ取れたからな。(多分魔力パワー)
司祭は目に障害があったから捨てられたんだなって言ってたのは、少し騙してるみたいで心が痛いが。そんなこと関係ねぇ。捨てたあいつ等が悪い。
意外と孤児院暮らしは良かった。赤ん坊の頃は一日中暇だったし、強制赤ちゃんプレイだったが、世話はちゃんとしてくれたので今世の親よりは断然ましである。
ある程度成長した後、俺は目をずっと閉じていたので顔は見ていないが、何だか意外と話が合った妙に神々しい気配の子供と妙に禍禍しい気配の子供と仲良く三人で遊んだりした。
………お母さんこんな俺にも良い友達が――――今世の母ではないぞ。
その後、何だかんだで、その孤児院は、俺が六歳位の時に全焼した。(無表情)
………いや、なんもやってないよ。ただ急に目が痒くて少し目を開けたら目からビーム出たとかじゃあ決してない、そう!決して!
………それを見ていた前の『王国』の『KING』に『王の剣』にスカウトされたりとかされてないよ。
あっ、『王国』って言うのは世界中に影響力を持った(裏)大企業だよ。基本的に本社が王国にあって、あ、こっちは国の方ね。支社が他の五大国や、小国、辺境にも存在してるんだ。
え?何で知ってるって?………さ、さあね~。
そうだな。話を変えよう!うん。変えよう!実はねその時、この世界が何の世界か分かったんだ。ほら、前の『KING』にスカウトされたって言ったじゃないですか。
その後、年齢が同じだからってボスの娘と会うことになったんですよーー。
金髪碧眼の可愛いお子さんだったんで光GENJI計画だ!何て思って軽い気持ちで近づいたんですがね。
その子がですね。俺が前世好きだった『勇魔対戦』って シリーズ物のゲームのシリーズ最強のラスボスだったんですよね。は、ハ!ハ!ハ!
………笑えねぇよ!
それが判明した後は、もう本性とか知ってるんで、媚売りまくりました!(無表情)
その為に料理を覚え、その為にマッサージを快楽都市で習い、その為に接待を知り合いの貴族に習い、王国の歴戦錬磨、一騎当千、国士無双と謳われる伝説の主婦オトック・サイコーさんに弟子入りし買い物術と商品の見分け方を習った。
情けない?男らしくない?ハ!ハ!ハ!ご冗談を!
彼女はあれですよ。二歳で全属性の魔法が使えて、どんな武術も見ただけでマスターして、全ての学問を数週間で今までの学問からさらに上の領域にする。自分の身体で特級魔導具を作るナチュラルサイコ。『勇者』と『魔王』のコンビでもかすり傷しか作れない。初登場シーンで龍を平手打ちでぶっ飛ばす。等の事をした作中トップクラスのバグキャラだ。
………作中トップ?それを倒せる主人公だよ。察せ。
神だろうが龍だろうが肉親だろうが自分の目的の邪魔をするならなんだろうとぶっ潰す。ぶっ潰してしまう★世界最高峰のイレギュラーですぜ★媚売りまくりまくるしかないよね★。
………一番のイレギュラー?それとレベルさえ上げればタイマンで倒せる主人公だよ。察せ(二回目)。
ここで普通なら、主人公側につけよ。と、言う人もいるでしょう。だが、それは出来ない理由がある!そう………それは!
待遇が良い!!!
だって、この組織にいたら毎日三食美味しいご飯を食べれるし!ベッドはフカフカ!………たまに枕は無くなるけど。服も良い服を着れる!………たまに下着が無くなるが。まあ、どれもこれも、前世現代っ子の俺にとって最高だ。
孤児院の生活も良かったが、それは田舎の良さと言うものだ。それはそれ。これはこれということで。
………理由としては他にもあって、多分今、俺が抜けたいです。何てアホなこと言ったらさ。
『俺この組織から抜けたいんですけど~』
『ふ~ん。いいよ。けど、君結構重要な事知ってるし情報隠蔽として56すね(ザクッ)』
『アフン…………』
何て事になるに決まってる。そう!俺ね、実はね、抜けられない所まで足っていうか、もう全身突っ込んじゃってるんだ。
何と、ラスボスが前ボス殺してボスになりました。イエーイ!
ボスの側近に選ばれました。イエーイ!
しかも、それに合わせて幹部が全て俺以外が逆らって虐殺されました。イエーイ!
その後、俺が暇を見つけて連れてきて教育していた奴らが大多数幹部になりました。イエーイ!
その後『勇者』と『魔王』らしき二人と殺し合いになった。(俺一人で)イエーイ!
それがボスにバレたら殺されかけた。イエーイ(絶望)
笑えねぇ。
ボスに殺されようとしても抵抗出来るようにって、俺の味方してもらえるように忙しい任務の合間を縫って才能がある人間を鍛えていたのに全員ボスのカリスマで狂信者になっちまった。
………多分ボスが俺の事殺せって言ったらノータイムで殺しにかかって来ると俺は思っている。 イヤー!
そして、俺は気付いた。これ原作始まってねえか?と。だって、よくよく幹部全員見てみたら原作キャラオンリーだった。………シザーの素顔も原作通りだった。
ん?けれど、それだと俺は一体誰なんだ?俺みたいな奴いたっけな?
そう思って俺は何時もの仕事部屋にある鏡を見ながら今回の会議の事を考えていた。
(そう言えば、最近鏡見ていなかったな。二年位。)
何てアホな事を考えながら見ていた。
(けど、仕方無いよね!ボスが幹部減らしたせいで俺の仕事が増えまくったからね。)
が、その時俺は、俺は気付いてしまった。
この、前見た時の少年っぽい顔立ちから、銀髪碧眼の整った顔立ちに、シワひとつない純白のスーツの美男子になっていた。
(って、この顔。側近キャラのジークじゃあねえかあアアアアアアアァァァァァァァァ!!!)
こんなことを思っている鏡に映っている顔は一切動いていなかった。
………取り合えず寝起きだったので顔を洗おう。
――――約2~3時間後
顔を洗ってスッキリ!………けど、気持ちは気苦労キャラだったことに知ったからマイナス百%だぜ!
ジーク。はたまた、ネットでのあだ名は胃痛の中間管理職。『勇魔大戦3』でラスボスの『KING』と一緒に初登場した。銀髪碧眼のイケメン。イケメンは死ねぇ!あ、今の俺それだ。やっぱり今のは無しで。
作品の中では、最後のダンジョン『王の宮』でラスボスの前に出て来た色物三人衆の上司であり、ラスボスの『KING』の戦闘の前に戦うことになるボスだ。
だが、ボスとしてはキャラが薄い。
いや、別に弱いとかではない。だが、飛びぬけて強いわけでもない。………何分、後のボスが強い為、後から見たら弱いように見えるが弱くはない。
主人公とサシで剣で戦えたり、時空魔法で『王の宮』にやって来た主人公のパーティーを分断して各個撃破で戦おうとしたり、一度は主人公のパーティーを倒しかけたりするなど強いと言えば強い。だが、キャラが弱い。
いや、普通な顔して『お前何の為に戦ってんの?』『え?何、ウッソ。戦う理由無いの?ぷぷぷ』(俺の主観です)とか主人公に言っているが何分、部下の三人衆のキャラの濃さからネット上で、
『何か部下の事で胃痛抱えてそう』『強いし、恰好良いけど。キャラが薄いカルピス』『いや、部下が濃いカルピスなだけだろ』等々の散々な事を言われており、制作会社もドラマCDでキャラの濃い部下と上司に板挟みになる様子が晒されていることからネット上でも大いに盛り上がったキャラである。
まあ、そんなこと考えても意味が無いし、取り合えず今回の会議で出す物を纏め………ました。
そして、会議が始まる三時間前位になった。けれど、俺には会議の前にやらないといけない事がある。そうそれは!
コンコン
「失礼します。ボス、そろそろ定例会議の時間です」
「………」
ボスを起こすことだ。しかも、ボスは身支度が遅いため三時間前に起こさないといけない。
しかも、ボスは基本的にカビゴン並みに寝ているためそれを起こすのは俺の仕事だ。俺以外がやったら死ぬ。(狂信者に殺される的な意味で(後ボス自身))
コンコンコンコンコンココンコンコンコンコンコンコンコン
「どうぞ~」
「失礼します。」
返事が有ったので入………………らない!なぜかって?それはな、まだちゃんとボスが起きてないからだよ!(一回この時に入って気絶した)
寝起きの姿のボスを見ると死ぬ(尊厳的な意味で)
なので、ここはこのまま押しきる!
コンコンコンコンコンココンコンコンコンコンコンコンコンコンコンコンコンコンコンコンコンコンコンコンコンコンコンコンコンコンコンコンコンコンコンコンコンコンコンコンコンコンコンコンコンコンコンコンコンコンコンコンコンコンコンコンコンコンコンコンコンコンコンコンコンコンコンコンコンコンコンコンコンコンコンコンコンコンコンコンコンコンコンコン!
バキッ
あっ、ドアぶっ壊れた。
「何してるのジーク。………全く僕の右目はいつも変なところでドジるんだから。」
「すみません。ボス直ぐに直します」
「いいよ。僕の方が速いから」
そう言いながらボスが右手をドアだったものに翳すと白い光が包み込みビデオテープの巻き返しみたいにドアに戻ったのを感じる。
「ありがとうございます。俺には魔法で物を直すことなど出来ないので」
「いいよ。こんなこと僕にとっては朝飯前だよ。
―――………あっ!これって本当に朝飯前だ!スゴーイ!」
キャッキャッと、言葉通りになるなんて珍しいね。と喜びをボスは見せている。
俺は別に魔法が不得意な訳では無い。 ただ冗談染みているとはいえ、時間魔法なんて高等魔法を簡単に使っているボスが頭オカシイだけだ。
「ボス。朝食は何にしましょうか。」
「じゃあ、ジークで!」
「では、朝食は無しということで」
「それはないよ!朝ごはんは1日の源だよ!そんな大事なもの抜いていいはず無いだろう?そうと決まったら早くリビングに行かないと!」
と、調子の良いことを言って食堂に行こうとドアを出ようとするボスに対して俺は肩を掴んで。
「ボスいい加減服を着てください。目を閉じて話すのも疲れます」
俺の視界は今でも真っ暗である。
「ああ、確かに、そろそろ寒くなってきたし」
そう言ってボスは部屋へと入っていくそれを俺は見送って(見てないけど)ドアを閉めてボスが着替えてくるのを待つ。………人生どんな経験でもしておくべきなのだとボスの側近になって思った。
ボスは寝る時全裸派なのだ。
♦️
ボスと俺が住んでいる所は、秘密結社『王国』のメンバーの仲間が作った王国にある屋敷の一つであり『王国』の末端や幹部から送られてくる情報や、報告書等々を整理したりする基地でもある。
ボスの目的からしても情報が集まってくるこの拠点は重要拠点である。
もちろん。この屋敷にボスが居ることは幹部達にも知られていない。(知ったら凸ってくる)
知っているのは、唯一の側近である俺とボスに信用されている全ての屋敷のメイドを束ねるメイド長と生活物資などを届けてくる裏社会にも影響がある商人(変態)の三人だけだ。
………因みにさっき言った色物三人衆の内二人が冥土と商人である。
と、言うことは必然的にこの屋敷は情報保護のために慢性的な人材不足と言うことになる。
そのため、食事も俺が作らないといけない。
「ジーク、今日の朝食は何だい?」
今日の朝食は会議がある為、簡単に作れるもので済ませてしまおう。
別にボスは毎朝凝った料理を望んだりせず、逆に簡単に食べられる様な物を好む。
「今日の朝食はサンドイッチと紅茶ですよ。ボス。」
「サンドイッチかぁ~三日連続じゃない?前作ってくれた。お茶漬けが良いな。」
いつもなら、そのまま料理が出来上がるのを待っているボスだが、今日は珍しい物を食べたいと言って来る。
―――流石に、三日連続サンドイッチは俺としてもダメだと思うが、こっちの方が楽なのでその要望をもっともな理由と実情で却下する。
「お茶漬けに使う米は東にある島国の『ジャポーン』でしか取れない貴重な物なので使えません」
「えぇ……そうか、じゃあお茶漬けで良いよ!」
「サンドイッチのパンだけでよろしいのですね」
今日の朝食は過去類を見ない手抜き料理になりそうだ。
「や、やだなぁ。冗談だよ。冗談。」
いや、絶対やれるならやろうと思っただろ。
と、言うわけで毎日外食にもボスはあまり行かないため、基本的に俺がボスと自分の食事を三食作ることになっている。
幸いな事に食材等は変態(闇商人)が持ってきてくれるので困ることはない。レシピは媚びる修行の時に覚えた。
………まあ、用事がある時以外ボスが屋敷から出ようとすると止めてくるのは困るが。
「相変わらず、ジークのご飯は美味しいね。何より愛情が籠っているところとか。ね?」
「ね?じゃないですよ。ボスそれよりも早く食べてください。今日は久しぶりの定例会議なんですから」
「別に良いじゃあないか。朝食位ゆっくりと食べさせてくれても」
「いや、後一時間何ですけと………何でボスはサンドイッチに二時間もかけるんですか?というよりも何故かけられるんですか?」
そう聞きながら俺は自分の分の食器を洗いながら聞く。………正確には昨日のサボった分のもだが。
「いいかい。モグモグ…ジーク。乙女にはねゆっくり食べたいときと、モグモグ…速く食べたいときがあってねだね…モグモグ」
「………ボス食べるのか喋るのかどちらかにしてください。というか、毎日同じ位の時間かけてるでしょう?」
「…モグモグ、モグ」
「食べるのか………」
そう言うとボスは食べていたサンドイッチごと頭をずらす。その顎は先程よりも集中して食べているからか動きが速くなり、喉は食道へと口の中から押し込まれた内容物を押し流す為にゴクリッ、と音を立ててその仕事を全うする。
只、そのような単なる食事風景も美少女がやっているからだろうか、絵になる程の輝きがある。
俺は芸術家では無い為その様な事は思わないが、もし、芸術家がこの場所にいるのなら絶世の美を見つけたとボスの目の前から動かなくなるだろう。
「んっ、ゴクンッ――――それよりも、ジーク。紅茶を入れてくれ、無くなったんだ。」
「はい。はい。わかりましたよ。」
その様な光景を横からの特等席で見つめていると、ボスからのオーダーが横で水道からコップに注いで入れた水を飲んでいた俺に与えられる。
自分でやれよ、と思う思いが無い訳でもないが一応上司からの命令なので渋々、事前に持っていた(何故?)熱々の熱湯と茶葉を入れて紅茶を作っていた赤のティーポットを青色のボスのコップに注ぐ。
因みに茶葉は王国製だが、ティーポットとコップは亜人国製である。別に茶葉一つで平民の年収と同じとかでは無い。普通に市場で流れている物だ。………ティーポットとコップはあるが。
蛇足だが、この二つはボスが買って来たものである。………自分が買って来たなら自分で入れれば良いのに。
そして、俺は慎重にコップに紅茶を並々と注ぐ。
……うん!Excellent!
「…ジーク。紅茶がコップギリギリに並々と注がれているんだが?動かしたら、溢れそうな位並々と」
「さあ、速く準備しましょう。」
「待って!ジーク!僕は、朝に紅茶を飲まないと起きた気にならないんだ!」
そう叫びながら助けを求めるボスを無視しながら俺はボスの会議で着る何時もの服をクローゼットから取り出しに行った。
そんなに飲みたければ何時も使っている魔法を使えば良いのに。
―――――――――――――――――――――――――――――――
色々あって三十分後。宮殿へとボスよりも先に来ていた俺は変態商人からもらった紅茶と自分で作った茶菓子を幹部の人数分セッティングしていた。
最近任務が無くて暇なので作った物が多数。
「やはり、この紅茶にはこの茶菓子が合うな。うん。久しぶりに会う者達もいるし、これで少しはボスと会うときに緊張s………無理だな」
そんなことを思いながらセッティングしていると、ある一つの連絡が来た。
『ジーク』
『何ですか?ボス?』
『赤いドレスと赤いドレスどっちが良いかな?』
なんだよ、その質問。言葉だけでは絶対分からないでしょうに。せめて、装飾を言え。
『いや、何ですか。その質問。どっちも赤いドレスでは分からないですよ。』
『じゃあ、確認してくれ何時もの部屋にいる。』
『いや、何時もの部屋って、屋敷にボスの服がある場所なんてボスの部屋しかないですよ。
しかも、別に自分が行かなくてもよろしいのでは?』
『………来ないと会議行かないぞ』
『三十秒で行きます』
そう念話でボスに伝えた途端に俺は床を砕くほどの力を込めたダッシュで会議部屋の巨大な扉を開けて走る。
このボスはやると言ったらやる。そんな凄みがある!
………というより、前科があるんだが。
前に断ったら本当に来なくて、幹部連中が泣き崩れまでは行かなくても、殺意マシマシで俺のこと見てきたからね!………俺も弱くはないが、さすがに幹部クラス7人同時はキツイ。
まあ、流石に少し遅れるだろうから今来ている幹部に連絡入れておくか。
『誰かいるか?』
『………うん?この声は先生ですか?何故念話を?』
『ラストか。今ボスに呼び出されてな。少し遅れそうだ。すまない。』
『いえ、大丈夫です。僕から伝えておきますよ。』
『すまんな。』
今念話で話している男は、幹部の一人であるラスト。一応俺が育てていた一人だ。そのため、俺の事を先生と呼んで慕ってくれている。
………けど、絶対ボスが殺せって言ったら俺殺してくるんだよなぁ。
俺にとっては可愛い弟子みたいなものなのだが、それと同時に恐ろしい存在でもある。
―――もし、命を狙って来たらノータイムで首を断てるが。
『ところで先生。この人数分に置かれた紅茶と茶菓子は?』
『ああ、其れは私が作ったものだ。』
『へぇ、シザーとかが喜びそうですね。』
『………そうだな。ではよろしく頼んだ。』
シザーか。あいつ慕ってくれているのはよくわかるんだが、流石にうるさすぎるんだよな。
………まあ、あいつの過去は同情する|が。
それよりもうるさい。もう少しお淑やかになれば良いのに。
いや、もう中身がソレか。
取り敢えずそれは今、置いておこう。それよりも、今の俺に大事なことは―――
「で、ジーク。この服か、あの服どっちが良い?」
「じゃあ、右で」
さっさと、このボスを会議に引っ張り出さなければいけない。
―――――――――――――――――――――――――――――――
何とかかんとか、ボスを着替えさせる事に成功した俺はボスよりも先に会議部屋に入ったのだが。
「………………」
【「「「「「「……」」」」」」】
き、気まずい。何か空気からお前じゃねえって圧をかけられてる気分だ。
まるで、仮面ライダーのショーを見に来ている子供の前で戦隊もののヒーローショーをやっている気分だ。
仕方がない。早く席に座るか。
そう思って俺は自分の席へ移動――――――――――しようとしたが、俺が通ってきた後ろから我らがボスがやって来た。
「よく来てくれたね。僕の幹部達」
【「「「「「「っっ!」」」」」」】
……何か俺の時と反応違うぅぅぅ!
いや、別に良いよ。別に、確かにボス見てくれは文句無しに世界一の造形だからね。
『勇魔対戦』のイラスト担当の人も『これまで手掛けて来たどんなキャラよりも心血を注いで作って出した。最高傑作だと思う。…………けど、出した後に設定聞いたら、ラスボスかよ!と、思いました。思いっきりヒロインで書けって言われたのに!』と言うほどだ。ツムッターで。
実際とてつもなくボスは綺麗だが、俺は一切靡かない。………なぜかって?
………本性知ってるから、手だしたらどんな人間でもパンッ(比喩)されるからだ。分かるよね?
実際にボスにナンパしようとした奴が原因不明で死んだ。少し、髪の毛に何か掛かった気がしたがそれは気のせいだろう。(確信)
「もう、頭を上げてもいいんだよ。君たちは僕の道具なのだから」
【「「「「「「 」」」」」」】
うわぁー。うわぁー(二度見)。忠義キメちゃってるよ。さすがに毎回はちょっと。会議進まないんだよなぁ………。
さて、そろそろ進めないとだしな。
俺は少し、鼻から息を吸い深呼吸すると、威圧を掛けるように腹から声を出すことを意識しながら声をかける。
「そろそろいいな?毎回硬直するのは辞めろ」
【「「「「「「っっ!」」」」」」】
えっ、その反応何?一様君たちよりも上司だよ?何、その、いつの間にっ!?みたいな反応。泣いちゃうよ。良いの?前世も含めたらいい歳している俺がギャン泣きしちゃうよ?
【は、はい!ボスは最高です!】
「何を言っているシザー。早く進めるぞ」
シザーは何時も通りだな。………何か安心した。
【あぁん!その冷ややかな目良いぃ!】
………シザーこの空気何とかしてくれたの助かるけどそういうことしてるからスペルーズとかに嫌われるんだぞ。
「ではまず、獣人国のオリウから今月の報告をしろ」
まあ、良い会議を始めるとするか。先ずは獣人国から行こう。………あそこの国の王怖いんだよなぁ。前潜入したらズーッと見られてて怖かった。あれが捕食者の目ってやつだな(王はライオンの獣人)。
「は、はい!獣人国の報告ですが―――――――
その後何事もなく会議は続いた。……俺?俺は何も問題なく仕事してんなぁーっとボケーと見ていた。
「―――ではダーズの報告は終わったからじゃあ次はスペルーズの番だな?」
「そうです。ジークさん」
「スペルーズは魔道都市だったな。知識の収集は進んでいるのか?」
「はい」
スペルーズは魔道都市だからな。そう言えば『勇魔対戦』シリーズの3作目の主人公も初め魔道都市から始まったんだよなぁ。懐かしい。思えば一作品目と二作品目の主人公は性別女固定だったのに3作目からどっちも選べるようになったんだよな。
おっと、会議中だったな。ヤバいヤバい。少し雰囲気変えないと。
「何か問題があったようだが何があったんだ?」
「少し消しにくい者が邪魔に入ってきまして」
「消しにくい者?」
消しにくいもの?魔道都市には今この時はスペルーズが消せないほど強い人間は余り居なかったはずだけれど。記憶違いか?
「消しにくい者。とは何者だ?」
「他国の王族です。王国のルシアーナ第二王女」
「そう、か」
「っ!」
そうか、そうか、消しにくいってそういう地位が高いとかのことね。間違え…………今何て言ったスペルーズ?ルシアーナだと!
「無理にでも消すべきで―――――――
「いや、そちらよりもだ。それの周りにいる人間を警戒しろ」
ルシアーナって『勇魔対戦3』のメインキャラのルシアーナじゃあ無いですか!アブねぇ!スペルーズに世界の希望の1人消されかける所だった!アブねぇ!あいつ今、ルシアーナ簡単に殺せる力と立ち位置あるからなアブねえ!
と、取り敢えず。主人公くんちゃん(どっちか知らんけど)のデフォルトの名前教えておきましょ、そうしましょ。
「そうだな。アルトかアリスどちらかの名前の男女。そのどちらかが王女に近づいて来たら、そいつを監視しろ」
【あの~先生がそこまで警戒する相手って何なんですか?逆に気になりますよ】
シザー……君のような勘の良いガキは嫌いだよ。
いや、お前正体的に性別とか年齢意味無かったな。
ではなくて……こいつ何か妙な時に勘が鋭いんだよな。……適当に言ったことまではばれてないようだ。よし!ここは話をずら―――――――
「僕もです。ジークさんがここまで警戒するなんて、『獣人国』の潜入調査の時ぐらいじゃないですか?その、アルトか、アリスその男か女かもわからない人間にそこまで警戒する必要性を感じ―――――――
スペルーーーズゥゥ!君とシザー仲良くなかったよね!何でそこで掩護射撃!?……まあ、正当な理由だな。俺だって急に知り合いに『この犯罪者よりもその花子か太郎か名前しか知らんけどそいつの方が危険だからね★』何て言われたら俺も知り合いの頭を疑う。……仕方がない。主人公の秘密をバラすか。
「あの『魔王』と『勇者』の子供だ」
【「「「「「「!」」」」」」】
「へぇー。あの二人の関係ってそんなんだったんだ。恋バナしとけば良かったなー」
あーあ、全員口をあんぐり開けてますね。女の子や全身鎧も居るのにはしたない。
まあ、正確には子供じゃないんだが。
どちらかと言えば、ポ○ラとかに近い。
「あ、あの『勇者』何ですか!?本当に?あのどんなときでも何とかなるとか言って私を振り回したあの!?百パーセント?何時何分何秒!地球が何周回ったときィィ!?」
あー、オリウは一作品目で主人公の仲間だったからなそりゃあビックリするよね。
「あの小娘が結婚だなんてなぁ。」
そう言っているミラーは二作品目の魔王の仲間をしてたからね。
【………】
そして、一作品目、二作品目どちらでも敵として関わりのあるシザーだが、何故か黙ってる。まあ、『勇者』と『魔王』両方の性別を知ってるからまあ、当然だ――――――
【………マジですか?あの、あの二人が結婚だなんて、私はまだ恋のABCのAもいけてないのにあの二人ハアアアアアァァァァァ!!!】
「いや、まず君には恋人もいないだろう?」
【あ、言っちゃいけないこと言った!乙女にたいして言っちゃいけないこと言ったわね!ラスト!表に出なさい!貴方のそのサラサラの髪をチリチリのアフロヘアーに変えてあげるわ!昔からその女みたいな髪気に入らなかったの!】
そう叫びながら自分の椅子の上で腕と脚を駄々を捏ねるみたいに振り回すシザー。
………そんなに気にしてないな。うん。なら良いか!
「そろそろ、止めろ。時間も押しているからな。」
火種を出したのは俺だけどそろそろ止まってもらおうかな。
………先ずは危険性を言っておこう。
「では、そいつがどれだけ危険なのか理解出来るな?あの『魔王』とあの『勇者』の子供だ。あの『KING』に傷・を・付・け・た・あのだ」
【「「「「「「はっ!」」」」」」】
そう言うと幹部全員が頷く。そうだよ。あのボスに掠り傷と言えどもあのボスに掠りキズを着けたのだよ。諸君。
………俺もゲームやってたときラスボスの強さバグってんだろお!おい!!って思いながら倒したら3作目のストーリーで掠り傷でした~!って知ってコントローラーぶん投げたからね。
「では、スペルーズ。」
「はい」
作中でトップクラスに頭が良い君なら解るはずだ!
「余り情報がない任務だ。今はまだその子供も弱いと思うが、我々の最大目標の障害となるかも知れない。だから見つけたら―――――――成・長・さ・せ・る・な・」
「はっ!」
………釘刺したけど、大丈夫だよね?元気に返事してくれたけど分かってる?成長させるなって言葉の意味わかっているか?暗に手を出すなと、言ったつもりだったのだが。
…………やっぱりもう一度言って―――――――
「じゃあ、これで今回の会議は解散ってことで!」
【「「「「「「はっ!」」」」」」】
おいいぃぃぃ!!ボスぅぅぅぅぅぅ!!空気読めやぁぁぁぁぁぁぁ!!
………いや、思いっきり終わる雰囲気だったな。これ、俺が悪いな。
あっ、みんな帰ってる。………もうだめだ。何か言えそうな雰囲気ではない。これ何か喋ったら『えっ、もう終わりなんじゃないの?』見たいな顔で見られること間違いなし!
そこから不満が溜まっていって下克上間違いなし!
…………
………
……
仕方がない。もしもこの世界が『勇魔対戦』の世界ならば俺はこのままだと主人公にラスボス前の側近だぁーって空気よりも軽~い感じで倒されてしまう。
………なら、魔王や勇者と会ったときから計画していた。あの計画を実行するときが来たのか…………
そう、名付けて!『原作の最初で本当は出ないキャラが出たら原作ブレイクになって俺生き残れるんじゃない?そうだよね?きっとそうだよ!』計画を。
うん。それが良いな。原作を知っている俺がいた方が話も良い方向で進むしね。
そうと決まれば!
俺は座っていた席から体だけをボスの座っている方向に向ける。
「ボス。という訳で俺は魔道都市に行きます」
「何が、“というわけ”なんだい?」
そう言ってボスは首をコトンと傾けながら聞いてくる。
うっ!あざとい!それ女子が女友達にやったら嫌われるやつだ!初めてみた!………前世はって?フッ、そんなことする友達以前に女友達が居ないぜ!泣けてきた………。
いたとしても、俺男だからな?そんな物見る可能性は無――――あ、っけどぶりっ子と友達だったらワンチャンある――――
「スペルーズだけでは不安です。相手はボスを傷つけた『魔王』と『勇者』ですよ。正直スペルーズは我らの中では弱い。きっと、その子供と愉快な仲間達によって集団リンチで倒されますよ」
「いや、そんなに心配なら君の直属の部下を使えば良い話じゃないの?」
………正論だ。何時も理不尽な事ばかり言ってくるボスが正論でパンチをしてくる。
ヤベェ、そんなに何も考えてない。と言うよりもそんなに簡単に使える奴いないんですけど。全員何らかの形で仕事してるからな。
だが、ここで諦めれば俺は死ぬ!
何か対策を考えな――――
――――そうだ。逆に考えるんだ。………ゴリ押しちゃえば良いさ、と。
「ボス」
「んっ?どうしたの?それよりこの紅茶美味しいね。ジークからの愛を感じるよ。」
「魔道都市のことなのですが」
「無視かい?まあ、良いけどね……」
「もしかしたら『楽園』のためのヒントがあそこで落ちているかもしれません」
「………それは中々面白い提案だね」
そう言いながらボスはもう一度紅茶を一口飲んでテーブルに置く。
「けれど、今までスペルーズは『楽園』の情報を調べていたでしょう?一応スペルーズは一番弱くてもある程度は仕事はこなしてたでしょ?僕の力で」
「ボス、ボスの力は適合しないとポンッてなりますからね。それと、スペルーズの力は大体本人の力ですよ。」
「まあ、そうだけどさ。」
「それにスペルーズが見えていないものがあるかもしれませんし。自分の直属の部下を使っても余り効果はないかもしれません。それよりも自分で見た方が分かるかも知れない。そうおもうでしょう?
――――何よりあの二人の子供ですよ?何か『楽園』の行き方か、作り方に繋がるかもしれませんし、ね?」
「うーん」
その言葉を聞くとボスは指で眉間を押さえながら熟考する。
そして、三十秒ほど黙っていると。
「分かった。じゃあ二人で行こうか!」
「分かりまし………えっ」
そう自信満々にニッコリと笑顔を浮かべながらボスはとんでもないことを言った。
わあ、太陽の様な笑顔だぁ、ってアホになってる暇は無い。え、ちょっとボス。あんたが来るのは流石に無理があるんですけれど。
「ボス。ボスが直接来るのは流石―――――――
「大丈夫。変装するから」
いや、そっちの心配してないからアァァァァァァァァァァァァ!!
そりゃあ、世界(制作会社)に愛されてるレベルどころか愛(地球サイズ)レベルの物の才能貰ってるボスなら行けそうだけど!
「あ、もしかして、僕が襲われるか心配をしてくれて――――――――
「其れは無いです」
「――――何でさ!」
少し、大袈裟気味に君は薄情者だなぁ、と肩をおとしたポーズをボスは取る。
それを俺は少し食い気味になりながらも否定する。………いや、心配するなら襲われる方より襲う方だよね。
俺はもうハンバーグ(前の幹部)トマトジュース(逆らった前の部下)ミンチ肉(ナンパしたチャラ男)は見たくないんだよ~~~~~!
取り敢えずボスを止めないと原作がぶち壊されるぅ!
「けれど、ボス流石に――――
「つべこべ言わずに速く準備をしてきなさい。……いい加減その口を塞がれたいの?」
「直ぐにスペルーズに連絡します」
そう言いながら、ヤバい目とヤバい顔になったボスから逃げるように俺は椅子から立って背を向けるように走った。
ボスを止めるっていってなかった?って?
………や、やだなぁ。ハ!ハ!ハ!ボスと俺は一蓮托生!一心同体!そんなのが離れるわけないでしょう?
ハ!ハ!ハ!ハ!ハ!ハ!
………すまんの。主人公くんちゃん。どちらかは知らないが………。
………………序盤で世界終わるかも。
前の幹部。
『ボスの娘だとしても反逆などよくも!喰らえ!我が槍d―――――――――プチっ(何かが黒いものに潰される音)
『ハンバーグでいっかな』(練度もジークが育てた槍より低いし)
『……』((^o^)/)
逆らった前の部下。
『お前みたいな餓鬼の下につけるか!今日から俺がこの組織のリi―――――――――パンッ(何かが頭から弾ける音)
『こうなりたい?』
『ブンブンブンブンブン!』(それを見ていた他の部下)
『………』(/(^o^)\)
ナンパしたチャラ男
『ねぇ?そこのマブい姉ちゃん。ちょっとそこでお茶d―――――――――ジュイーンジュイジュイジュイーン(何かが黒いカッターの様なもので切り刻まれる音)
『顔がうざい』
『………』(ガタガタガタ)
突然始まるーーー!次回予告!
さーて、次回のKINGの右目は!
KINGの優雅な1日
リラックスは安心出来ない
勇者と魔王は出会いたい
の三本です。次回もまた見てくださいね。じゃんけん_________
流石に怖いのでじゃんけんは止めます。
次回はボスの心情やジークくんが碧眼の理由。勇者と魔王の正体など書けなかった所を書きます。
えっ?ここで書けって?
………普通に書いてても一万文字だったから自重しました。
では、次回で会いましょう。バイチャ!