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機械仕掛けの魔法使い~テッドの舟~  作者: チク
小さな恋の物語

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38/43

火山がやむ

 ほっと胸をなでおろす。

 女の子も無事だった。しかも怪我が治ってる。リューオスが魔法で治したんだな、とタツキは思いつつ水鏡を見ていると、ふと気づいた。



「……竜繭を出してる?」

 なんで寝る時に使うものを出しているんだろう?


 見ていて、その答えがわかった。

 火山岩が降ってきている。それを跳ね返すためのものだった。

 魔力が強いリューオスだからこそ、できることだった。


 ただ強度があるだけじゃなかった。

 火山ガスも寄せ付けない竜繭……


――どうやって作るんだろう?

 タツキはしばし水鏡の映像を見入っていた。

 あれができるなら地上でも暮らせるに違いない。




     * * *


 シムの顔を見ていたアッゼだったが、ノックの音にはっとなった。

 ドアの外にはシュミットが立っていたので、いささか驚いた。

 だが、その後のシュミットの報告にもっと驚くことになる。



「大変なんだ。リューオスが地上に来てしまったんだ」

 シュミットは相当慌てている。


「え? そんなはずは……。俺以外は来てないはず」

 アッゼはドームの外に出る。

 居住区には、他に誰もいないはずだった。


「ここじゃなくて、どこか火山の近くに飛ばされてしまったみたいなんだ」




     * * *


 リューオスは相当汗をかいていた。体中の毛穴すべてから汗がふき出てるようだ。

 暑い中、子どもを背負って歩くというのはかなり体力を酷使する。


 背中のメノウは大丈夫だろうか。


 さっきまで泣いてた様子のメノウが妙に静かだ。

 まさか…… 嫌な予感がして声をかけてみる。


「メノウ?」

「……ん?」

 小さな声だが返事があったことに、リューオスはほっとした。


「あ!」

 メノウがぴょんとリューオスの背中から飛び上がる。


「あ!」

 リューオスも気づいた。

 石が止んでいた。火山ガスも噴出していない地域まで着いてたようだった。

 リューオスは竜繭を引っ込めた。


 リューオスは飛んでるメノウを見た。

 酸素が薄い中にいた割に元気そうで安心した。


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