火山がやむ
ほっと胸をなでおろす。
女の子も無事だった。しかも怪我が治ってる。リューオスが魔法で治したんだな、とタツキは思いつつ水鏡を見ていると、ふと気づいた。
「……竜繭を出してる?」
なんで寝る時に使うものを出しているんだろう?
見ていて、その答えがわかった。
火山岩が降ってきている。それを跳ね返すためのものだった。
魔力が強いリューオスだからこそ、できることだった。
ただ強度があるだけじゃなかった。
火山ガスも寄せ付けない竜繭……
――どうやって作るんだろう?
タツキはしばし水鏡の映像を見入っていた。
あれができるなら地上でも暮らせるに違いない。
* * *
シムの顔を見ていたアッゼだったが、ノックの音にはっとなった。
ドアの外にはシュミットが立っていたので、いささか驚いた。
だが、その後のシュミットの報告にもっと驚くことになる。
「大変なんだ。リューオスが地上に来てしまったんだ」
シュミットは相当慌てている。
「え? そんなはずは……。俺以外は来てないはず」
アッゼはドームの外に出る。
居住区には、他に誰もいないはずだった。
「ここじゃなくて、どこか火山の近くに飛ばされてしまったみたいなんだ」
* * *
リューオスは相当汗をかいていた。体中の毛穴すべてから汗がふき出てるようだ。
暑い中、子どもを背負って歩くというのはかなり体力を酷使する。
背中のメノウは大丈夫だろうか。
さっきまで泣いてた様子のメノウが妙に静かだ。
まさか…… 嫌な予感がして声をかけてみる。
「メノウ?」
「……ん?」
小さな声だが返事があったことに、リューオスはほっとした。
「あ!」
メノウがぴょんとリューオスの背中から飛び上がる。
「あ!」
リューオスも気づいた。
石が止んでいた。火山ガスも噴出していない地域まで着いてたようだった。
リューオスは竜繭を引っ込めた。
リューオスは飛んでるメノウを見た。
酸素が薄い中にいた割に元気そうで安心した。




