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機械仕掛けの魔法使い~テッドの舟~  作者: チク
小さな恋の物語

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33/43

犬と美少女

     * * *


 ヤイノとスティナとわんわんちは池に着いた。


 池の畔には二人の男がいた。

 二人とも釣りをしている。


 異様な雰囲気だ。

 二人は目も合わさず、一定の距離を開け、黙々と釣りをしていた。


 片方が何か釣れると、もう片方が敵意むきだしの目を向ける。

 一人はよく池で見かける竜人のホウセンカ。

 もう一人は……?  ヤイノは見たことなのない青い髪の男だった。




「ほら、あの人、エルフ」

 スティナが指さす。



「誰?」

 ヤイノは思わず、見知らぬ人物に尋ねていた。


「しー。魚が逃げる」

 と青い髪の男が言い終えた時だった。


 わんわんちが吠え始めた。

 ホウセンカと青い髪の男二人同時に睨みつける。


 だが、スティナは意に解すでもなく、

「え? ここなの?」

 わんわんちは池の中央に向かって吠えていた。


 そちらの方向に何かあるのかと三人は目を凝らす。


「うんうん、わかった」

 スティナは何かわんわんちと会話してるようだ。


「ぬれちゃうけどしょうがないね。ちょっと怖いけど信じてるよ、わんわんち」

 スティナはわんわんちに跨り、体を密着させ、頭をなでなでした。

 何かわんわんちの耳元でささやいているようだが、その内容は聞こえなかった。


 そんなスティナだがふと身を起こし、ヤイノに向きなおる。

「ヤイノ、案内してくれてありがとう。タツキの無事も知れたから帰るね」



「え? 帰る?」

 ヤイノは思わず聞き返した。

 確か、スティナは『帰る』と言った。



 スティナを乗せたわんわんちは池の中へと飛び込む。

「え!? ちょっと!」

 ヤイノは止めようと思ったが間に合わなかった。


 スティナが溺れると思ったヤイノは、飛んで追いかけた。


 池の深さは三メートルくらいか。

 わんわんちは池の底を猛スピードで走っている。

 スティナは平然とした様子でその背に跨っていた。

 ふと、スティナはヤイノを方を見上げた。


 水の反射だろうか。黒だと思っていたスティナの髪が赤紫に光っていた。

 水面に揺られ、この世とは思えないくらい神秘的で美しい姿だった。


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