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機械仕掛けの魔法使い~テッドの舟~  作者: チク
小さな恋の物語

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20/43

美少女


 以前は土に半分ほど埋まっていた魔導エレベータだったが、今は全体が土の上にあった。

 テッドの舟からやってきたクロンカイト修理したようだ。クロンカイトがいうには、これで天空岩とテッドの舟との行き来がラクになるんだとか。



 その時、魔導エレベータが揺れはじめた。


「リューオス?」

 タツキが魔導エレベータが覗き込む。



 だが、魔導エレベータから出て来たのはリューオスではなかった。


 それはわん!と元気よく吠えると、タツキに飛びついてきた。


「……わ、わわっ!」

 タツキは飛んで逃げようとしたのだが、それの跳躍力はすさまじかった。

 宙に浮いてるタツキの体に犬が飛びついてきた。



「な、なんだ、なんだよ、これー」

 タツキは地面に落とされる。体の上に狼のような大きな犬がのしかかってきて、パニックだった。



 犬はタツキにじゃれてるだけのようだ。

「ヤ、ヤイノ、助けろー」



 だが、ヤイノも犬が怖かった。

 そもそも天空岩に犬があまりいないため、対処方もよくわからないのだ。


 おろおろするヤイノの背後から少女の声が聞こえた。

「わんわんち? よかったねー、遊んでもらえて」



「これのどこが遊ん……? ……!!」

 怒鳴りつけそうになったヤイノだったが、少女のかわいさに釘付けになる。



「か、かわいい女の子!」


 ヤイノのつぶやきに、少女が笑顔になった。

「そうなの!」

「………」

 笑顔で頷く少女に、性格の悪い女の子なんだとヤイノは落胆した。

 だが違った。


「わんわんちね、本当は女の子なのに、いっつも男の子に間違えられるの」

 どうやら少女は犬のことを言ってるらしい。


「そ、そうなんだ」

 かわいい女の子に緊張しつつ、ヤイノはなんとか相槌を打つ。



「た、助けろ……ヤイノ」

 ヤイノは、タツキをちらっと見た。怖がってはいるが怪我はしてなさそうだ。

 確かに犬は大きく尻尾を振って、じゃれついてるだけのようだ。


 この際、弟の懇願は聞こえないことにした。



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