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機械仕掛けの魔法使い~テッドの舟~  作者: チク
テッドの舟の住人

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16/43

鍛える

「ああ、地上に行く練習してるから、筋肉もたくさんついたよ」


「地上に行くだって!?」

 ヤイノは驚いてばかりだ。

「なんで。どうして。火山が激しくてあんな危険なとこ」


「地上にシムがいるし、また会いたいから。それに地上もそんなに悪いとこじゃないし、気軽に遊びに行けるくらいになればいいなって……」


 タツキの言葉に、ヤイノはカルチャーショックを受けた。

 地上に遊びに行くなんて、ヤイノにはあり得ない発想だったのだ。


 そこで、ふとまた別の考えがヤイノに浮かぶ。

「そのシムって子、ひょっとして……」

 言いかけて、ヤイノは言うのを辞めた。なんか恥ずかしくなった。


 そのシムって子、実はかわいい女の子なんじゃないか、と思ったのだ。





     * * *


 テッドの舟の中は夜を迎えようとしていた。

 宇宙空間を漂っている舟ではあるが、その惑星の着陸している時は、時刻に合わせるようにしていた。

 遊歩道に街灯がともる。


 クロンカイトがファニィと一緒に、テッドの舟と天空岩の結合部を確認している。

「異常はないな」


 そこへシュミットが来た。

「点検ご苦労さん」


「ああ」

 一仕事終えたクロンカイトは大きく伸びをした。

「魔導エレベータはまあ動くけど、半分埋もれちまってる。ファニィ数体は動かなくなってるのを確認した。しばらく滞在するんだったらまあそっちの修理に専念するかな」


「まあ、そこは任すよ」

「そっちは?」

「シズクは回収した。たぶん充電系の故障だと思う。男の僕が、アンドロイドとはいえ女性の体を修理するわけにもいかないから、その辺はマーキュアに任す」


「ああ、前の星じゃ働き詰めだったから少しは羽を伸ばすといいよ」

「嬉しいな。クロは優しいな」

 シュミットは腕で目を覆い、泣いているような仕草をした。

 本当に泣いてるわけではなく、時々こんなお茶らけたことをやりたがる。


 シュミットのそういう行動はスルー。ふとクロンカイトは気になることを思い出した。

「そういえば、さっき会った竜人の子どもに聞いたんだけど、地上の居住区に子どもがいるって」


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