内緒の話
そんなブルだったが、何か思い出したように指をパチンと鳴らした。
「天空岩って池があったよな?」
「うん、あったよ。でもあれから数年経ってるし地形が変わってる可能性も……」
「出掛けてくる!」
ブルは何やら荷物を持って出掛けて行った。
* * *
タツキは初めて見るテッドの舟の中の様子に興味津々だった。クロンカイトに何か聞かれながら歩いていたが、結構上の空だった。
そんなタツキはばったりリューオスとヤイノに出会う。
「あ、あれ?」
「あ、来たんだ」
とはヤイノの言葉。
「知り合い?」
クロンカイトがタツキに尋ねる。
「アニキ」
「へえ、初めまして。俺はクロンカイト」
クロンカイトが名乗ったのを合図に、四人はそれぞれ名乗る。
名乗って早々、空は夕方のため、四人はそれぞれ帰路についた。
その帰り道――
「ねえ、タツキ、翼が取れてたって本当?」
ヤイノの突然の質問に、タツキは困った。
リューオスから聞いたのだろう。
そういえば口止めしていなかった。
「あ……あぁ、まあ、うん。でも結果的には治ってるんだし」
ヤイノは飛んで、タツキの後ろに回り、翼を見た。
見た感じは怪我をしてる風でも、取れてたような感じもなかった。
「今はきれいに治ったよ。――父さんと母さんには内緒な」
「どうして?」
ヤイノは深刻な顔だ。
真面目な兄としては、親に内緒事を作るのは後ろめたさがあるようだ。
「うん? 心配かけたくないし…… リューオスもね、このことは内緒にして」
「わかった」
リューオスは考えなしに口を滑らせたことを反省していた。
ここでヤイノに別の考えが浮かぶ。
弟は本当に翼が取れてしまったのだろうか?
背中の翼に触ってみた。見た目にも触った感じにも取れてしまった感じがしない。
「なんだよ。くすぐったいよ」
タツキは飛んで、さっとヤイノから離れた。
その素早さにヤイノは驚いた。
「なあ、その翼、大きくなってない?」




