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機械仕掛けの魔法使い~テッドの舟~  作者: チク
天空岩で

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11/43

研究所


「テッドの舟に行くんですか?」

 ヤイノは興味津々という表情だ。

 そもそもヤイノは、テッドの舟に行ってみたくてリューオスの後についてきたのだ。


「行きたい?」

 シュミットが尋ねる。


 ヤイノは強く頷いた。




     * * *


 テッドの舟が天空岩とドッキング中は、普通に通路ができていて、簡単に出入りできた。



 そこは舟の中というより、街そのものだ。

 地面があって、草も生えている。

 家らしき建物や遠くに高い建物があった。


「都会って感じですね」

 そういうヤイノは興奮気味に辺りを見回している。

 さっきまで、弟の翼が取れたとかいう衝撃の内容を忘れていそうだ。


「こっち」

 シュミットの案内通り、リューオスとヤイノは進む。


 たどり着いたのはある建物。

 その建物の記憶がリューオスにはあった。


「ここは研究所」

 思わず、そうつぶやいた。

 正式な建物の名称は記憶になかったが、かつてのシズクがそう言っていた。


 そんなリューオスを、シュミットはちらりと見た。

「来たことあるの?」


「うん。子どもの頃にシズクと……」

「ふうん」


 シュミットが建物の入り口横のパネルに何か操作すると、入り口はすーっと開いた。

 翼のあるヤイノもその建物に入れた。

 竜人が来る前提の建物のようだ。

 ちなみに、シュミットにも翼はない。人間なのか、竜人なのか――


「どうぞ」

 シュミットは中へと二人を促し、そこにある椅子を勧めた。


「ただいまー。帰ったよー」

 と、シュミットは奥に向かって言うが誰も返事をしない。

「おーい? ただいまー。アッゼー。クロ、ブル、誰もいないのか…… お茶ぐらい振舞ってくれればいいのに」


 そこへファニィが近づいてきた。

「ファニィ、ジュースでも出して」

 とシュミットが言うと、ファニィは一旦奥に引っ込んだ。



「一応、こっから先は企業秘密だから」

 シュミットは、リューオスからシズクを受け取った。

「詳しく、見てみるから」

 シュミットの腕の中で、意識のないシズクをリューオスは不安げに見ていた。

「全力を尽くすよ」

 シュミットは奥の部屋へと消えた。



 そこへ、ジュースを持ったファニィがやってくる。


「なんだか夢のようです」

 ジュースを飲みながら、ヤイノが言った。

「そうだな」

 リューオスが答える。



 数十分ほどして、シュミットが奥から出て来た。

「直せそうだよ。修理には数日かかる」


 その言葉にリューオスはほっとしていた。


物語は、ここで一区切りということで、数日後に再開予定です。

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