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私は本当に幸せ者です。


「おめでとう」


「ありがとう……!」


「凛、おめでとう」


「誠……ありがとう」


「もー泣くなよ」


「だってー……」



誠と仲直りしてからあっという間に一年が過ぎ、桜の蕾が膨らんできた頃。

私は四年間通った大学を卒業する日がやってきた。

本当に早かった一年間。

仲直りしてからも何度か喧嘩したけど、その度にまた仲直りしてきた私達。

みんなとも時々カラオケに行ったり、女の子だけで女子会したりでとにかく楽しかった。

卒業後も、保育園で働くことが決まった。

充実した一年。



「ママ、ちょっとみんなのところ行ってくるね!」


「いってらっしゃい」


「いってらっしゃい、凛」



誠もママと待っているつもりなのか、一緒に手を振ってる。

違うよ。



「誠も一緒に行くの!」


「え? なんで? って、引っ張らないでってば……」


「いーから。みんなにここ離れること言わなきゃ」


「あ、そっか」



そう。

二年前の夏にした約束は無事、果たされることになった。

ママとパパにも反対されたけど最後には折れてくれて、さっそくこの後誠の家へ向かう。

だからみんなにもこのこと話さなきゃ。

もちろん頻繁に帰ってくるつもりだけど、やっぱり寂しいからね。



「あ! 凛ー。わだじだぢ、ぞつぎょうだよー。たのじがっだー」



泣いてて何言っているか分からないアオイ。



「おっす。あ、誠さんもこんにちは。なーんかなぁ。早かったな……」


「そーっすねー……」


「……」



みんなが口々に言っている中、木梨くんが俯いてじっとしていた。



「あれ? 木梨くんどうしたの?」


「あ、ほっといていいっすよ。我らのファザー、木梨氏は案外涙もろいんっす」


「え、そうなんだ」



意外だな。



「あ、凛おねえたん!」



この可愛い声は!



夕莉(ゆり)ちゃん!」



私に危なっかしい走りで駆け寄ってきた女の子。

そしてその後ろには、



「こら、夕莉。走ると転ぶよ」


「はーい」



美香とラナだ!

実は美香はリクと付き合っていたらしく、めでたく赤ちゃんを授かっていた。

でも私が誠のことで落ち込んでいた頃だったから言い出せず、お腹が大きくなってきた頃やっと話してくれたんだけどね。

あの時は本当に驚いたなぁ。



「凛」


「あ、そうだ」



誠に言われて本来の目的を思い出す。



「えーっと、みなさんにお話があります」



私がそういうとみんなの視線がこっちに。

あ、木梨くんの目、赤くなってる。



「この卒業式が終わったら私、誠と一緒に住むことになりました」


「「「「「……」」」」」



あれ?

みんな無反応。



「えー!」


「ちょっと凛! なにいきなり!」


「まじっすか!? うわーショックっす」


「良かったね、凛ちゃん」


「あぁ、……おめでとう」



ちょっと遅れてからのみんなの反応に嬉しくなる。

だけど木梨くん……涙声。

よっしーは何がショックなの?



「え、じゃあこの後もう行っちゃうの?」


「うん。そうなるかな」


「えー、凛がいないとさーびーしーいー」


「もー。いつでも会えるって」


「絶対だよ?」


「はいはい」



うるさいアオイを適当に流し、改めて四年間通った校舎を眺める。

いろんなことあったなぁ。

いい思い出ばかりとは言えないけど、でもそれなりに楽しかった。



「凛、もう行こうか」


「そうだね。じゃあみんな。またね!」


「バイバイ!」


「またね」


「またなー!」



みんなに手を振り、ママの元へと戻る。



「ママ」


「あら。もうお別れは済んだの?」


「うん。ママ、今までありがとう。ママのおかげでここまでやってこれた。本当に感謝してます」



軽く頭を下げる。

ママは恥ずかしそうに頬を赤らめながら、いいのよ。それが親の務めだもの。と微笑みながら言ってくれた。

やっぱりママは強いな。

勝てそうにないや。



「よし、じゃあ行くか」


「うん!」



誠の車に乗り込み、ママを家に送った後そのままマンションへ。

荷物はもう届けてある。

数時間車を走らせ、やっとマンションに着く。

もうあたりはオレンジに染まっていた。



「凛」


「ん?」


「卒業おめでとう!」



そう笑顔で言ってくれた誠。

その笑顔で本当に卒業したんだという自覚と、嬉しさと、ちょっとの寂しさで胸がゴチャゴチャになった。

でもこの感覚嫌いじゃない。

むしろ好き。



「ありがとう!」



中学三年生の時に付き合いだした私達。

いっぱい喧嘩もしたね。いっぱい仲直りして、いっぱい愛し合ったね。

本当に本当に幸せでした。

社会に出たら兄妹での恋愛なんてって言われるかもしれない。

でもそのときは「兄妹?あ、関係ないです。」って胸を張って言おう。

誠、これからもっともっと幸せにしてね!



私、佐々原凛は兄である佐々原誠を心から愛しています。




遂に『兄妹?あ、関係ないです。』完結しました!

どうでしたか?

私自身まだまだ未熟なもので、かなり読みづらかったと思います。

でも毎日のアクセス数や、評価ポイントが上がるのを見るたびに頑張ろうと思えました。こんな飽きっぽい私がここまで来られたのは、この作品を見てくださった方々のおかげです!

本当にありがとうございました!

作品はこれで終わりとなりますが、少しずつ修正したりなどよりよい作品にするため努力していきたいと思います。

感想や、指摘などありましたらどんどん言ってもらって構いません。

むしろ言ってください!←笑

参考にさせていただきます。


では、最後に……


ここまで読んでいただいた皆様、本当に本当にありがとうございました!!




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