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【連載版】お前を生涯愛することはない──当然ですわ!  作者: 昊ノ燈


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26 ポールは燃えている。

すいません。久々の投稿になってしまいました。

 ナタリア嬢が消えて五日が経とうとしていた。

 その間、隣国に大きな動きはなく、ピリピリとした小康状態が続いている。とは言え、全く動きがないわけではない。斥候と見られる小隊が発見され、第二騎士団により捕縛された。前線に近い第三騎士団ではなく、第二騎士団が捕縛したのには、痛い理由がある。第三騎士団がナタリア嬢を拐ったと思い込んだカーライルが、単身第三騎士団に乗り込み、第三騎士団の遊撃機能を麻痺させてしまったのだ。

 おそらく、隣国でも第三騎士団の詰めるエサリア砦の異変を感じ取り、様子見の斥候小隊を派遣したのだろう。それを、カーライルを迎えに行こうとしていた第二騎士団が発見、捕縛したのだ。

 これにより、きわめて有力なナタリア嬢の情報がもたらされた。

 隣国の聖女が、使徒と呼ばれる女性を保護しているというのだ。


「使徒?」

 私には、何故に『使徒』なのか分からないが、共にナタリア嬢を探してくれていた女官達は、遠い目をしながら『わかるわぁ』と頷いていた。

 それにしても、聖女か…………。

 隣国が戦端を開く切っ掛けになったという、癒しの力を持つという少女。聞くところに、桃色の髪と瞳の十代の少女だという。

 聖女に保護されている女性がナタリア嬢だとすると、彼女は聖女が保護しなくてはいけない程の怪我を負っているという事ではないのか?

 焦る私は、第二騎士団のエンリケ・ボラックス団長にナタリア嬢奪還の為の部隊を出すように願い出たが、女性文官一人の為に部隊を出す事は出来ないと断られてしまう。

 薄情者とも思ったが、理性の上では、出せない理由も理解していた。部隊を出すとは、こちらから戦争の火蓋を切る事になりえるのだ。情報収集の斥候小隊どころの話ではない。明らかに軍事戦力を伴う部隊を派遣するとは、そういう事だ。

 それに、第二騎士団にも自由に動けない別の理由もある。第三騎士団との関係。カーライルが、今だに第三騎士団にいるのだ。

 エサリア砦にカーライルを迎えに行ったはずの第二騎士団が、隣国斥候小隊を捕縛した為、そのまま帰ってきてしまったのだ。

 カーライルは、そのままエサリア砦の独居房にでも詰め込まれているのだろう。

 これにより、第三と連携が取りにくくなってしまった第二騎士団に余力はない。



「困ったものですね──」


 私に言ってきたのは、フレイマン第二騎士団副団長補佐。

 何に対しての『困った』かは分からなかったけど、これから小隊を率いてカーライルを迎えに行くということから、第三騎士団に思い込みで特攻して行ったカーライルの事か。

 いや、私に向かって言っているという事から、文官の仕事もせず、ナタリア嬢の事ばかり情報収集をしようとしている私に対しての『困った』かもしれない。

 事実、私はナタリア嬢の情報が欲しくて、第二騎士団の捕虜となっている隣国斥候小隊の面々に合わせろと、騎士に詰め寄った事もある。その時は、合わせてくれない騎士達に腹も立てたが、お門違いだと理解している。文官としての行動ならば、戦時下での捕虜の人権保護を説くくらいだろう。


「──で、付いて来ますか?」

 フレイマンは、そう言って地図を開いた。

 そこには、国境付近の地理と両国の部隊の配置が記されていた。そして、隣国の部隊の一部に赤い丸が記されている。

「この赤丸が聖女のいる所。思ったよりも前線に近い所にいるみたいです。山越えになりますが、このルートから行けば、接敵する可能性が低いと思うのですがね。聖女を捕らえれば、あちら側は瓦解するでしょう。なんせ、聖女ありきの戦争でしょうから。ですが、問題があります。このルートに鎧を着込んだ騎士が行けるような道はないのです。難しいでしょうね」

 微笑みを浮かべている。

 言わんとしている事は分かった。

 騎士を派兵する事は出来ないから、ナタリア嬢を助けたければ、自分の足で国境を越えて行けと言っているのだ。そのついでに聖女も捕まえられたら、戦争も終わると。

 そのルートは、エサリア砦の裏手を回る。行くのなら、第三騎士団の所に行く第二騎士団に付いて行って、途中から単身で森に入る事になる。それならば、第二騎士団がカモフラージュとなって、隣国に気付かれる可能性は低いだろう。


 でも、信じても良いのだろうか?

 騎士という存在は、戦争による功績を望むのではないのか?

 本当にそんなルート、方法があるのなら、鎧を脱いで自分達で聖女捕獲に動くのではないか?

 しかし、フレイマンに私を嵌める理由なんて無い。成功したらラッキーくらいの事なのだろう。だとしたら、信じても良いのかもしれない。

 私に出来るのだろうか?

 室内ゾンビをしていた私に、樹木の生茂る山越えなんて出来るのか?

 その上、騎士の助けもなく単身で敵地に潜入するなんて。


 でも、気持ちは固まっていた。

 行かない理由なんて小さいものだ。騙されていようが、困難であろうが、関係ない。

 私は、ナタリア嬢を助ける!


 そう心に誓い、準備を始める。


【昊ノ燈】と申します。


読んでいただき、ありがとうございます。

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