第漆話(第7話)
右羅が案内してくれたのは、もんのずごく重厚な鉄格子。
「・・・ねぇ。これって誰か監禁でもされてるの?」
この中に紹介する人がいるのか・・・。
「監禁ではないがな。
本人のために必要不可欠なんだ。」
どゆこと?
「離れてろ。出来れば危険性の少ない奴がいいがな。」
そうそう。安全第一だよね・・・。
「「危険性!?」」
「まあ多分大丈夫だ。」
「「多分!?」」
右羅は怪しいビンと一輪の花を取り出した。
「花が萎れたらすぐに逃げろ。」
「「ええっ!?」」
ガチャ。
ドアを開けたら煙がもくもくと出てきた。
煙に晒された花が萎れた。
「「ギャー!?」」
逃げましたとも逃げましたとも。
しばらく離れて見ていると、煙はおさまった。
「もう大丈夫だ。戻ってこい。」
恐る恐る近づいて扉を覗くと。
「初めまして。紫斑蒼と申します。」
1人の男がいた。
「右羅さん。安全は確保されてますか?
彼女ら、死んでしまいますよ?」
「大丈夫だ。
5分はもつ。」
男の全身から汗のように様々な色の液体、蒸気があがっている。
鋼鉄でできた床がそのうちの1滴で音を立てて溶けていく。
「この変異が災輪系と呼ばれる変異だ。
本人にコントロールができず、自他共に命に関わる被害が出る。
こいつは猛毒、それも強酸、強アルカリ、生物毒など本当の意味でありとあらゆる毒が合成、分泌される。」
こええぇ!
「最近は毒の傾向はコントロールできるようになってきましてね、今は強アルカリのみにしてますよ。」
「誰もいないときは生体毒にしとけよ。
床が溶けて困る。」
なるほど・・・
そうだっ!!
「金とかにしとけば!!」
「壁床全てに塗るだけの資金はないし、王水が出たらそれも溶けるしな。」
・・・・。
(ドンマイ。)
史魅途、下手な慰めはむしろ追い討ちだから。
ボソッと言うなよ、ボソッと。
「持ってきた強酸で中和できるのはあと少しだ。
言っておくことはあるか?」
「とくには。しいて言うなら・・・大変だった?」
感慨深く、八叉は言った。
「ええ。
有り難うざいます。
・・・右羅さん。
僕の事話しといて下さい。
自分で言うのは不幸自慢みたいで嫌なので。」
バタン。
扉が閉まった。
「あいつは。
産まれたその日に1つの村を壊滅させた。
あいつ自体があり得ないほど強力な生物兵器のようなものだ。
お陰で、今まで約10の町の壊滅に貢献している。
あいつにとっては、近づいた者から死んでいくという地獄を味わい続けているわけだ。」
・・・。
「同じ災輪系でマルサルは目でみたもの全てを石にする変異。
伊井井伊は右手で触れたものを液体に、左手で触れたものを個体にしてしまう変異だ。」
「災輪系という変異は鬼であることを意識しやすい、されやすい変異だ。
お前らも多少なりともにたような状態だ。
それを忘れるな。というような事をあいつはいつもみんなに言っていたな。」
「火隠。そろそろ国家権力が本格的に動きだす頃だ。
こんなに大量の鬼が逃げたんだ。
奴らも無駄なプライドがあるしな。」
「了解。
超広域探知だな。
頭休ませないといけないから2時間ほど寝る。
先に失礼する。」
ん?
「三花がどうかした?」
「お前あいつに何も聞いてないんだな。
百人戦争の探知者だ。」
?
「50キロ圏内の物全てを全て把握する変異だ。」
???
「つまりだな。砂粒1つ、雨粒1粒逃さず50キロ圏内にある物全てを把握できる。
しかも凄いのは何兆分の1秒すら誤差なく把握し、そこから20秒後の未来まで見える。」
スゲー!!
「理解までが長いな・・・。」
いいじゃない。
「お前にはその間の食事などを任せるつもりだ。」
聞いてないよ〜。




