第1話〜異世界転移〜
「危ない!」
咄嗟だった、車道に飛び出した猫を追い自分も車道に飛び出して猫を抱える所までは大丈夫だった、しかし無情にもトラックが突っ込んでくるのを見ながらせめて猫だけでもと猫を対岸の歩道に投げようとした、その瞬間目の前が真っ白になって···気付けば森の中に居た
「は···?え···?」
確かにさっきまで都会の車道にいた筈なのに今は右を向いても左を向いても森だった
「ここは···?」
「ふぅ···えらい目に遭ったにゃ」
と、抱えてた筈の猫から声が聞こえた
「ん···?」
「しかし、お前さんも命知らずにゃ、ヒトというのは命を大切にするものじゃにゃかったんかのう」
「え?猫が喋ってる···?」
「ふんむ、混乱しとるようにゃの···こういう時は、ほい気付け」
ポンと目の前で猫の両手が叩かれると同時にきたポンという擬音では表せない衝撃波で正気を取り戻す
「落ち着いたかにゃ?」
「はい、落ち着きました」
「うんむ、なら降ろしとくれにゃ」
「は、はぁ···」
言われるがまま猫を降ろすとそのまま2足で立ち背伸びをした
「では、ついてくると良いにゃ」
と言われたのでとりあえずついていく
「まずは礼を、助けてくれてありがとうにゃ」
「当然の事をしたまで···です」
なんとなく年上なうえに神聖な気配もしてるから自ずと敬語になる
「ワシはこの世界【ウィダール】の商神マネキと言うにゃ」
「ウィダール···ここは地球じゃないんですか?」
「そうにゃ咄嗟の事とは言えお主を所謂異世界転移させてしまって申し訳にゃい」
「てことは地球には帰れないんですか?」
「基本的にそうにゃ、ワシの神力を使ってゲートを開きお主を救ったのは良いものの再びお主が通れる程の大きさのゲートを開く為の神力は少なくとも200年は溜めるのに必要にゃ、ヒトの生命はそこまで持たんのにゃ」
「まあ、そういう事なら···」
「偉いアッサリにゃの?」
「まあ、あの世界に居ても親類縁者も友人も居らずただただ寿命を減らすだけだったので」
「ふむ、何やら世知辛い事があったようじゃの···まあ、深い事は聞かんにゃ」
「それに、ちょうど良かったんですよあの咄嗟にマネキ様を救う為に飛び出した時は家も売った後だったので下手にあの世界で生き延びてたらホームレス生活でした」
「···ふむ、ならこのウィダールで第2の生と行こうではにゃいか、にゃに、住居と当分の生活費はワシが負担してにゃろうて」
「そんな、悪いですよ」
「なに、命の恩人に対する謝礼としては安いもんにゃよ、それにの」
「それに?」
「若人がすべてを諦めたかの様な目をしてるのはいささかいただけんにゃ、お主趣味とかにゃいんか?」
「えっと···木工芸とかですかね」
「ふむ、にゃら今から向かう街はちょうど良いにゃ···っと、お主の名を聞いとらんかったの」
「あ、えっと···木野隼人です、外国風にいうとハヤト·キノになります」
「うむ、分かったハヤトこれからよろしく頼むにゃ」




