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第四十二話・あの人と今後話をするのはやめましょう


 学生の時の話。ある時ある人が私に電話をかけてきました。Aさんとします。これも携帯電話がなかった時代での昔話です。同じクラスのBさんを名指しして「今後はあの人を無視しましょう」 と決めたと。

「そういうわけで、あなたもそうしてほしいの」

 Bさんをみんなで無視しましょう、というのか……学校ではしないで、家でこうして電話をかけてきたということは、表立ってこの会話はできないという意識の表れですね。だが当時はAさんも私も精神的に幼かったのでそこまでは考えない。すでに私はボッチでしたので、こうして言ってくるということは何かあったと感じても深くは突っ込まず断りました。つまり、「私もBさんを無視します」 とは言いませんでした。

「私と関係のない話だから知らない」


 そう返事するとAさんは黙りました。普段こうして話すことのない私にまで電話をかけてきて、思いがけない拒否の言葉を聞いて動揺したのか……違いましたね。

「でも、みんなで決めたことよ」

 けっ、と私は思い再度「しない」 と言いました。AさんはBさんのよくない点を指摘します。でも私はAさんもBさんも本当に接点がないので話をされても困る。ゴウを煮やしたのかAさんは叫びました。

「もうちょっと話の分かる人だと思っていたわ。あんたのことも無視するよ? それでもいいのね?」

 私はボッチ平気、恥ずかしとも思わぬ、だから「平気」 と言うと電話が切れました。私は小学校の時からこういうことには慣れています。知らぬ間に悪者にされたこともあります。

 大人になっても似たようなことがありました。ばかばかしい。普段接点がない私に向かって同調、同情、同じ態度を強制する人たちは一体他人の心をなんだと思っているのでしょう。


 以来争いに巻き込まれたときは、双方の意見を聞くようにしています。片方しか意見が聞けないときは距離を置く。それでいい。双方の意見は違うのは当たり前。感情的にこじれるとどうにもならない。特に冷静に話ができない相手は相手するだけ徒労に終わります。感情的になって怒る人も相手にしないことに限ります。これも実体験から断言できます。

 また当事者の立場になったときは、証拠をあげて客観的な態度で淡々と説明します。それがより面倒な事に巻き込まれにくくなると信じています。相手が全面に悪い場合であってもです。とかく冷静に行動することが大事かな。

 正義は勝つというのはそんなの建て前ですよ。やられっぱなしで終わらせるのは自分の人生なのにそれでよいのか、と最近思うようになりました。そう、小中学校のようなやられっぱなしの自分はもうイヤなんです。今でも恨みは消えない。だからこそ私は人を理不尽なことでいじめたりはしない。そして自分の感情に沿わない理不尽なこともこれ以上起きないようにしたい。当たり前のことなのに、私はその当たり前がなかった。私の人生はもう残り少ないので今後は後悔しないようにしたい。理不尽なことでやられたと感じたら相手が誰あろうと合法的にやり返そうと決めています。

 



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