エピローグ
空が青いなあ。
私はずっと空を見ていた。なぜ見ていたかといえば、何をすればいいのかわからないからだ。ただ原っぱに寝そべっていた。
なんでここにいるんだろう。
それがわからない。
それ以前に。
私って誰だろう?
そんな疑問が浮かんだ。
すると、空に奇妙なものが浮かんだ。とりあえず数字が羅列されている部分は省かせてもらう。
ユー・キハラ LV2
経験値:15
職業:無職
特殊能力:等価交換++、技術吸収+、過去の水鏡、ステータスチェック、幸運付与、魔術消去……
なんだこれ? わけがわからない。他にいくつかあるけどどちらにしても意味が分からない。
私は起き上がると、近くの川に向かった。
喉が渇いて仕方ない。お酒呑みたいけど、ないものをねだっていてもしかたない。
「この水飲めるかな?」
不安になって覗き込んでみる。
すると、水面がぼんやりと光ってまた奇妙なものが見えた。
なんだか感動の対面をしている人たちがいる、泣いて抱き合っている。
それとは別に悔しそうに歯がみしている人もいた。白い服を着たおっさんがぐるぐる巻きにされて転がされていた。
誰かを探している人もいた。必死の形相でずっと声を張り上げている。
なんだかよくわからない。
でも、私は、なぜだか安心してしまった。
さてと……。
私は水を飲むのを諦める。
ここは高台にあるらしく見下ろすと街が見えた。
お金はない。私は無職。
うん、すごく寂しい。悲しい。腰痛い。お酒呑みたい。
お水の一杯くらいは誰か飲ませてくれるだろう。
そんでもって、日雇いでもいい。お仕事探そう。人間働かなくては生きていけない。
私は乾いた喉を潤すため、足早に街へと向かった。




