はじめに 2023
はじめに
2020年には 25個
2021年には 22個
2022年には 10個
ぽんぽん書いていた短編ですが、昨年あまりたくさん書けなかったんです。
今年はいくつ書けるかなぁ。
去年は長編も思うように書けなかったんですね。
心理的には重く、そして、物理的に忙しい一年だったなぁ。
そんなこんなで1月には作ってなかったこの本です。
ぽこりと久々に勝手に場面が浮かび上がりました。それはこの人、秀さん。
そして、春菜ちゃん。久々にフォンテーヌのみんなに笑わせてもらおうかなと表紙の写真を選びました。
息子と一緒に空を飛んだ。3年ぶりの飛行機からの写真を選んだ。息子が撮ったんですね。これ。
これを見てると元気が沸きます。
本当に辛いことのあったここ数年だったなぁ。コロナだけじゃなくてね。
自分の作品は今まで、どちらかといえば私の過去に起こって消化しきれていなかった出来事を糧に生まれたものが多いように思います。不思議ですね。そんな昔の取り残してきた遺物のようなものについてせっせと書き続けるうちに、その作品から風のようなものが吹いて、追い風ですね。私を今、走らせているような気がするんです。
書くというものは不思議なもので、うまくいってないから一心不乱に書くという側面を持っていて、自分にとっての書くという行為はジャングルのような悩みの密林から抜け出すための行為でもあります。しかし、そこから少し出てきてみると、動機を失うものでもあるかもしれません。そりゃ、悩んでグチャクチャになっていれば人は無我夢中なものですから。
次は何を書けばいいのだろう?
書き終わった後にいつも思うことで、いつも困っている気がします。
そして、その糧にする出来事というものが徐々に最近のものになってくるのかなと。
過去から少しずつ現代に向かって、自分が疑問に思い、怒りを覚えているものに向かって、筆は向かうのかもしれません。
こんなもの書いたって何にもならんなぁと本当に普通にそう感じる自分もいるのですけれどね。
誰も読まない、誰にも響かない、何にもならない、何かもっと違うものだよ。認められるものというのはさ。
そう囁く声は、あれに似ているなぁ。
ブッダが苦行をやめて、沙羅双樹の木の下に座ってただ静かに黙想を始めた時、ありとあらゆる煩悩だったかな?あれが挫折させようとして入れ替わり立ち替わり現れるのです。全てを退けてブッダは大悟した。
そんなすごい人に自分をなぞらえるなよ、恐れ多いやつだな、私というやつは。
夢のようなものというか、目標と言いますか、そういうものを持ってしまったから、何もせずにサボっている自分がいると、さぁ立てと喚き立てる人がいる。一体何が自分を損なうもので、何が自分を高みへと連れ立ってくれるものなのか、本当にわからないんです。
今日も静かに私はいっちゃっているというか、狂ってるなぁと思う。
そして、そんなことは本当はどうでもいいんです。
子供の頃から物語が好きだった。ありとあらゆる物語に触れては、いつの日か自分の手で面白いものを書きたいと思った。憧れたり、夢を見たり、試しに書いてみたり、そして、落ち込んだり、今日もそんな風に生きています。
でも、やめてはダメなのだと思う。今年も五里霧中です。未来は見えない。
未来は見えないと書く時、いつも浮かび上がる絵があるんです。真っ暗な中に灯を一つ抱えて歩いてゆく自分の姿です。
人生とはそういうものではないでしょうか。
未来は見えない。人はいつだってそのことに畏れを感じているのです。
手塚治のブッダを読んだ時、幼少時のブッダはいつも死を恐れているのです。死んだらどうなるのかが怖い。そのことで悩み、そして、どうすれば死を恐れずに済むのか、それが彼の思索の開始だった。それが人間の自然な姿だなと思いました。
人は死を恐れる。そして、見えない未来をあれこれ思い描いては恐れるものです。
自分の中にあれやこれや言葉にされていないまとまった大量なガラクタがある。書くことはガラクタの山と山の間で永遠に近いような途方もない取捨選択を続ける作業のような気さえする。そこに本当に宝物なんてあるのでしょうか?
私の心の中に本当に、かつて自分を心から感動させた名作たちが持つような輝くものが眠っている?
この大量なガラクタたちの中に?
あると信じて続けるしかない。探し物を見つけるために、大量の文字を吐き出し続けるしかない。きっとそうなんでしょう。
でも、自分が気にしてることはね、実は自分のことではない。
こんなにたくさんの量の字を吐き出して、それを読む人が気の毒だなと思っていたりして。
書くのはね、別にいいんですよ。そこまで苦でもないのです。
つまらないところは読み飛ばして、お気に入りのところだけをピックアップしてくださいましたら。
本年もまたお付き合いいただけましたら幸いでございます。
汪海妹
2023.02.04
中国の自宅より




