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『説人の怪談』—着いて来た音—  作者: 説人


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3/3

 ◆交代◇

※作者が生成AIで作成した本作のイメージ画像です。

挿絵(By みてみん)

 ◆交代◇


 部屋に戻り、用を足しながら音の正体を考える。

 布団に戻る途中で冷蔵庫から水を取り出して一口ラッパ飲みをした。


 窓が視界に入るが——しばらく布団の中で考えていると、いつの間にか眠りについていた。


 翌日、上司にその話をすると、笑いを堪えながら真面目顔を必死に作っていた。

 怪談じみた話をまともに受けとめる大人はいない。

「違和感ねぇ……休憩室のポットの横に味塩があったぞ。魔除けに持って帰るか?」


 やはり話さない方が良かったのか……。

 気が紛れることはなく、余計に気になってきた。


 その夜、夕飯の準備をしていると、調味料の小瓶が置いてある場所が記憶と違った。


 勘違いだろうか……。


 夕食を済ませた。玄関が気になる。翌日の準備を済ませ、布団へ入る。


 うとうとしていると、また玄関で音が鳴った。


 『コツン』——。


 『それ、前のマンションからお前に憑いて来てるんだよ』

 上司の言葉が頭をよぎる。


 前のマンションで何か人の恨みを買うことでもしただろうか……記憶を探っても何も思いつかない。


 『コツン』——はっきりと玄関に小石のような物がぶつかる音が聴こえた。


 それは二度、三度と続いた。

 まるで玄関に呼び寄せているように思えてきた。


 ゆっくりと布団から出て、玄関へ向かった。

 扉の向こうに誰かがいることを想定し、音を立てないように静かに玄関口まで移動した。


 ネットで読んだホラー小説のシーンを思い出しながら、恐る恐るドアスコープを覗いた。


 そこには、見知らぬ誰かが、うつむいて立ち尽くしていた。

 そして、ゆっくりと人差し指を伸ばし、指先で扉をつついた。


 『コツン』——。


「だ、誰ですか?……何か用ですか?」


 そこに立った誰かは、顔を上げ、にこりと微笑んでこう言った。


「やっと、交代できた」


 『コトン』という音がした。


 音がした方へとっさに視線がいった。

 小瓶が倒れている。

 すぐにドアスコープに目を戻したが、そこにはもう誰もいなくなっていた。


 瞬きをして外を見直すと、赤い何かが見切れた。


 そのままドアスコープから目を離すと、玄関の外に立っていた。


 これは夢だろうか——誰の家かも分からない。


  訳も分からずに、目の前の扉を指先でつついた。


 どこかの玄関で『コツン』という音が鳴った……。


 ——《了》

 本作はこれにて完結です。余談ですが、本作の着想となった玄関扉に小石が当たる音は今も続いています。主に深夜に聴こえることが多い。本当になんの音なんだろうと思います……なんて書いていたら、また『コツン』と音がしました。『ここを開けろ』という意味ですかね?……まさか、内側から鳴っていて、『それ』はずっと部屋の中にいたとか?……あれこれ考えて、ひとりでゾッとしてしまいました。


 短い怪談でしたが、最後までお読みいただき、ありがとうございました。


お時間があれば、ダメ出し、良かったところなどをお寄せください。

感想、評価、心よりお待ちしております。


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