新しい世界についてはなそう!
労いの言葉を貰った俺は、その場で特別休暇を貰った。
「今日はこれで失礼します。少将は一日酒でも飲むのですか?」
「まーな。あ、ちょっといいか?」
少将は非番のため今日は一日飲み続ける予定だそう。
「ですが、おれも疲れて、、」
「黙ってこい!」
俺はエリゼ少将からの御誘いで、邸宅に招かれ夕食会に付き合うことになった。
参加者は俺だけ、、、。
夕方、手配された馬車に乗りエリゼ邸へむかった。邸宅の庭は広く、芝生は青くよく手入れされている。
「芝生!手入れがよく行き届いてますね!」
「ありがとうございます、私の担当でして」
上野の国立西洋美術館みたいな建物だな。
(吹き抜け天井、、、凄いな。貴族並みの屋敷だ。)
少将はチェスが好きなのだろうか、室内の手すりの端々に凝った大理石の彫刻が施されている。
(おお、これは東方の海を越えて来たという陶芸品じゃないか!?)
客室の骨董品を眺めていると、ようやく執事が入室、二階の会場に誘導された。俺は夕食会と言うことで背広を来てきたが、少将は純白の第一種礼装か。
「ふむ、よく来てくれた我が軍師よ。では食事を始めようか」リリリン
ベルの音がホールに響き、夕食会が始まった。着席後、前菜、主菜、メインの肉と魚が一定のテンポで運ばれてくる。旬の素材を生かしたメニューに感動していると、少将が口を開く。
「口にあったようでなによりだ。では、我が軍師よあれらの兵器について聞きたいのだが」
「はい。では、説明しますね。」
俺は今回使った新兵器鉄砲について説明した。この兵器の数は戦に多きな影響をもたらすこと。これから火薬の大量生産と鍛冶師による鉄砲の量産をすることを説明した。
エリゼ少将は終始面白いおもちゃを得た子供のように目を輝かせて話を聞いていた。
締めのデザートとコーヒーが運ばれてきた頃、少将は再度ベルを鳴らし、部屋にいる従者を全て退出させ、今後の方針についてを話し始めた。
「説明ありがとう。明日から新兵器の増産を始めたまえ!そして今日から一週間以内に素晴らしい事が起こるぞ!」
「素晴らしいことですか??」
エリゼ少将が何かを企んでいるときの笑顔をした。
「ああ、詳細は明明後日頃の新聞を見ればわかるよ。今日は夕食会に喜んできてくれてありがとう。楽しかったよ」
(喜んできて、、、半ば強引の間違いでは)
「では今日はこれで失礼する。ありがとな」
こうして、夕食会は終了。
俺は家に帰宅した。
二日後、号外を読みエリゼ少将の計画の歯車が回り始めたことを知った。
「号外だよー!」
「首相が毒殺された?!」
作戦立案科と魔道歩兵科の統合に最後まで反対し、予算削減を訴えたカール首相が毒殺された。
「号外!今度は貴族が相次いで行方不明!」
首相暗殺の2日後から戦争反対、エルフや精霊の国に従属すべきだと主張する過激左派の貴族たちが相次いで行方不明に。
こうしてエリゼ邸で夕食会が行われて一週間の内に12名の要人が次々と暗殺、失踪した。
これにマリーナ国王陛下は戒厳令を発動し王都を閉鎖、治安維持のため男女の性別を問わず国の治安を護る新部隊の発足と拡充を命令する、、か。
(本当に一週間で方がつくのか)
新聞を置き、コーヒーを啜る。
「新しい世界が、歴史がはじまったのかもな。」
戒厳令が敷かれ、月一で行われる最高軍事会議が週三回となった。エリゼ少将は三日連続で出席し、俺はそこから開示された情報に目を通した。
1. エルゼ国の情勢不安は瞬く間に諸外国にも知れ渡ったこと。
2. 北のドワーフの国は中立、南の精霊の国は様子見。
だが、西のエルフたちの国は違った。昨年の記録的な小麦や大豆の凶作で領民からは不満が続出。
(なるほど、エルフたちは今すぐにでも食料資源の略奪を目的とした侵略戦争の機会を伺っていると)
「エリゼ少将、これは戦争になりますね。」
「ああ、これを見ろ」
先のオーデル川の戦闘で4000人ものエルフが死亡、人類への報復を掲げる軍事侵攻賛成派の勢いが増している。
(そして、今朝届いた密偵から直で手渡された情報は、、)
"至急、エルフたちは兵を招集中。規模は約10万。進行は二ヶ月以内。現在敵の先遣隊2000の出発を確認"
「マジかよ。」




