77話 武器は飯!
『――条件を達成しました。第2区画が解放されます。第1区画にてクリエイト機能が使用可能になりました』
結局それから30分掛からないくらいの時間で条件は達成。
肉も十分すぎるくらい集まって、その効果もエナを見る限り想像以上。
残すところは安全に帰るだけ。
家に着くまでが遠足、じゃなくて家に着くまでが探索ってこと。
「さて……。その、そろそろ十分な量になったから帰り――」
「あなたたち! もう餌はないの!餌はっ!山のような肉を見せびらかしてやるのよ!それでもってマウンティング! 今度は私が、私たちが上からものを言ってやるんだから!スキルスクロール作り?いくらなんでもそっちに人員割きすぎでしょうが!」
エナのやつ、本音漏れまくってるな。
確かにあの人数がいて戦闘できるのが2人だけなのか甚だ疑問だったし、食事制限の辛さは俺もよーく分かる。
だけどそろそろイセとあーちゃんがうんざり顔だからな。
なんとか落ち着かせてやらないと。
あ、でも自分の食料とられてしょげてるイキリ爺に関してはもっとやってくれても構わないかも。
「ってそんな冗談は後にして……。なぁ、エナは集落の人たちにざまぁしたいのか?」
「ざまぁ? ざまぁみろってこと? ……そそるわね。物凄く。ただずっと苦しめようとまでは思わないけど」
「なるほどね。でもさ、今のままだとちょっと難しくないか? あいつら思った以上にグルメだし、料理人っていう強い交換条件も持ってるし、そもそもエナにこの食料をどうこうできる権利がないし」
「それは……。そうね」
「しかも勝手に食べちゃってさぁ……。いくら我慢してたからってこれじゃあ『私が頑張ってとってきたのよ!』って最悪威張るのも嫌悪感じゃないか?」
「それは、その……。ごめんなさい。でも今まで私が頑張ってる間、あの人たちはパクパクパクパク……。分かるでしょ、その辛さ……。って私、敬語を……」
「ふぅ……。興奮してたんだから口調ぐらいいいって。俺ももうこんなだしさ」
いい感じに冷静になってくれた。
それどころかこの流れ……ワンチャンスあるな。
まずは1人こっちに引き込む。
「そうよね。もう一緒に戦った仲間だものね」
「仲間……。なぁ、そんなにざまぁしたいならさ、テイムされないか?それなら権利がうんねかんぬんなんて関係ないし」
「……。それは、嫌。集落もそうだけど、やっぱり縛られるのは嫌い。それに私たちはモンスターだけどモンスターじゃない、人間だけど人間じゃない。ドラゴニュートっていう亜人種族にプライドがある。だからテイムは嫌。まぁ、あなたの戦っているところ……どうやらあなたは私たちと近い存在みたいだけど」
……。
ドSだもんな、そりゃある程度プライドが高いのは想像してたし、ドラゴニュートなんていかにもな種族が簡単に折れてくれるとも思わない。
なら、そのための武器だ。
テイムできるまでに引き込む強い武器を作ってやる必要がある。
俺がここで作ってやれる武器、つまりは飯。
グルメなあいつらの舌を唸らせて、交換条件成立しないって思わせるほどで、プライドなんてものも関係なくなるそんな食ったら飛ぶような飯が必要。
……スープみたいな脂ととろけすぎない肉質。
これであれを作れば全員飯落ちする、はず。
店頭販売のこともあるし、ここでそれを試せれば一石二鳥。
ただ、そんなムズい料理がここではできないか。
「……まてよ。そういえば新しいスキル取得してたっけ。でも、今までと違って発動の仕方がよく分からな――」
『スキル身体調理は必要な食材を抱き抱えることで思い描いた料理へと姿を変えさせることができます。ただし、通常の料理と比べ簡素なものが完成する可能性が高いです』
食い気味に流れたアナウンス。
ともかくそんなことでいいなら早速やってみるか。
肉とコム粉と塩こしょう等々……。
「『身体調理』発動」
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