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7.
最悪の未来を想像をしてしまい眠れなかった。
日が昇る様子をボーッと眺める。
無人の街を朝日が照らす。空気だけは澄んでいる。近くに落ちていた壁掛けの時計を見て時間を確認する。
仲間が居なくなってからそんなに時間は経っていないが、俺の精神はだいぶやられている。昨日のナナちゃんごっこの時のようなテンションではなく沈みきって無気力な状態だ。
「朝飯…食うか…」
腹の音を聞きそう呟く。
正直、全然食べたくない。ただ、腹が減っていると体がサインを出しているから食べる、それだけだ。
少し湿気ったパンを噛りモソモソと食べる。
ステイックパンと呼ばれるチョコチップが入った棒状のパンだ。
気付けば一袋食べていた。
案外腹が減ってたんだな、と少し他人事のような感覚で考える。
「今日も一日、頑張って探しますか…」
自分に少し気合いを入れるために言葉に出す。
少しだけやる気が溢れた気がした。




