8.
独り朝飯を食べ、気合いを入れているとショウジさんが起きてきた。
「おはようさん。朝、早いんだな…」
欠伸を噛み殺しながら話しかけてくる。
この問いに馬鹿真面目に寝れてないと答える程、阿呆ではないので取り敢えず繕う。
「気が急いているので早く起きただけですよ」
「ああ、友達を探してるんだったな…。すまん、変な空気にしちまった」
俺は、思ったよりも感情が乗ってしまった言葉に驚く。ショウジさんが気を遣って謝っているが俺としては気にしているどころかむしろ謝りたいくらいだ。
情緒不安定に拍車が掛かっている気がする。
そこから、少し気まずい雰囲気の中、ショウジさんが朝飯を食べ今日の捜索についての話になった。
「ショウジさん、すみません。今日の捜索は個別で行動しませんか…?」
「あー、そうだな。俺としてもそれで異論はないな」
少し考える素振りを見せたが、俺に気を遣ってくれたようで、良いと言ってくれた。
「ひとつ俺から提案良いか?」
「はい」
「個別探索でOKなんだが、出来るだけ離れすぎずに行動するってのはどうだ?」
「なるほど?」
「あー、つまりだな。これ見てくれ」
そう言ったショウジさんは、防犯用のホイッスルを見せてきた。
「これを鳴らして聴こえる範囲にいて欲しいってことだ。俺も命は大事だからな」
なるほど、それならショウジさんは黒い手から守られるし、俺の提案も組み込める折衷案になっているってことか。
「はい、構いません」
淡泊な反応を返す俺に、少し面食らった様子のショウジさんだが、提案は了承されたと分かっているため特に何も言ってこない。
「じゃあ、行動開始と行こう」
立ち上がり防寒着を着て建物を出る。
ショウジさんは右に、俺は左に。
人一人居ない街を歩く。




