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それでも、生きていた  作者: sinnemina
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第4−14話

店を出ると、朝日が少し昇り始めて眩しかった。

もう、朝か。丁度よかった、朝になるまで外で待っていようかと思っていたからな。最後に一度だけ振り返り、店を見上げ

「…お世話になりました。」と呟いた。


…さて、旅立つ前に挨拶をしておきたい人達がいるから順番に回ろう。初めはサイさんのとこから行こうかな。サイさんのとこは早朝でも営業してるから大丈夫だろう。

少し歩くと、遠目でサイさんが見えてきた。さすがに早過ぎたのか、品出しを一生懸命している姿が映った。僕は近くまで行くと挨拶をした。


アキラ「おはようございます、サイさん。」


サイさんは声の主を確かめる為に一度振り向いた後、(なんだ、アキラか…。)みたいな顔をして前に向き直ったところで、もう一度、今度は素早く振り返った。


サイ「は?お前、声が出なくなったんじゃないのか?」

サイさんが珍しく、面食らった顔をしている。


アキラ「昨日治りました。それと、その他諸々の報告も兼ねて来ました。」


サイ「そうか、よかったな。で、今日はどのくらい買っていくんだ?」


アキラ「いえ、今日は買い出しではないです。その件も合わせての話で。」


サイ「ん、何だ?すまんが品出ししながら聞いていいか?」


アキラ「あ、僕も手伝います!」

僕も作業を手伝いながら話した。声を取り戻した経緯、ルーガさんのとこから出て行く件、そして、あの事件とその時の僕がとった行動を。(異世界から来た件と思念体の賭けの件は伏せておいた。)


僕の話と作業が粗方終わると、サイさんが野菜の入った重い籠をドスッとテーブルに置いて、木箱に腰を下ろした。


サイ「…そうか。そういう事だったんだな。」

サイさんはフー、とため息をついて下を向く。そのままの状態で動かないサイさんが不思議だったので、聞いてみた。


アキラ「僕を殴らないのですか?」


サイ「殴る気分じゃねえよ。それに、もう既に殴ったしな。」


アキラ「…いえ、当然の報いです。」


サイ「いいよ、もう。それにな、俺達がクヨクヨしてたって、あいつらは生き返らないんだよ。」


サイ「あいつらも俺達に笑って欲しいと思ってるはずさ。」

サイさんの言葉に僕は何も言えずにいると、


サイ「今度、一緒にあいつらの墓参りにでも行くか。」


アキラ「…いえ、僕はこれから旅に出ますので。」


サイ「ああ。だからよ、お前の旅が終わったら行くぞ。」

この人は僕を赦してくれるのか、友を見捨てた男を、そして、そんな僕の帰りを待ってくれるというのか。

これ以上、ここにいると涙が零れそうだったので、目頭を擦り、別れを告げた。


アキラ「ありがとうございました!お元気で。」


サイ「おう、またな!」

僕は回れ右をし、少し早足で歩き出した。5分程歩き、サイさんの店が見えなくなるまで来た所で泣いてしまった。

それにしても泣いてばかりだな、いつまで経っても成長しないな、僕は…。


落ち着いてきたところで、次の目的地へと向かった。次は神父のジオディさんに挨拶しようと思うので、教会へと向かった。まだ朝早いかもしれないが、大丈夫そうなら伺ってみるか。ダメなら当初の予定通り待とう。

教会に着くと換気目的なのか?入口の扉が全開のままになって、抑えがしてある。僕は開きっぱなしの入口から入ると、「ごめんください。」と言ってみる。

聞こえてないのか?何の反応も無いので、奥の扉まで行き、コンコンコン、と扉をノックする。ガチャと扉を開け、もう一度「ごめんください。」と言いながら入る。中に入ると、部屋の中央で箒を持っているタシスさんがいた。タシスさんは僕に気付くとニッコリと微笑んでくれた。


タシス「あら、アキラさん。今日はどうされました?神父様なら外しておりますが。」

僕にニコニコと語りかけてくれた。

何でだろう。何故だか分からないが、分かってしまった。唐突に!頭の中が整理出来ないし、理由とかもサッパリ分からない。だけど、違和感が! 僕の勘が言ってるのか?だが、これだけは分かる気がする。


アキラ「あなたが殺したのか?」


タシスさんは今までの爽やかな微笑みから妖艶に顔が変化していき、



タシス「あら?何で分かったの?」


とても嬉しそうに笑った。

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