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帝国再興記~Gartschlands Gloria~  作者: 陸海 空
第1章:たった1つの冷たいやり方
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第六幕-10

 3日後の日が落ちたばかりの夜、カイムはギラとアロイス、ブリギッテを連れてデルン南側のスラム入り口に現れた。

 カイムは真っ黒い4つポケットのジャケットに白いシャツ、黒いネクタイを着ていた。開襟のジャケットには黒地に白の柏葉が3枚とそれを囲む模様が刺繍されてた階級章を付け、右肩には銀の編み込みに胸と同じ柏葉が付いた肩章を付けていた。更には、右肩からサム・ブラウン・ベルトが腰のベルトまで延びていたのだった。

 ギラの野戦服と形こそ似ている部分も有ったが色や様々な点が異なっており、見た目からカイムが上位であることを示していた。彼の隣に立つブリギッテも同様の格好をしていたが、装飾がより質素であり階級章が大きな柏葉が1枚付いている物であった。

 カイムとブリギッテの後ろに立つギラとアロイスは、普段と同じ野戦服ではあったが彼等の襟と両肩には二等兵の階級章が付いていた。その2人にも見てわかる違いが有り、ギラには腰のベルトの左右には箱が3つ繋がった様な物を付けており、ベルトで固定したサスペンダーの革の紐を背中から前の箱に繋げていた。余分に左右2本下げている紐もベルトの隙間にいれている。

 何よりも異なる点は、ギラは右足を庇うように右手に持っている木と鉄で出来た杖の様なものを突いていた。

 最もギラとアロイスの最も似ている点といえば頭に被るヘルメットであり、シュタールヘルムに角を収める為の突起がある独特な形の鉄製のヘルメットであった。


「いつの間にかこんな野蛮な計画を立てたんですか?脅迫までしたそうですし…これは言い換えれば…」


「これは必要な事です、ブリギッテ親衛隊大佐。奴等が我々親衛隊に害を成すならいずれ戦っていたはず。それとも、大佐殿はあの寄生虫どもの味方をするので?」


「ギラ親衛隊二等兵、止めたまえよ。相手は上官だ敬え」


 ブリギッテはこれまで持ってきたバスターソードから変えた細身の軍用サーベルに変えた事で慣れないのか、鞘を撫でながら隣のカイムに小声で文句を言った。彼女の露骨な私怨のこもった声に、カイムは渋い顔をすると被っていた士官用の制帽の隙間に指を入れ頭を黙って掻くのだった。

 そんな二人のやり取りに不満の表情を浮かべたギラは、カイムを睨むブリギッテに対して挑発混じりの質問を投げ掛けるのだった。その言葉に、ブリギッテはただ沈黙で首筋に刺さる視線を黙殺したのだった。

 露骨な敵意をブリギッテに向けるギラに対して、隣のアロイスがギラを右肘で小突くと彼女に叱責するのだった。


「整列!」


 一連の流れをただ黙って見ていたカイムは、仲間内で険悪になってゆく空気に頭を抱えた。するとら(?)休めの姿勢を取っているギラとアロイスに対して気を付けの号令をかけたのだった。

 すると2人はだらけさせていた左足を右足に揃え姿勢を正した。後ろの二人を見たブリギッテも、最初こそカイムの号令を無視していたが一旦周りを見回すと姿勢を正した。


「作戦行動中である。もうすぐ奴等が来る。気を引き締めろ」


 カイムのがその場の全員に言った数分後、数人の護衛と営業部長を連れた商業組合組長がやって来たのだった。


「いやいや、お待たせして申し訳ない。うちの組織は自由に楽しくが基本でして。それではご案内します」


 余裕に溢れる態度で組長が直々に前へ出てカイムにそう言うと、彼はカイム達を先導して歩き出した。

 その露骨に偉ぶった態度にカイムは不快な視線を向けたが、何とか堪えると同行者全員に着いていくよう手招きしたのだった。

 商業組合が先導し本部の建物まで歩いている間、組長は商業組合の歴史や構成、最終的には自分が如何に成り上がったのかまでをカイム達に演技がかって話し始めた。その話はただ長く、聞かされるカイムやギラは苦い表情を浮かべながら耐え、ブリギッテは貴族や騎士の社会で培った受け流すスキルを存分に活かすのだった。


「南のスラムもこれだけの浮浪者がいるんですか?」


「まぁ、環境的にはこっちの方が良いでしょうからねぇ。でも何だか前より多いような気もしますけどね」


 話す組長が熱を冷ますように少し黙ると、それに割り込むようにブリギッテか組長に質問をした。組長は気さくに答えたが、質問をしたブリギッテに振り返った彼が疲れた表情を浮かべるカイムとギラの表情を見ると、口をへの字に曲げて前を見るのだった。

 それからはずっと組長も黙り、カイム達は十数分の間沈黙と共に歩き続けて組合本部に着いたのだった。

 建物は煉瓦造りのいわゆる洋風建築てあり、周辺には警護の男とボロ布の浮浪者が多くいた。その比率的には浮浪者が圧倒していたが、春も近づく季節でも夜はまだ冷えるのか彼等は体を出来る限り布で隠そうとしていた。

 カイム達の誘導された本部は3階建であり、十字路の角にあった。その建物の1つしかない入り口の前でカイム達が入ろうとすると、警備の男達の屈強な腕がそれを止めたのだった。


「申し訳ないカイムリヒトホーフェン殿。武器などの持ち物はここで置いていって貰いたい。それとお1人で…」


「私は護衛ですので同行させて頂きます」


ナイフ(メッサー)くらいしか持ってないが、身体検査もしますか?」


 組長の丁寧ながらも見下すような口調の言葉に対して、いつの間にかカイムの隣にいたギラが過剰に敵意の見える言い方で反応するのだった。その露骨な彼女の態度に焦ったカイムは、一瞬だけ睨み合う二人の間に割って入ると気の抜けた言い方で確認を取った。

 そのまま流れでカイムはブーツの中のナイフを取り出しアロイスに渡すと、さらに彼は左手でギラの庇っている右足からナイフを鞘ごと抜いてブリギッテに渡したのだった。


「私は閣下の秘書も兼任しています。それとも、杖をつく女1人が怖いので?」


「まぁ、良いでしょう!こんな鉄の帽子を被っただけの、足の悪い小娘1人くらいなら」


 カイムがギラのブーツからナイフを引き抜いた行動を訝しく見た組長だったが、彼女の挑発が警護の男達の怒りに触れると彼は屈強な男達を片手を上げて抑えたのだった。

 ギラの棘のある皮肉に対して、組長はなるべく尊大な態度を取ろうと大仰な身振りをして彼女へ言い返したのだった。その言い終わる直前に彼はカイム達を睨んだが、本人達が全く気にしていない事に気付くと諦めてカイムとギラを手招きしたのだった。

 カイムとギラの2人は組長と数人の護衛に囲まれながら組合1階に入った。建物1階は窓口が6つと作業のスペースから成っていたが、終業後であり殆どの職員が仕事をしておらず思い思いに過ごしていた。その1階の右横には2階へと続く階段があり、その角度は急な造りとなっていた。

 組長や数人の護衛が手すりを掴んでその階段を登っていたが、カイムは至って普通に登ろうとしたギラの肩を掴むと、手すりを掴もうとした左手を何故かポケットへと入れながら彼女に肩を貸して登った。

 商業組合本部2階には、会社のオフィスの様に机が1人1つ分づつ並んでいた。だが既に席にいる者は数人しかおらず、更には働かずに集団で集まってトランプをする始末であった。

 その2階のさらに上である3階に上がると、そこは今までの階と異なりながい廊下の部屋への扉が3つ程有った。

 その廊下で先頭を歩む組合の手招きすると、カイムとギラは1番手前の部屋に通されたのだった。


「お待ちしておりました。皇女の英雄殿」


「ようこそ、商業組合本部へ」


「幹部の皆で歓迎いたしますよ」


 通された会議室の中にはカイムの聞いていた通り護衛は扉の前の2人だけで、残りは幹部全員と銀の首輪の少女がいるのみだった。

 幹部達からの挨拶を受ける中、カイムの見渡す彼等への視線の中に聞いてない状況が1つだけあった。


「失礼ですが、その方は?」


「あぁ、たまたまついさっき公…とある方への報告のために来た密偵さんだよ。ついでに同席して貰ったんだ」


 気まずそうにする営業部長へと尋ねたつもりのカイムだったが、彼の言葉を聞いた組長は嬉しそうに答えた。だが、一瞬言葉に詰まらすと言い方を変えて冷静に説明したのだった。

 カイムから見て部屋の左側に立つ人物は、黒いローブ付きコートと白い仮面を着けていた。その背格好や雰囲気から男と理解したカイムは、その仮面の男に出来る限り警戒しようとした。

 ギラは顔を動かさず目だけで軽くカイムを不安げに見たが、彼は目立った反応せずに安心させるように彼女のヘルメットを軽く叩くと、促された席に座った。

 カイムが席につくと、彼は左手を肘おきに置いて右手で机を軽く2回叩いた。それを見たギラは重々しい空気を出しながら改めて姿勢を正したのだった。


「それで、呼びつけて話し合いという事ですが、何を話すので?」


「君は、少し態度が成ってないんじゃないかい?本来なら君達は、私達に叩き潰されてる所だったんだよ?」


「だとしたら、何故?」


「さる高貴な御方の…」


「組長、先程公爵と言いかけていました」


 至って普通に発言したつもりのカイムだったが、不満げな組長は手を組んで机に肘をつくと、彼を尊大に睨み付けて言った。

 そんな組長の態度に苛立ちを覚えるカイムもそれを必死に抑えると、ただ淡々と彼に疑問を投げかけた。その疑問に格好を付けて答えようとした組長だったが、銀の首輪の少女から指摘が入ると彼は眉の無い眉間にシワを寄せた。出鼻を挫かれた組長だったが、少女を一瞥すると飽くまで平静を保ったのだった。


「そうだとも、公爵殿だ。名前は言えないが君を評価している様でな。そこで、私達は君を勧誘したい訳だ」


 オペラの俳優の様な動きで両手を広げた組長はそう言うと、会議机の反対側のカイムへ机の上を滑らすように書類を投げた。その書類は彼の前で上下を逆にして止まったのだった。


「細かい業務内容は言えないが、その契約を承諾すれば全て教えよう!」


「ここは自由気ままで良いぞ!仕事は楽だし収入もいい!」


 カイムは書類を軽く眺めたが、直ぐに視線を組長に戻した。その反応に不満だったのか、組長は更に演技がかった言葉を続けた。その言葉に続くように人事部長と書かれた札の席にいたオーガが大きい声で仕事のいい点を宣伝すると、それを切っ掛けに堰を切ったように幹部全員が一斉に組織の良い点についで話始めたのだった。


「つまり、その公爵殿に仕えて帝国支配を手伝えと」


 騒がしくなった会議室の中で、カイムが唐突に口を開くと、その内容を前に幹部全員が口をつぐんだ。


「私も世情に疎い時も有りましたが、今はそれ程でもありません。皇女と一部貴族の関係が悪化してるのも、その小飼いの連中が民衆を苦しめてるのも」


「何を言っているのか解らないな?」


「私は良い人間じゃない。だが、誰かを苦しめて得る幸福は受け入れ難いな。私は一応この国でかなり強いらしいし、体制に与すればきっと一生独房だ。欲しいものは基本自分の自由だけ…なら!」


 沈黙の中で、カイムはただ組合幹部全員を非難するように発言を始めた。その口調は先程までの淡々としたものとは異なり、ギラの様な敵意が見え隠れするものだった。

 そのカイムの発言に対して組長があくまで白を切ろうとする中、彼は話す最後の言葉を大声で言うと勢いよく立ち上がった。


「邪魔する奴等は全員で叩き潰す!ギラ自由発砲!」


 会議室に響き渡るようなカイムの大声による号令が出ると、ギラは杖として使っていた物の柄に見える部分を肩に当て、括れた部分を右手で握り長い木製部に左手を添えると真横に持ち直して構えた。怪我をしているように庇っていた右足をしっかりとした軸として立つと、ギラはその杖だった物の先端にある穴の空いた部分を離れた組長の眉間に向けたのだった。

 突然のギラの行動に幹部全員が驚いたが、銀の首輪の少女に公爵の間者が居るという絶対的優位な状況が彼等全員に余裕を生んだ。


「あなた達…わた…」


 何を考えているか解らない状態でありながらも、組長は呆れと余裕の混ざった口調を持って説得を試みようとした。

 だが、その声は部屋中に響きわたった炸裂音にてよって掻き消されたのだった。猛烈な耳鳴りを起こさせたその音に驚く商業組合幹部達は突然の出来事に呆然としていた。全員に言えることは、突然の爆音の後に眉間にアナを空け力なく椅子ごと後ろに倒れる組長の死体を前に恐怖した事だけだった。


「あっ…あっ…あぁぁあぁ!」


 組長の頭蓋を難無く貫通した弾丸は彼の後ろの窓までも割り、ギラの構えた小銃の銃口から漂う硝煙が更に彼等の恐怖を促進させた。耳鳴りが遠くなり、会計主任の絶叫で我に帰った護衛がカイムを取り押さえようとすると、会議室の止まった空気が動き出し混乱と暴力で渦巻き始めた。


「体術は少し覚えたんだよ!」


「うっ、うぉぁ!」


 カイムは後ろから迫る二人の護衛のうち、左側扉の護衛へ振り返った。男はオーガであり屈強な体付きでこそあれど、その動きはチンピラのケンカと変わらなかった。その動きを前に、カイムは慣れないながらも必死に覚えた体術の動きで何とか男を肘打ちで壁へと叩きつけたのだった。


「舐めるなよ、小僧が!」


「小僧じゃない、総統だ!」


 仲間がやられた事に激昂したもう1人の警護の男が怒声と共にカイムに飛びかかると、二人は取っ組み合いになった。お互いの襟や袖を掴む中、男はカイムへと拳を振り上げようとした。


「総統!援護しますよ!」


「ひっ、止めっ!がっ…」


「痛くても恨むなよ!」


 カイムが取っ組み合いを続ける中で、仮面の男へ牽制として小銃の銃口を向けていたギラは彼に声をかけた。その声に男が怯むと、カイムは右拳で男の顎を全力で殴りつけると悪態と共に窓の外へと吹き飛ばしたのだった。


「おい!おま…」


 ギラによって射殺された組長やカイムの肘打ちでぐったりと倒れる警護の男、カイムに殴られた事で警護の男が会議室に血を撒いた事で、人が死ぬ程の抗争に慣れていない幹部達は机の下や部屋の隅に逃げていた。

 その中でも会計主任は机の下に隠れると、わざわざ机のうえに顔を出して状況打開の為に銀の首輪の少女に命令を出そうとした。


「おっ…おまっ…お前!」


「ふふふ…」


 だが、会計主任は驚きに目を見張り言葉を失った。少女の首に巻かれた首輪は外れて床に落ちており、首輪で固定されていたマントとフードが宙を舞っていた。

 マントとフードの中から姿を表した少女は2つの目の他に額に6つの瞳と6つの腕を持ち、オレンジががった紫の髪をたなびかせるクモの特徴を持つ種族だった。その少女は部屋で慌てふためく幹部6人に狙いを付けると、その手に持つナイフを素早く投げつけた。

 マントが落ちて少女の笑い声が消える頃には、幹部全員と護衛が頭部や胸に銀色のナイフを生やし、部屋中を血で汚しながら倒れていたのだった。


「睨み合ってる中で横槍とは!」


「なっ、外した…」


 だが、その少女は主たる2つの目部屋の隅に向けてを見張った。彼女は幹部達だけでなく公爵の使いと言われた仮面の男にもナイフを投擲していた。だが、そのナイフは男がどこからか取り出した短剣で弾かれていたのだった。

 組合の幹部達から距離を取っていた白い仮面の男は、ギラとの睨み合いから不意打ちされた事に怒りの言葉を漏らすと、直線距離が一番近く狙いやすい位置に居たカイムではなく、組長や幹部の死体の山の向こうのクモの少女に迫ったのだった。

 クモの少女も仮面の男の行動に反応して床のマントからナイフを急いで数本取り出すと、すぐさま投げつけた。だが、そのナイフを走る足で蹴り上げた組長の死体で防ぐと、仮面の男は風のごとくクモの少女へと突っ込んで行った。


「後ろに引け!」


 男を殴りつけて顎を砕いた拳の感触に顔を歪めるカイムは、クモの少女に対して急いで指示を出した。その言葉に彼女は即座に後ろへ飛んだが、カイムからの牽制を察した男も同様に後ろへ跳んだのだった。

 逃げる仮面の男にカイムは左手手袋に隠した小さな投げナイフを無駄と解りながらも投げた。当然、仮面の男の動きには余裕が有り、軽々とナイフを避けたのだった。


「喰らえ!」


「うっ!」


 だが、仮面の男は視線の先には、自分に向けられたギラの小銃の銃口があった。彼はそれが何なのかはわかっていなかったが、組長の事が頭をよぎると、仮面の男は床に着いた片足で無理矢理にジャンプしたのだった。

 ギラは逃がさんとばかり叫びながら引き金を引いたが、まだ不慣れだったために引き金を引く時に狙いが右にそれた。だが、その発砲音に危機を察知した男が無理矢理に姿勢を変えて窓へと向かった事で、放たれた弾丸は仮面の男の右腹を少し裂いた。

 しかし仮面の男の跳躍の勢いは止まらず、見事に窓を割ると会議室から脱出して割り飛び降りたのだった。

 一番窓に近かったギラが急いで窓枠に向かうと、窓の下を覗く頃には男の姿は闇に消えていた。


「閣下、申し訳ありません!1人取り逃がしました!追います!」


「構わん!必死で逃げる奴は怖いものだ。どんな手でも使って生き残ろうとするのだからな。それより早く!」


 窓枠でギラは小銃のボルトを引きつつ次弾を込めながらカイムへ報告報告すると、彼女は部屋を飛び出し仮面の男を追撃しようとしていた。

 だが、カイムはギラを止めて扉の方を指差すと、クモの少女を手招きしながら腰の拳銃を取り出すと部屋の外を制圧しに行った。

 カイムを心配そうに見つめ、クモの少女を一瞬だけ不審の視線を向けたギラは割れた窓際で首から下げていた号笛を取り出して吹いた。夜闇に包まれたデルンの街に響くその甲高い音は、周辺に居る全ての者の耳に届き、彼女は外に向けてあらん限りの大声で叫んだのだった。


「商業組合の攻撃だ!親衛隊!鎮圧行動開始!」

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