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プロポーズ1回目 せめろ!気になるあの子にプロポーズ

いきおいで書いた。後悔はしている。

 そうだ、NPCと恋仲になればいいんだ。

 金太の脳回路は何故かそんな選択をした。


 とある有名企業が世界初のVRMMORPGを発表した。限定100人のテストプレイヤーのゲーム動画を流し、その視聴者数に応じたお金を貰える仕組みだ。


 そのゲームへ試しに応募した36歳の引きニート、丸出金太まるできんたは、強豪揃いのニート達の中から、ニート更正の試験プレイヤーに見事選ばれた。


 金太は商人を選び、トッププレイヤーになろうとするが、持ち前の逆コミュニケーションで失敗。

 なら方向性を変えて勝負だ。と考えた結果が『NPC達と恋仲になろう』であった。

 商人を選択したときもそうだが、金太株があれば、金を払って買ってもらうレベルの大暴落を引き起こす見事な舵取りである。


 そうと決まれば行動だけは速い。

 気になるあの子に突撃だ。

 金太は部屋を飛び出した。


 「あら?どうしたんですか、金太さん」


 彼女は商人ギルドの新米職員マーシャさんだ。金太の担当であり、当然気になるあの子である。


 金太は喋らない。いや喋れない。


 話術のスキルに全フリして、話術レベル9を手に入れた金太は喋ることができないのだ。


 話術レベル9といえば、三歳の幼児が大手企業のプレゼンで司会進行を任されるぐらいの英雄クラスだ。しかし、金太の完璧なディフェンスの前に、英雄はただ呆然と立ち尽くすしかできないのだ。凄いぞ、金太!


 「はい、金太さん。いつものボードを持って来ましたよ」


 金太は話術に全フリをした為に、会話は出来る?が読み書きはできない。そこでマーシャさんは『はい、いいえ、わからない』が書かれたボードで金太と意志疎通をする。リアルコックリさんである。


 しかし金太はマーシャさんを血走る目で見つめると、ぐっと手首を掴み外に連れ出す。金太は行動で表現する漢なのだ。


 「えっ?ちょっと待って下さい!金太さん!」


 手を繋いで町中を歩く男女、ただ気掛かりなのは女性は困り、抵抗しているように見えることだ。


 金太は目的地の教会に着いた。結婚を誓いあう場所で目と目で会話するつもりなのだ。


 教会の中に入り、二人は神父の前に立つ。目と目で伝えあう会話。信じられないことだが、それは成功した。マーシャと神父の間で。


 金太は捕まった。


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