ルーンの盾
ヴァルドリアの評議会室。テーブルの中央には、スキョルドゥルの使者が残した盾が置かれている。松明の光に照らされ、ルーン文字がかすかに輝いている。
エイドリアンは黙ってそれを見つめていた。
なぜか、それが私を呼んでいるような気がする。まるでこの印が私の血を知っているかのように。
ハルリック卿が沈黙を破った。
「あの物体は危険だ。彼に触らせてはならない!
もし彼がそれを自分のものにすれば、王国は彼を制御できなくなる。」
セレスティンは毅然とした態度で前に出た。
「危険? それはスコルドゥルが彼を認識している証拠よ。これ以上、彼らが運命を受け入れるのに何が必要だっていうの?
私は彼を駒に仕立て上げることは許さない。」
ヴィヴィエンヌは不安そうに扇子で顔を扇いだ。
「もしルーンが彼を彼らのものだと刻印したら? ヴァルセリスとヴァルドリアはどうなるの?」
「認めたくないけれど…彼らが彼を自分のものにするのではないかと、恐ろしい。」
リオラはそっとエイドリアンに近づいた。
「触ってみて。ルーンが語るなら、今語らせてあげて。
どんな予言よりも、あなたを信じているわ。」
エイドリアンは盾に手を置いた。深いざわめきが部屋中に広がる。
彼の脳裏に、断片的なイメージが次々と浮かび上がる。ロングシップに乗ったヴァイキングの戦士たち、フィヨルドでの戦い、隠された神殿を見守る石像の守護者たち。
エララは静かに身震いしながら、その様子を観察していた。
これはただの幻影ではない…記憶だ。まるでスコルドゥルが彼の中にいるかのようだ。
アルデブランド王が立ち上がる。
盾が彼を認識した。明白な事実を否定することはできない。アドリアンの内にはスコルドゥルの残響が宿っている。
これはすべてを変えるだろう。
セレニアは静かに頷く。
ならば、称号はヴァルセリスとヴァルドリアだけのものではない。他の王国も彼を受け入れなければならない。
二つの世界の息子…そして今やルーンの息子でもある。
アドリアンは震えながら手を引っ込める。盾はまだ光を放ち、まるで彼に印をつけたかのようだ。
私は王子なのか…それとも、それ以上の存在なのか?




