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外の人からしたら、エンティパイアの人間、というだけでどうやら物珍しいようなのだが、それにしたって入り浸りすぎじゃなかろうか。
まあ、心許せる友人のようなものがほとんどいないわたしにとって、こうして気にかけてくれるというのは、なかなか嬉しかったりするのだけれど。
命の恩人でもあるからか、どうにも彼には気を許してしまう。
「今日も遊びに来たんですの?」
いつものように聞いてみるが、アルベルトは首を横に振った。
「いや、今日は修理の依頼。相棒が欠けちまって」
「あら、まあ」
わたしはナイフを作業台に置き、アルベルトの元へ。
アルベルトの相棒――もとい、術具の剣を預かる。
ずしりと重いその剣は、一見、どこにでもある片手剣。よく見ると、術石でいろいろと加工はされているものだ。
長年冒険者を続け、それなりに高ランクだというアルベルトなら、もっといい剣を扱えるだろうに、それでも彼が相棒と呼ぶのは、駆け出し冒険者が使うような安っぽい剣なのだ。
実際、初めて手に取った剣もこれで、ずっと一緒に戦ってきたのだとか。
それだけ愛着をもって使われていたら、さぞ剣も幸せなことだろう。
「直せるか?」
「ううん……直せなくはないですけれど、素材が……」
欠けている、と言っていたから、てっきり刃先が欠けたのかと思いきや、つばの部分に埋められた術石の一つが砕けていた。
新しい術石をはめ込めばいいのだろうが、術石の予備もなければ、作るための材料もない。
術石は、魔力を貯めて置ける石だ。天然ものはより多くの魔力を貯めておけるが、属性ごとに用意しないといけないのが難点だ。人工ものは天然ものより圧倒的に貯蓄量が劣るが、代わりに魔術の術式そのものを入れることができ、簡単な術具となるのが最大のメリットだ。
見たところ、砕けた術石は天然のフォイネシュタイン。宝石としても人気の、真っ赤な術石だ。
天然の術石は、人工のものと違って最初から魔力があるわけではない。魔力を込めない限りは宝石として扱われる。
よって、どれもこれもそれなりの値段がするわけで……。
そもそも、わたしが素材を集めてこれないので、もし素材が必要になれば持参してもらわないとならない。ちなみにその場合、修理費は安くなる。
「あー、そっか。フォイネシュタインだけで足りるか?」
「そう……ですわね。ええ、他に不備は見当たらないようですし、術石さえあれば直せますわ」
わたしは剣を確認しながら、答える。術石をはめ込むだけならわたしにも何とかなるだろう。おおよそ侯爵令嬢のする仕事ではないが……トゥーリカに負けたくない一心で付けた無駄な技術が役に立っているようでなによりである。




