表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
悪役令嬢に転生していたことに気が付きましたが、手遅れだったのでおとなしく追放に従ったのですが……?  作者: ゴルゴンゾーラ三国


この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

13/71

12

 フィオディーナ修理店は、ギルドの施設内の空き部屋を借りることになった。受付のすぐ隣で、もともとは職員の更衣室に使われていたのだが、人数が増えて広い部屋を更衣室にしてから、使わなくなったらしい。


 受付開始はやや遅めで、昼過ぎから。朝から昼にかけては、掃除の時間だ。部屋をもらってから、一日つぶして掃除をしたのだが、いかんせん長い間使われてなかった部屋だからか、綺麗にしても綺麗にしても、どことなく埃っぽく感じるのだ。

 この店を開くにあたって、冒険者ギルドの職員の制服を貸してもらえるようになったので、お気に入りのドレスを汚してしまう心配もない。


 朝からの掃除が終われば、昼ご飯の少し前に、倉庫からいくつか術具を持ってくる。

 修理店を開く前に、一日かけて『すぐ終わりそうなもの』『割と大変そうなもの』『一日じゃ終わらないもの』『全く直せないもの』の四つに分けていた、魔力補充待ちの術具の中から、『すぐ終わりそうなもの』を二つ、『一日じゃ終わらないもの』を一つ部屋に置く。

 『一日じゃ終わらないもの』を少しずつ進めながら、『すぐ終わりそうなもの』から数を減らしていく、という作戦だ。


 部屋に物を置いて、お昼ご飯を食べ、そして修理店は開かれる。

 たまに来る依頼を引き受けながら、地道に、倉庫にある術具の魔力補充を消化する。


 それがここ最近の、わたしの毎日だ。


「フィー!」


 声を掛けられ、古びたナイフに魔力を込めていたわたしの集中力が切れた。反射的に舌打ちをしそうになって、わたしは慌てて口を押える。

 『トゥーリカに負けられない』というストレスから解放されたからか、前よりは怒りの沸点が上がったような気がするけれど、それでもやっぱりどちらかと言えば怒りやすい性格は治らない気がする。

 こればかりは、フィオディーナとしてのわたしが強い状態ではなくならない限り、どうしようもないのかもしれないな……。


「アルベルト、ごきげんよう」


 古びたナイフから目線を離すと、受付カウンター替わりの棚のところに、右耳にカフスを付けたアルベルトがいた。

 カフスは受付代わりに置かれた机の上に、共用語で『御用の際はお使いください』と書かれた紙と共に常時置きっぱなし(ちなみにその言葉はマルシが書いてくれた)で、誰でもつけられるようにしてあるのだが、アルベルトが一番使っているように思う。


 特に用事がなくても、彼が遊びにやってくる。これもまた、ここ最近の、わたしの日常だった。

 おかげで愛称で呼ばれても違和感がないくらい、すっかり仲良くなってしまった。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ