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眼の異世界転生  作者: ビッグツリー
第二章 目的~ビビレッジ編~
23/70

十六話 ララの秘密

 数日が経ち、俺とミラとマインはリビングでくつろいでいた。もうすぐ昼時になるので、リビングに集合していたのだ。


 そろそろ昼食の準備をする為にとミラとマインが立ち上がるが、その時タイミング悪く家の呼び鈴が鳴った。ミラが玄関の扉を開けると、そこにはあの親子の姿があった。


「こんにちわ」

「ミラお姉ちゃん! 遊びにきたよ!」

「あ、いらっしゃーい!」


 ララはにこやかな微笑みを浮かべ、ルルはというとミラの横をサッと抜けては靴を放り投げるように脱ぎ、バタバタと勢いよくリビングへと走りだしていた。


「わーーーい! お兄ちゃーん!」

「ん? おっと」


 ルルは走る勢いそのままに、カエルの椅子に座るジークの胸へと飛び込んだ。

 あとからやって来たミラとララは、その光景を見て微笑んでいた。


 俺はルルを持ち上げては膝に乗せ、テーブルに向き合うように座らせた。


「ジーク殿の隠し子か?」


 きょとんとするマインの素の反応に、俺は若干顔を引きつらせた。


「マインさん、前に話したルルちゃんとララさんですよ」

「おお! そうであったか! マインだ! よろしく頼む!」


 ミラのナイスフォローにより、俺は一つ安堵の溜息をついた。

 ちょうど昼食の準備をするところだったので、ララはそれを手伝うと言ってミラとマインとララの三人がキッチンに立っていた。ルルは俺の膝の上に座ったままテーブルの上で積み木をして遊んでいる。怪我をしないように角を丸くしてあるそれは、俺が即席で作り出した木製の積み木のおもちゃだ。



 カチャカチャと音を立てながら遊ぶルルを見ていると、料理が運ばれてきたのでララ用にいたちをモチーフにした椅子を作り、ルルには可愛らしいクマさんをモチーフにした椅子を作ってあげた。

 当然しばらくは女子たちのキャピキャピタイムが始まっていたが、”料理が冷めるぞ”という俺の言葉に女性陣は正気に戻り、みんなで料理を囲んでは楽しい昼食タイムを満喫していた。



 

 ちなみに村に住むハピの住民達は、ビビレッジへ正式に移住が決定された。本人たちも村の連中も大いに喜び、今では工業区の各工場に臆病犬ビビリ・ドッグを管理者として一人配置し、元ハピの住民達がメインに生産工場の従業員として働いている。他の臆病犬ビビリ・ドッグ達は主に農業区での仕事になり、空いている時間には再開したマインの戦闘訓練が行われていた。






 次の日の夕方、外へ自主訓練へ出ていたミラが帰ってくるとその手には一匹の小鳥を抱えていた。

 ミラは抱えていた小鳥をテーブルの上に置くと、リビングにいた俺とマインはその鳥をマジマジと見ていた。全身黄色の体毛で覆われ、両手の中に収まるほど小さかった。テーブルの上をヨチヨチと歩いては、たまにバランスを崩して転んでいる。



「村に戻ってくる途中に、森の中で弱っているこの子を見つけたんです」

「ふむ。これは感知鳥であるな! 身の危険を感じると、逃げてしまう無害な魔物の一種だ」


 マインのその説明を聞き、俺はミラの目を見た。その目は何かを訴えたそうにウルウルしている。


「……ジークさん」

「わかった。面倒はお前がみろよ。それに魔物だから俺が危険だと判断したら処分するからな」

「はい! ありがとうございます! よかったねピーちゃん!」



 すでに名前を付けていたのか……飼う気マンマンじゃないか。まあ、無害なら俺が世話するわけでもないし別にいいか。危険だと感じたら、から揚げにでもしてしまおう。



 ミラはキッチンでミルクを温めると、小さな小皿にそれを移しては小鳥に飲ませていた。ピチャピチャとミルクを舐めるその姿を、ミラとマインは微笑みながら見つめていた。


 すると呼び鈴が鳴ったので、マインが出迎えると玄関の前にいたのはルルとララだった。



「お兄ちゃーーーん! あれ? 鳥がいる!」


 両腕を広げてリビングに走って来たルルは、俺に飛びつく寸前にテーブルの上にいる小鳥に気づいたようだ。


「あら、かわいいですね!」

「ララさんもそう思います!? ピーちゃんっていうんですよ!」

「ルルもピーちゃん見るー!」


 ルルは俺の膝の上に立ち、テーブルの上にいる小鳥を目を輝かせながら見つめていた。

 ミラはそのまま俺とルルにミルクを飲む小鳥を任せ、マインとララと共に夕飯の準備を始めるようだ。ララはさすが母親と言うべきか、素晴らしい料理の腕をしていた。


「ララさん、ほんとすごいです! 私の料理の師匠になってください!」

「うふふっ、ありがとう。ミラちゃんの花嫁修業の為に頑張らなくちゃね」

「は、花嫁……」


 ミラはララの言葉に、耳まで真っ赤にすると顔から煙を出していた。


「わはは! ミラ殿! キッチンでボヤ騒ぎを起こされては困るな!」

「もう! マインさんまで!」




 なにやらキッチンのほうが騒がしかったが、俺はルルが小鳥を撫でながら笑顔を作っている光景が微笑ましくて気にしないことにした。



 



――翌日、俺はハピに来ていた。


 村への移住希望者が出揃ったとジルから報告のメールが来ていたので、先にムタと数名をハピに送り出していた。その到着予定日が今日だったからだ。

 事前に打ち合わせをしていた街の外の集合場所にて、報告に合った住民達百二十人が全員いることと荷物などを確認し、ムタと最終チェックを行っていた。






 ハピの街のとある一角。外壁から顔だけを出してはその光景を覗き見する五人の男達がいた。


「おい、あの人間だ」

「ああ、間違いないなあの黒ローブの人間だ」

「こんなに街の奴らを集めてなにしてるんだ? 臆病犬ビビリ・ドッグと話しているようだが」


 すると、街の外周を警備していた警備団の一人が、そんな怪しい様子の男達を目にするなり近寄っては背後から声をかけた。


「おい、貴様ら何をしている!」

「わっ! い、いえ。なにやら人だかりが凄いので、びっくりして様子を見ていただけです」

「そ、そうなんです! 俺達小心者ですから!」


 男達は、急に背後から声をかけてきた相手が街の警備団と分かると慌てて言い訳をしていた。


「あれはなにかのお祭りなんですか?」

「いや、ここから馬で三日ほど南下した場所にある臆病犬ビビリ・ドッグの村への移住希望者の集まりだ。今日出発するようだな」


 その言葉を聞くやいなや男達は顔を見合わせた。


「そ、そうだったんですね! ありがとうございました!」


 逃げるようにその場を立ち去った男達は、警備団の姿が見えなくなると不気味な笑いを上げ始めた。


「おい、聞いたか? 隠れ住んでる臆病犬ビビリ・ドッグの村だってよ」

「あの人間、臆病犬ビビリ・ドッグの奴と自然に話してたな。きっと仲間だ」

臆病犬ビビリ・ドッグの村が、あの人間の住んでる場所に違いない」

「国王が領主に探させた人間ってのはあいつなはずだ。黒いローブだし間違いない。あの無能共の村に隠れ住んでたなら見つからないのも理由が付くな」

「これは……領主に報告すれば、国王からガッポリもらえるかも!?」


 その空間は、五人の男達の不気味な笑い声に支配されていた。




 最終確認を終えた俺とムタは、見送りで来ていたハピの代表のララに声をかけた。


「確認は終わった。俺達はこれから出る。ジルによろしくな」

「はい。お気を付けて行ってらっしゃいませ。ジル様にもお伝え致します」



 相変わらずお堅いな。真面目な彼女だから、信用にもつながるわけだが。同じララでも、こうも違うのか。

 俺はルルの母親を思い出し、比べていた。



「んじゃ~ララ、適当に行ってくるっす~。無事向こうに付いたら連絡するぅ~」


 だるそうに言うムタに、ララはメガネをクイッと上げると、早足でカツカツと近寄って行った。


 ムタ、さようなら。そう思った俺の目の前には衝撃の光景が映った。



「き、気を付けるのよ? 三日も連絡取れないのは寂しいから、メールくらいしてよね?」


 少し顔を赤くしながら、照れ隠しなのかモジモジしながら答えるララ。


 

 あっれー? こんなキャラだったかな? てか、ムタお前仕事しすぎだろ。いろんな意味で。

 どうやらムタはきっちり仕事をこなしていたようだった。爆発しろ。



 俺は先に村へと飛んで帰り、村長に伝えて村の受け入れ体制を整えることにした。

 生産体制の人員配置の見直しや食料などは任せ、俺は住宅区に新たに住民用マンションをもう一棟建設した。すでに基になるマンションがあるので、それをリーナの特性で複製したのだった。ライフラインの接続作業は、俺が髪から触手を何百本も出して操って行った。

 村の建設に関したデータなどはすでにあるので、初期と比べると効率よく情報処理出来るようになったから、強制活動制限モードへは行きにくくなっていた。


 マインは戦闘訓練の指導を行い、ミラは自主鍛錬とルルを見たり、ララは旅館にて働くことになり、ルルはミラの家で小鳥の面倒を見ながら留守番という形が定番になっていた。

 夕食はミラの家で5人で仲良く食べ、ルルとララはその後帰宅するといった流れだ。



――三日後。


 ムタがハピの住民達を連れて到着したようだ。役所スタッフが総出で人数と名前と荷物を確認し、事前に作ってあったリストを基に村の概要説明を終え、数名単位で引き連れてマンションの部屋へと案内していた。


「よう、御苦労」

「旦那ぁ! 疲れたっすよー!」

「無事に全員連れてこれたようだな」

「余裕っす! あ、やっべ! マイハニーにメールしないと!」


 ムタはそそくさと離れていき、魔通機をピコピコいじっていた。


その日の夕方は、家の呼び鈴がけたたましく鳴り響いていた。それは、新しく移住してきた元ハピの住民が俺とミラに、改めて挨拶をしに来ていたからである。

 それは日が暮れても続き、食事が終わっても続き、気が付けばすっかり遅い時間になっていた。

 帰るタイミングを失ったルルとララは、その日は泊まっていくことになった。先に眠くなったルルをマインと共にミラの部屋に寝かせ、住民達の挨拶の対応を終えた俺達も寝ることにした。

 ララ用の即席ベッドを作る為に俺もミラの部屋へ行き、ルルを寝かしつけていたマインと交代することにした。


「マインさん、ありがとうございます」

「お、ララ殿。お利口さんに寝ているぞ」


 クマさんの模様が描かれたパジャマを着て、すーすー寝息を立てながらルルは眠っていた。ちなみにこのパジャマもジーク製である。

 マインは自分の部屋へ戻り、俺はララにベッドを作ってあげた。

 ララとミラはルルの眠るベッドに腰かけ、その寝顔を微笑ましく眺めていた。

 俺は傍に立って、腕を組みながら寝顔を見ている。


「可愛い寝顔ですね」

「すっかり懐かれてしまったな」

「この子も喜んでますよ。毎日ジークさんやミラさんやマインさんの話をしていて、とても楽しそうなんです」


 ララは寝ているルルの頭を、優しく撫でていた。

 すると突然、急に真面目な顔になったララは静かに口を開いた。


「ジークさん、一つ聞いてもよろしいですか?」

「なんだ」

「人間であるあなたが、数多くの種類の獣人達とこの村に生活しています。この村には……いえ、ジークさんあなたには人種の差別意識は薄いと、解釈させてもらってもよろしいですか?」

「薄いも何も、差別なんかしていない。人間だろうが亜族だろうが、精霊だろうが魔族だろうが、それこそ魔物だろうが俺には関係ない。この村に一つの意志の元集まるならば、俺は皆仲間だと思っている」


 俺の言葉を聞くと、ララはきょとんと目を丸くした後、小さく微笑んだ。


「ふふふ。魔物もですか。ピーちゃんもいますしね。あなたはおもしろい方ですね。……ジークさん、ミラさん聞いてください。後でマインさんにも教えして頂いても構いません」

「どうした」

「どうしたんですか?」


 ララは立ち上がり、俺とミラを視界に映るように体を向けると、ゆっくり語り出した。


「この子の父親は……人間なんです」


 俺とミラは目を丸くし、寝ているルルを覗き込んだ。

 驚愕だった。亜人を見たことないとはいえ、獣人とまったく区別がつかなかった。


「私は昔、人間と恋に落ちこの子を宿しました。それは禁忌と言われる亜人として生まれることを知っている私達は、ひっそりと自分達だけで隠れて暮らすようになりました。しかし……その生活も長くは持ちませんでした。人間の彼は、慣れない自然での生活に苦労をしていました。ですが、私と生まれたばかりのこの子を守る為に、必死に頑張っていました。そんな生活が2年が経ち、そこに凶暴な魔物はやってきました。彼は……あの人は……私とルルを守るために、その身を犠牲にしてまで守り抜いたんです。……それからは、私はこの子を連れて、西の辺境の街へと移り住んだんです……。あの人の、守ってくれた居場所を捨てて……」


 口元を手で覆い、涙を流しながらララは話していた。ミラも涙を流し、俺は下を向いていた。

 その時、小さな声が聞こえた。


「マ……マ」


 見ると、寝ていたはずのルルが、ララの服の裾をぎゅっと掴みながら、涙を流していた。


「起こしちゃったのね。ごめんね……今までウソ付いてて……ごめんね」


 ララは、ルルをぎゅっと力強く抱きしめると、涙を一層溢れさせていた。


「ママ……。パパはおうちじゃなくて、ルル達を守ってくれたんだよ」


 ララはその言葉を聞いて一瞬、目を見開いては――声にならない声を上げて、激しく泣いていた。

 ミラは二人に寄り添い、抱きしめるようにして一緒に泣いていた。


 俺はそっと部屋を出ると、ドアに背中を付け、胸の部分にある服を強く握りしめていた。


《ジーク? 大丈夫です?》

(ああ……。ちょっと、昔を思い出しただけだ……)


 その日の夜は、とてもとても、静かだった。








 次の日、リビングには俺とマインとルルがいた。ミラはすっかりよくなった小鳥を連れて自主鍛錬を行う為にと、村の外へ出ていた。どうやら感知系に優れた小鳥の鍛錬も兼ねているようだ。ミラの共感性のおかげか、小鳥とは意思疎通が図れるようだ。ララは旅館へ仕事なので、今はこの3人のメンツが残っていた。


 俺とマインとルルは、テーブルを囲み、ある遊びを行っていた。

 それは、俺が作り出した『トランプ』だ。薄い紙に、可愛らしいクマのイラスト付きで、透明な植物性樹脂でコーティングしてある。

 事前にババ抜きのルール説明をし、何度か試しにやっていると、さすがのマインはすぐに理解していた。表情を露骨に出さない工夫までし始めた。ルルの方も、まだ子供とはいえ知性の高い人間とのハーフゆえか、それはしっかり受け継がれていてスムーズに順応していた。


「むむむ。またルルとの一騎打ちか!」

「ジークお兄ちゃん強すぎ!」


 徐々に適応し、工夫まで始めたルルとマインに手加減できなくなってきていた俺は、ついに禁断の”力”を駆使し、大人気もなく一番抜けを治め続けていたのだ。

 こと視るのに卓越している俺にとっては、例えいかにシャッフルしようとも、たった一枚のババを”視逃す”なんてこと有りはしないのである。だが、遊びとはいえこれは勝負だ。そんな一枚を把握するなんて小さな手段ではなく、俺は”全て”のカードの位置を把握していたのだ。

 これはもはや、裏にもイラストが描かれているのと同じことだ。負けるわけがない。


マインもルルも楽しそうにトランプ遊びに夢中になっていた。

 昨日のこともあり、今のルルの表情に目を向けると、俺は少し安堵の息を漏らしたのだった。



 夕方になると、みんな揃ってババ抜きをしていた。ワイワイガヤガヤとやっているその光景を――俺は見ていた。というか仲間外れにされていた。

 俺が一番に上がりすぎたのと、カードを引けば必ず手持ちと一緒に場に出すことから、さすがに勘のいいミラにバレたのである。というか、怪しんだミラは、ひそかにリーナに聞いていたのだ。


(リーナお姉さま、もしかしてジークさんイカサマしてません?)

《私の協力も得て、大人気もなく能力全開で行っているです》


「ジークさん! 退場ぉぉぉぉ!!」


 という流れだった。

 女子達だけでトランプをしている光景は、なんとも賑やかで楽しそうだった。


 俺? 俺はその光景をチラチラ見ながら、カエルの椅子に座って一人で人口魔石をいじくっていた。

 いじけていたのではない。いじくっていたのだ。大事なことだから二回言っておく。



 次の日には神経衰弱、その次の日には大富豪と続き、7並べ、ブラックジャック、と日を追うごとにトランプの遊び方を教えていった。どの遊びでも常に一番になってしまう俺は、もちろん一人で石ころ遊びだ。


 新たに移住してきた元ハピの住民達もそれぞれ仕事に就き、生産状況も常に向上と安定を叩き出している。ビビレッジに住む住人達はみな、毎日が楽しいと言い、活き活きとした生活を送っていた。

 平和なこの状況がいつまでも続けばいいと思っていたが……悲劇は突然にやってくるのだった――。






――亜族の大陸『ストロマエル』にある唯一の国『シアズム』にて、牙の彫刻が施されている黒いバッチを付けた男が一人、床にかしずいていた。


「ステール様、黒いローブの男の情報が上がってきました」

「なにぃ?」


 ステールと呼ばれた男は、白髪頭に、床に着くほど長い灰色のローブを身に着け、襟元には金色に輝く牙の彫刻が施されているバッチを付けている。ストロマエル裏守護組織『ビースト』の総司令者だ。


「詳しく話せ」

「はっ。情報元は、西にある辺境の街の領主。黒いローブの人間は、臆病犬ビビリ・ドッグの村に隠れ潜んでいるようです。生活の為の奴隷か、戦力としてか、ハピの街の住民達を120人ほど連れ去ったようです」

「ふん! こざかしい。だが相手はずる賢い人間だ。念を入れてビースト部隊から300人で結成するか……無能な臆病犬ビビリ・ドッグ共々、根絶やしにしてくれる!」

「国王様へのご報告は――」

「構わん! わしの判断で決行する! 相手は人間一人と、雑魚共だ。黒いローブの人間の首を手土産に報告すればよかろう」

「はっ! 失礼しました!」


(やっと見つけたぞ黒いローブの人間。わしの部下を始末しおった恨み、晴らしてやる! それに、今回のことがうまくいけば、わしに賛同する声が上がってビーストに組み込める者が増えるかもしれん。くふふふ……笑いが止まらん。そうなればわしの計画が、もうすぐ決行できるやもしれぬな……)





 その部屋では、ステールの不気味な笑い声だけが、高らかに響いていた。

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