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「今、お前が倒れたと聞いて走って来たのだが……??」
「え?私はこのとおり元気ですよ?おかしいな?叔父さん最近私をよく思っていなかったみたいだし、昨日の怒りようもなんだか不思議です。お父さん、きっと叔父さんは私のことが嫌いで理由をつけて追い払おうというつもりなのでは……」
心配そうに身の不安を語る息子のその話をすっかり信じ込んだ曹嵩は、それ以来、叔父がなんと言おうとも取り合わなくなってしまった。
そうしてなにも言われなくなった曹操は以後、悠々と放蕩三昧の日々を過ごしたのだそうだ。
このように悪行についての話は他に数々とあるが、優れた才能についてもこんな話がある。




