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パティシエ シュクレのスイーツコレクション  作者: 冬厳@主夫ロニア
おすすめセット18 みんなはどれかな? お星さまのパーティセット 十二星座編
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 今日もギルドでの仕事を終え、自室で体を休めていると窓の外からきれいな星空が見えた。そういえばここ最近、夜空をしっかりみたことないなと思ったぼくは、ベッドから体を起こしぱぱっと身支度を済ませ外に出た。外はすっかり春めいていて、時折吹く夜風には優しい温もりを感じた。疲れているはずなのに、優しい夜風に吹かれるとなんとなく気分が入れ替わるような気がしたぼくは、うんと背中を伸ばした。すっかり夜の散歩をする気満々になったぼくは行く当てもなくその辺を散歩することに決めた。昼とはまた違った姿を見ることができるかもしれないと思うと、ぼくの気持ちはうきうき気分だった。

 ギルドから少し離れた森林を抜けると、そこは小さな湖があった。月明りに照らされてきらきらと光る水面は、昼間には見ることができない神秘的な光を放っていた。……にしても、今日は月明りが眩しいなと思っていると、湖の傍で小さな少女を見つけた。お星さまのようなきらきらした金色の髪を三つ編みにして両サイドに垂らし、淡い紫色のドレスには細かいレースが幾重にも重なっていた。その少女は体をゆらゆらさせながら何かを弾いていた。ぽろろんぽろろんと音が元気よく跳ねているようなそんな音に聞こえたぼくは、小さく手拍子を打った。すると、その少女は弾くのを止めて、ぼくを見て体をびくりと震わせた。

「あ……あわわわわ。びびび……びっくりしたぁ……」

 まるで逃げるかのように後退りをした少女は、大きな木の後ろに隠れ呼吸を整えていた。あ、なんか悪いことしちゃったかな。ぼくはその人影は隠れている木に近付き、何度も深呼吸をしている少女に謝った。

「い……いいのよ。あたしが気が付かなたっかのが悪かったんだし……。だから、もうそんな顔しないで。ね?」

 にこっと笑った少女はポルカと名乗った。そしてそのポルカの袖にくっついているのをカスターと言った。ぼくはポルカとカスターに挨拶をすると、ポルカは改めて挨拶を返してくれた。

「今日はお空がとってもきれいだから、楽器の練習をしようと思ったの」

 そういって見せてくれたのは、これまた金色の輝く竪琴だった。きらきらと光りを放つ竪琴には、なにやら記号のようなものが時折強く発光して見えたぼくは、ポルカにそれは何かと尋ねると、ポルカはえへへと笑いながら話してくれた。

「あたしね、十二星座のふたご座の皇子なんだ。えっと、使命っていうのがあるんだけど……その使命のため、毎日お勉強や修行を頑張ってるの! ね! エスターちゃん」

 エスターはポルカの問いに「そうそう!」と言いたげに何度も頷いて答えていた。使命……どういったものか教えてくれないかなと聞くと、ポルカはうーんと悩んだ末「あたしも実はよくわからないんだ。ごめんなさい」と謝った。ぼくの方こそごめんというと、ポルカはほんの少し表情を曇らせながら口を開いた。

「あたしね、その使命っていうのを守るための力を持ってて。それで、パパとママと離れて暮らしてるんだ。使命を守るために色んなことをお勉強して、一人前になるために……」

 こんな幼い少女が親元を離れて暮らしているということを知ったぼくは衝撃を受けた。その使命というのが、一体どういうものなのかは想像ができないけど、幼くして身についたその力を使わなければならない事態なのだろうということだけはわかった。

「でもねでもね。ママがカスターちゃんを持たせてくれてるからね、寂しくないよ」

 さっきの暗かった表情が一変し、にこっとぼくに笑いかけてくれたポルカ。それに続くようにカスターも一緒に笑った。

「今はママとパパと離れて暮らしてるけど、使命っていうのが終わったらまた一緒に暮らすんだ。それまでは、カマリお兄ちゃんがいてくれるから大丈夫だよ!」

 ポルカの顔に笑顔が戻ると、なんだかぼくは嬉しい気持ちになった。頑張り屋なポルカを応援したくなるっていえばいいのかな。それに、今日ここでポルカに会えたのは何かの縁なのかもしれない。ぼくは、なにか困ったことがあったら力になるとポルカに約束をすると、ポルカの顔はさらに明るさを増し、華やいだ。

「ほんと! 嬉しいな! お兄ちゃん。約束だよ!」

 ぼくはうんと頷くと、ポルカはぼくの手を握ってぶんぶんと振って喜んだ。ぼくもそれに応えられるよう、ポルカ以上に努力しないと。ポルカは嬉しさのあまり、ぼくの周りをくるくると回りながら喜んでいると、急に「あっ」と声を上げて立ち止まった。

「そろそろ戻らないと。お勉強の時間だ。ごめんねお兄ちゃん」

 ぼくは気にしないよと言うと、ポルカは少し名残惜しそうにしながらも竪琴を鳴らした。すると小さな星がいくつも重なった乗り物が現れた。それに乗り込むポルカとカスターをぼくは見送ると、ポルカは大きく手を振りながら声を張った。

「おにーーちゃーーん! またあおーーねーー! ぜったいだよーー!!」

 寂しさを堪え笑顔で別れを告げるポルカを最後まで見送ったぼくは、後にやってくるしんと静まった空気がなんとも寂しく感じてしまった。でも、これはまた会えるまでの短いお別れだと思い、ぼくはさっきよりも少しだけ空気が冷たくなった夜風に吹かれながらギルドへ戻った。なんだか今日はいつもよりいい夢が見れそうなそんな予感がしていた。

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