ACT3 霊能者『まだら』
仲の良い友人達と久々に映画に行く事になった。最近他校に彼女ができた友の1人が、気を利かせて彼女と女友達も何人か連れてきてくれる事になっている。持つべき物は友人である。
今日の映画は人気ミステリーを実写化したものであった。
彼女持ちの友人が林それ以外の男友達は森だったが、林の彼女の斎藤さんが女友達2人連れて来て、男女各3人でバランスが良かった。
斎藤さんがアクション格闘、武侠物が好きで林とはリバイバル上映で知り合ったらしい。
斎藤さんが連れて来た、サラサラ茶髪が鈴木さん、黒髪ボブの子が変わった名字の斑目さんだった。斑目さんはミステリー好きなのか、パンフレットを買っていた。
映画が終わり、カラオケに行く事になった。
森はサラサラ茶髪の鈴木さんがタイプらしい。積極的に話しかけている。
自己紹介を兼ねた雑談の中で、変わった名字の斑目さんは下の名前が桃子で、実家が神社という事が分かった。蛇神を祀っている小さな神社らしい。
(まだらめ……最近、何処かで聞いたような……)
隣に座ってる斑目桃子を見ながら、蒼太は記憶の引き出しを開けるかのように考え込んだ。
(あ!! 昨日見た霊能者のブログ!! 霊能者が『まだら』と名乗っていた。由緒ある神社の血筋とプロフで謳ってたな)
話題も乏しく沈黙も気まずかったので、蒼太は彼女に聞いてみた。
「まだらめって変わった名字だよね。『まだら』って言う霊感芸人知ってる?」
その質問に、斑目桃子は飲みかけのオレンジジュースでゴホゴホむせた。蒼太の耳元で小さめに
「そいつ、私の従兄弟」
と答えたのであった。
その後の雑談で、霊感芸人『まだら』で売り出し中の斑目桂がイトコは恥ずかしいので、黙っている代わりに、彼を紹介してもらえる事になった。
斑目桂が子供の頃から霊感が強い事は事実らしい。
世俗にまみれるのは嫌だが神社の宣伝にもなるし、神社関係者は芸能活動は知らんぷりしているそうな。
(本当に霊能者かは疑わしいが、それで幻聴の悩みが解決すればラッキーだし。とりあえずプライベートで会える女友達ゲット)
蒼太は能天気にそう思っていた。




