↓ ↑ページトップへ
表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
シーラカンスの眠り  作者: セツ


この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

PR
10/10

ACT10 スーパームーン

 死神のようなイメージの謎の黒フード達が集合していたビル最上階層に、霊能者芸人の斑目桂(に似た人物)を見かけて、蒼太は何となくモヤモヤしていた。


(あの人、何であんな所にいたんだろう……芸能活動の接待の一環なのかな……)

せっかく友達になった(自分的には)桃子ちゃんのイトコなので疑いたくなかったので、別の事を考える事にした。


古い〈先祖返り〉引き起こしたきっかけ……。

凡庸な自分には、そんなモノがあっただろうか……。


 気分転換に、前世療法CDを聴いてみることにした。

 今回は数ヶ月前にあった『スーパームーン』のニュース映像が出て来て、

(数ヶ月前……スーパームーンがあったな)

などと思っているうちに、蒼太は相変わらず寝落ちをしてしまった。


* * *


 月と地球の成分が似通っている事から、古代に隕石が地球に衝突し分裂した破片が月との説があるらしい。

 水は生命の源。月には水がある事は既に確認されており、地球からなのか、地球と同様に彗星等なんらかが飛来した折に外宇宙からもたらされた可能性も考えられるらしい……。


 スーパームーン。とりわけ数百年に一度、月と地球が最接近する現象。


寝落ちをした夢の中で蒼太は、スーパームーンがあった深夜の出来事を思い出していた。


(何で忘れていたんだろ⁉︎)


あの晩。


寝ていた自分の中から、

『月に還りたい』

という、強烈に鳴き叫ぶ、誰かの存在を感じたのだった。


 その鳴き叫ぶ者の衝動があまりに強烈だった為に、蒼太は、内部にいるその『何か』が自分の本体で、自分こそは地球を生きる為の仮初めのプログラミングなのでは……。

という奇妙な考えと感覚が湧き起こってきたのであった……。


* * *


 かつて見た事がある『パラサイト・イヴ』ミトコンドリアの人間界への進出とか反乱。

 生物は遺伝子が子孫に情報を受け継ぐための一時的な乗り物に過ぎないと説く『利己的な遺伝子』を、その晩は奇妙な経験から思い出していたのだった。


(『月に還りたい』という事は、月由来の液体が遺伝子やミトコンドリアの中にでも紛れているのだろうか……)

などとも思ったりした。


(という経験を、何で忘れていたんだろう……?)

それが怖かった。


記憶すら操られていて、自分だけの物ではないのでは……。

という根源的な恐怖を蒼太は感じていたのであった。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。