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うっかり王女適当に返事をした王子が魔法で縛ってきたのでサクッと解術してもらうことにしました。  作者: 鈴木 澪人
セプテントリオ国編

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冬麗の陽気とうらはらにガチギレ王族に喧嘩を売る 中編

前半、コンラート視点

後半 アンニーナ視点


・コンラート・ヒエムス・セプテントリオ  第一王子 王太子 通称:ラート兄上

・ラインハルト・ヒエムス・セプテントリオ 第二王子     通称:ライ兄上

・ブルクハルト・ヒエムス・セプテントリオ 第三王子     通称:ブルク兄上

 「はぁ?」

私は手にしていた書類を一度机に置いてから執務室に慌てて入ってきたブルクの言葉を聞きなおした。


「だから、エーベの女の子(アンニーナ)がマリウスを人質にしてラート兄上に謁見しろって謁見室で待ってるんだって!」


私はこめかみを抑えて目を(つぶ)った。仕事は山積みなのに何も考えたくなくなりそうだった。

マリウスも何を考えているんだ。多少強引にでも力でねじ伏せる事ぐらいできたのではないのか?

私は、次の展開を模索しながら浮かび上がる疑問点をいくつも考えていた。


「とにかく、マリウスの様子もおかしいらしいし、ラート兄上が行った方がいいかも。今はライ兄上が宥めているみたいだけど魔力量はどうやらあの子の方が多いみたい。わっ、ラート兄上!止めて!俺に圧掛けても仕方がないだろ。あ~、言葉遣いも直しますって」


ブルクが泣きそうな顔をしだしたので無意識に放っていた魔力を抑え立ち上がると


「今から謁見室に行ってくる。多分君たちの魔力だとアンニーナ姫に会う前に倒れてしまうと思うからここで待機をするように」


「しかし、王太子様、相手は刃物を持っている様子です。お一人で行かせるわけにはなりません!」


私付きの騎士が勇ましく語ってくれているが多分、足手まといにしかならないだろう。ブルクでさえもうあの場所には行きたく無さそうだ。


「君の忠誠には本当に感謝するよ。私が本当に危機を感じたらすぐに連絡をよこすからそれまでは君も待機して欲しい」


「・・・御意」


悔しそうな表情をしていたが、王族とはいえ女性の魔力に当てられて謁見室までたどり着きませんでしたなんて噂が流れたら彼を私の専属から外さなければいけないからね。仕事を増やすのは止めて欲しい。


「ブルクはどうする?」


「俺・・・。私は遠慮しておきます。魔力の圧が落ち着いたらすぐに向かいます。」


「うん。そうしておくれ。じゃあ、アンニーナ姫に会いに行きますか」


私は気を取り直して執務室のドアを開けた。



※※※


 確かに、私は怒っているけど・・・。


「えぇ~。ちょっと倒れすぎなんじゃない・・・。」


私の魔力に当てられた騎士や側近達がバッタバッタと倒れていった。

その現状を見ながらつい(つぶや)くと


「貴方の魔力の圧がすごすぎるのですよ」


向かいで平然としているええっと、エーベハルト王子の二番目のお兄さんのラインハルト王子が苦笑いをしながら私に話しかけた。


「それにしても、彼まで倒れるとは・・・」


ラインハルト王子も驚きを隠せない人も倒れたみたいだった。


「しかし、マリウスは平気なんですね。意外と魔力量が多いのかな?」


私は隣にいるから分かるけどマリウスさんは違う原因の苦しみと闘っていた。

だから無意識にマリウスさんには圧がかからないようにうっすく膜を張って圧を受けないようにしていた。


そして、マリウスさんの呼吸が再び荒くなっているのを感じ、私は焦った。


「王太子様はよほどお忙しいのですかね?」


私の怒りと比例するように魔力の圧が一段重くなった。さすがにラインハルト王子も表情を歪める。


「もう少しで到着されると思います・・・。」


その言葉と同時にノックもなく性急にドアが開かれた。そんなことができるのはこの国では数えるほどしかいないでしょうね。


「失礼。私に何かお話しがあるのでしょうか?そこのマリウスを人質に取ったと聞いて大変驚きましたよ」


コンラート王太子の言葉と同時にラインハルト王子は部屋を出ていった。膝をついたのだろうか謁見室の外ではガヤガヤと騒々しかった。


コンラート王太子もそれに気が付いていると思うけど無視をして私を見ながら再び話し始めた。


「確かに、私も姫に対して失礼な対応だったかなと思うところはありますが、さすがに直系ではないとはいえ王族を(たて)にするのはあまりよろしくないと思いますが」


王太子は腹の探り合いを始めようとしていたが私はそれを無視して、さっき緩めていたマリウスさんの首元を彼に見せるようにはだけさせた。


王太子はマリウスさんの体の文様を確認したのか、一瞬固まったがすぐに表情を戻した。


私は、マリウスさんに突き刺していた懐刀を(さや)に戻した後


「マリウスさん、もう無理しなくても大丈夫です。」


と言いながら私の膝に頭を乗せた。そして、私は圧を無くすと


「今すぐ、マリウスさんを自室に運んでこれが無くなるように掛けた本人を説得してください!」


私は端的に要求を言うと王太子は頷き、すぐに人を呼んだ。


「マリウス!大丈夫か?」


その中には三番目の兄のブルクハルト王子も含まれていたらしく、マリウスさんの容態を見て驚いていた。


「マリウスを自室に戻し、専門の侍医を呼ぶように!」


「では、この後は・・・」


圧の亡くなった部屋に騎士と側近達がワラワラと集まってきて一斉に私の方を見た。

いいじゃん、お相手しますわよ?


の意味を込めて首をコトリと倒してみた。いわゆる挑発行為ってやつね!


「止めておきなさい・・・。彼女の目を確認するといいよ。負ける気しないって目をしているから」


コンラート王太子は、侍女にお茶を出すように指示をするとその他の者たちは再び退室するように促した。

最後までお読みいただきありがとうございました。

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