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うっかり王女適当に返事をした王子が魔法で縛ってきたのでサクッと解術してもらうことにしました。  作者: 鈴木 澪人
メリーディエース国編

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炎る日差しに立ち込める暗雲 Ⅲ

ローマ数字ってⅢ以降分からなくなりますよね。

ハイ次はⅣですからね。

 朝食を食べてカロル王女に会いに行く準備が整った。


「おはようございます」


モリーさんはいつも通り私を迎えに来てくれた。


「おはようございます。」


私とモリーさんは目を合わせるとそのまま応接室に案内してもらった。

昨日は、公式というよりもプライベートで会いに行ったのでカロル王女の私室にお邪魔(じゃま)したが今日は正式な面談の形になった。


 どうやらハルトは向こうで待機しているらしい。私は〝お供します!〟と意気込むユーリアの代わりに文官を一人呼び出し同行させた。

ユーリアはバレリアと同じ侍女なのでハルトみたいに文官を兼任(けんにん)することはできないからだった。

・・・ちょっと任せるの怖いしね。ごめんね。ユーリア。


モリーさんの後をついて行きながらその文官と軽く打ち合わせをしていた。


「確かにアンニーナ様のおっしゃる通り王様からはそう言いつけられていますね。」

「そうなの。それでなくても各国にお邪魔させてもらっているからこれくらいは誠意(せいい)を見せておきたいという思惑もあるのだけどね」

「分かりました。実際の交渉(こうしょう)はアンニーナ様にお願いしますが、私はそれを書類にまとめメリーディエース側に渡せるように手配しておきます」

「うん。お願いね」


文官との打ち合わせが終了する頃にモリーさんは立ち止まりこちらでございます。

と言った後、私の代わりに取り次いでもらった。

奥から〝どうぞ~〟との声が聞こえたのでモリーさんがドアを開けると


カロル王女がハルトを後ろから羽交(はが)()めにしハルトの(うなじ)に鼻を近づけていた。


「カロル王女様!おふざけが過ぎますよ!」


モリーさんはすぐにカロル王女に強く注意をするとカロル王女が「だって・・・」と言いながら渋々(しぶしぶ)ハルトを放した。ハルトは私と目があると飛び上がるようにこちらに駆け付けた。

首元が少し寄れているのを見つけてしまう自分に嫌悪感(けんおかん)が湧いてくる。


 どうしよ・・・。昨日からのこのドロドロとした気持ちを抑えられない。

私は自分の左手を握りしめながらカロル王女に挨拶をした。


「おはようございます。昨日は討伐(とうばつ)のお誘いありがとうございました。」


カロル王女は私が怒っていないのを確認するといつもの笑顔になり


「モリー、アンニーナが怒っていないから大丈夫だよ!」


「お嬢様、そういう問題ではございません。異性相手にそのような行動を起こすのは子どもだけです。しかも相手は他国の傍仕(そばづか)えなんですよ!拒否することなんてできるわけがございません!」


「きちんと、ハルト殿とその主のアンニーナ様に謝罪をなさるべきです!」


「ごめんね。アンニーナ。君のハルトを横取りするつもりはないんだよ?ね?」


カロル王女はニヤニヤしながらハルトを見た後私の方を見た。


「ええ、大丈夫ですよ。傍仕えの一人ぐらいそちらの国に引き渡しても大丈夫ですから」


「アンニーナ様!」 「姫!」


私の発言に同行していた文官とハルトが驚きながら私の方をみた。

私はその視線を無視して再びカロル王女に話しかける。


「さっそくですが、昨日の討伐の件について・・・」


カロル王女とは文官との打ち合わせ通り報奨金(ほうしょうきん)授与(じゅよ)辞退(じたい)させていただくという内容をこちら側で書面にして渡すという流れになった。


面談は意外とすぐに終了したのでそのままカロル王女とお茶を飲むことになった。

モリーさんが用意してくれていた。


「そうそう、アンニーナの魔法陣の調子はどうなの?昨日あれだけ魔力を使用していても体調不良とかはないの?」


「はいそうですね。この魔法陣は本当に私に付いているってだけのような感じですね。なにか魔力量を引き上げるでもなく、逆に魔力を奪われているって雰囲気もないです。ただ・・・。」


「ただ?」


「この魔法陣の内容を読めるひとは全員〝えげつない〟って言います。そして私にその内容を教えてくれないのです」


私は困った表情をしながらカロル王女に話した。

カロル王女は笑いながら


「実は、私も魔法陣は読めないんだけど読める人の気持ちはなんとなく理解できるよ」


「そうなんですか」


私とカロル王女の会話をハルトは珍しくハラハラしながら聞いていた。

そんなにカロル王女に言って欲しくない二人の秘密でもあるのかな・・・。

私は普段なら考えない事をやはりドロドロした気持ちで考えていた。


「ハルト?ハルト大丈夫かい?」


カロル王女の声で私はその(とら)われていた感情から抜け出した。

そしてハルトの方を見ると、左肩の付け根を右手で押さえつけながら脂汗(あぶらあせ)をかいているようだった。


「すみません。大丈夫ですよ」


私がハルトを見た瞬間、苦しがっていた様子を隠した。

それがなんだかとても気分が悪かった。

カロ「打ち合わせも終わったし昨日の続きしようよ!」

ハル「昨日の続き?」

カロ「私こう見えても鼻がいいのよ!で分かったのよ。多分上半身に魔法陣あるんじゃない?」

ハル「・・・。」

カロ「ほらぁ~やっぱり正解だよね~。じゃあ上から魔法陣の匂いを嗅いでいこうと思います!」

ハル「えっ。ちょっと!」

ハルトの一瞬の隙を狙ってカロル王女は羽交い絞めにし

カロ「う~ん。つむじにはないわね。」

ハル(どこの世界につむじに魔法陣つけるやるいるんだよ)

カロ「次はうなじっと」


モリ「失礼します。アンニーナ様がいらっしゃいました」

カロ「どうぞ~」


ハル(おい!この状態で入室許可出すなよ!!)

→本文へ続く



最後までお読みいただきありがとうございました。

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